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ワラベノエンド  作者: 倉 奈ノ佳
二章 〜人任せな話〜
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#14 決別と休息

「では票も固まったと思うので、投票して下さい。」


 結局誰に入れるか…いや、あのままだと一茶が処刑されるんだよな。気は進まないけど、投票するか…。そうして俺は、一茶に投票した。


「投票が終わったようですね。では、これをご覧下さい。」


票数の一覧だ。自分に投票出来ないが、一茶以外の全員が一茶に投票したようだ。


「今回の犠牲者は…針打一茶さんです。」


「うん、分かってたよ。」


一茶はどこか悲しげに見えた。


「それにしても、一茶さんも含め、ここまでの犠牲者は強いですね。自ら死を選ぶなんて。」


「継ぎたくないし、恩返ししたいからね。…大丈夫、輪廻転生って考えもあるし、また会えるよ!」


明るく笑顔でそう言っていたがけど、作り笑いだろう。泣きそうなのを堪えている。それは俺にも分かった。


「一茶兄ちゃん、待って下さい!“りんねてんせい”って何ですか…?ぼくはキリスト教徒なので、他の宗教については分からないんですけど…やっぱり、まだ離れたくないです…!」


「また生まれ変わる、みたいな考え方で、仏教の考えなんだ。だからそれまで、さよならだね。」


「一茶兄ちゃん…。」


そうして一茶はワラベと去っていった。


 一茶の処刑は外で行われた。一茶は能力で小さくなって…はいない。何もない所に一人立っている。何処か分からないが、これだけで終える筈がなかった。巨人が一茶の方に近づいている。この後は誰もが予想する通りで、一茶は逃げようと走っていたが追いつかれ、踏み潰されてしまった。巨人が去った後は何かが残った。多分さっきまで一茶だった何かだろうな、赤くぐちゃぐちゃしていて最早何なのか分からない。圧死か。


「あ…あぁ……一茶、兄ちゃん…?」


ジャックは絶望した顔になっていた。


「ジャック、一茶はお前の事も見てくれてる。一茶だけじゃない、皆の分まで生きなきゃ。」


「うっ…分かりました。一茶兄ちゃん、見てて下さいね…!」


ジャックは何とか泣き止んでくれたようだ。


「…ワラベ、また少し経ったら俺達を呼んで、ゲーム開始なんだろ?」


「いえ、今回は違います。テーマは明日の朝発表とします。個室にはバスルームがありませんし、皆さんお疲れだと思います。今日はまず入浴して下さい。男女で分かれていますので、大浴場に来て下さい。」


お、お風呂…!よかった、入りたかったんだよなー。結構動いたし。




「はわわ〜、何日ぶりのお風呂なんでしょう…。」


「二日ぶり…だね。気持ちいい〜…。」


「これならジャック君も落ち着けるかな?」


「はい、もう大丈夫です!」


「そう、よかった。…桃太君とジョンさんはまだなんですか?」


「いえ、もう少しで洗い終わります。」


ジョンはそう言っているが、彼自身は誰よりも早く洗い終わっている。洗っているのは俺だ。いや、そんな歳じゃないんだけど。俺も自分で洗おうとはしたんだぞ⁉だけど…まぁ、仕方なくって感じだ。…あれ、もう終わったんだ。


「というか、桃太君僕と同い年なのに、まだ洗ってもらってるの?w」


「ばっ、そんな訳ないだろ!普段は自分でやってるぞ、流石に!恥ずかしいわ!」


「じゃあ、何で…?」


「その…久しぶりですし、昔を思い出したのです。懐かしいなって。…そのノリです、私の自己満足にお付き合いさせてしまってすみませんでした。」


「あはは…尽くしたくなるんですね…。」


ジョォーンッッ!!見た目も宜しくないし、俺にはそんな記憶ないぞ!…それにしてもこのお湯、本当に気持ちいいな。


「ふぅ…何だか、凄く疲れましたね。」


「本当にな。」


なんて雑談をしている時のことだ。


「…もー、そんな事ないって。」


「ふふ、冗談よ。アンって案外単純なのね。」


「だーかーら、違うって!」


「はうぅ、アンさん落ち着いて下さい!」


「大人の事情というものがあるのよ、スーザンちゃん。」


「そうなんですかねー?」


⁉女子達の声だ。何で…?


「ここまで聞こえるって事は、壁が薄い上に隣なんだね。」


「…あれ、じゃあさっきのぼくたちの会話…聞こえていたんじゃ…。」


…やべ。


「‎…何、盗み聞きしてたの?」


「場合によってはしばくわよ…?」


「正直、良くないと思います。」


うわ、女子怖っ!スーザンまであっち側だったとは…いや、今言ったのは性別じゃなくて。


「壁が薄いので仕方ないんですよ。」


「うぅ…まぁ、さっきの貴方達の会話も聞こえてたし。」


うわっ、やっぱりか。


「…正直、ジョンさんにも桃太さんにも引きました。」


えぇっ、何で俺まで⁉


「そりゃ、中学三年生の男が成人男性に洗ってもらってるなんてね。桃太は子供っぽいし、ジョンに関しては一歩間違えれば事案よ事案。」


「事案って…確かに桃太様は思っている程子供ではないですが、私は従者ですよ?」


だから、自分で洗わせろって事だっての。俺達の関係を知らない人がみたら、確かにあれはまずかったよな。


「…そろそろあがりまーす」


「あ、僕もあがろう。」


「オレもー。…二人はどうする?」


「私はそろそろあがります。」


「…じゃ、俺もあがるか。」


風呂場を後にした。

甘蜜です。テストが終わりましたので投稿です。他のも同時にです。

今回の内容ですが…すみません、私の趣味が入りました。ゴリゴリのものではないですがBLっぽい感じに仕上がりました。まぁ、私の作風がそんなんですからね。

次話投稿までは少し間が空くかもしれません。ご了承下さいませ。

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