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第三章 夢路に付き従う達へ
『設定とは歴史である』
かの国を征服した、かの国に敗北した、自らの民よって謀反にあった、大義を果たさんとした。
それら全てが、その者の生の歩み。
道半ばに終わったとしても、歴史として刻まれる設定がある。
とある皇帝に付き従う三人の女がいた。
一人は、その者に救われた。
一人は、その者に憧れた。
一人は、その者に恋い焦がれた。
姿、形、心の在り様、全てが違う彼女達。
その思いは純粋で無垢な――――ただ単純に彼の背へと、恩を、憧れを、恋を抱く。
『歴史とは設定である』
知り得ていた彼自身も気付かず、生み出された彼女達も気付く事は無い。
魂は還元され、新たなる生と歴史を得て、刻まれたのだ。
思考、思い、性格、癖に至るまで、設定よって彼等の根源は徐々に“変質”していく。
知る事は無い、知り得る事は出来ない―――――しかして、確かな違和感はソコにあるのみ。
ああ、だからこそ……………いや、そうだからこそ――――――
―――――運命の歯車は僅かに軋んだのか




