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カムイモノ  作者: 食食食御さん
第二章【魔窟の主】
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第二章 18 【海洋巨影カトラ・クスク】※以降修正中。

この話より最新話まで修正中でございます。

本筋は変わりませんが、登場人物等の変更がありますので次話や次章を読む際は多少の矛盾が生じると思われます。ご理解のほどよろしくお願いします。

 ロー達が睡眠をとっている黒船の宿泊施設は食堂に比べてとても簡易的である。

 部屋に四人が同時に泊まることができ、荷物入れのロッカーが出入り口付近に二つ。明かりは天井に一つの吊るされた<照光(リネイト)>の魔法が込められた白色の魔晶石。

 特筆して紹介する物のない部屋なのだが、実は一つだけ職人のこだわりを感じることのできる部分がある。

 

 言ってしまえば“窓”――――丸みを帯びた、十字の格子が当てはめられた窓だ。

 

 勿論、防水や設計上の関係で開くことはない。しかし、故にであるか、堅固に備え付けられた窓のくもりや汚れは一切見受けられず、外を覗くのには十分な作り。

 その堅固にある窓が、いともたやすく粉砕される。


「ぷあっぷっ……冷たぁっ!? そして、しょっぱッッ!!?」


 ロー・ハイル・ヘルシャフトは久しぶりのベットでの快眠から、思いもよらぬ海水と衝撃によって無理矢理に目を覚まさせられる。


「ふぐぅッ?!」


 文字通り、彼は飛び起きる。が、二段ベットである為に、頭を強く打ち付けて鈍い低音を部屋に響かせしまう。


「イタタ……一体何なんだ…?」


 現時刻は午前七時。普通なら太陽の光が窓から差し込むはずなのだが、轟音と共に外側から侵入してきた()()のおかげで部屋の中は真っ暗闇。なので、しぶしぶと打ち付けてしまった頭を擦りながら、明かりを灯すべく手を伸ばす。

 

「…これかな?」


 部屋の真ん中、一段目のベットにいるローは天井からぶら下がった紐の手触りを感じて、軽く引っ張る。

 <照光(リネイト)>が付与された魔晶石の発動方法は、呪文を唱えることもなくこの一動作(ワンモーション)でいい。

 これは、呪文を唱える事を簡略化したニャルトリアのアイディア――特許申請済み――である。


(見えてきたな…)


 ローの手で発動した魔晶石は段々と白く発光していき、明るさに目が慣れていく。―――――先人の知恵というか何というか……ニャルトリアの知識がフル活用された物を扱うのは、どこか懐かしい気分を覚える十川であった。


「なんだこれ…?」


 明かりを灯して最初に目に入ったのは、刺々しい甲殻類――蟹のような――の足。山葵(わさび)色の甲殻に産毛みたく棘が生えている。大きさ、太さはかなりの迫力があり、ローが両手を回しても届かない程の巨大な足の先端部分。

 部屋に突き刺さった甲殻は彼に何処か既視感を感じさせるもので、見ている内に山葵色のとある記憶に辿り着く。

 

(どう見てもカトラクスクの足…だよな?――――――まあいいや、炎煉達を起こそう)


 記憶の片隅を覗けば、烏賊のようで蟹みたいな海洋モンスターの姿が連想される。しかし、今はどうでもいいので、山葵色の塊をローは蹴り退かす。


「炎煉、フィリアナ…起きろ、緊急事態だ」


 甲殻の足を蹴り退かしたことにより、部屋の中に太陽の光が差し込む。

 反対側の二段ベットで寝ていた二人に駆け寄って声を掛けるも、先程の騒ぎで今しがた目を覚ました様子で、二人は眠い目をこすりながらローの声に反応をした。


「…これは一体?」


「スンスン……ロー様、海くさい…」


「当たり前だ。さっき海水を浴びたばかりだからな」


 戸惑う彼女(フィリアナ)と、海水独特の臭いに鼻を塞ぐ彼女(カレン)

 カトラクスクの開けたであろう大穴から部屋の中に光が差すことで、特に二人に怪我もないことが見受けられた。後は、自分の上の段で寝ていたニーナを起こすだけだ。


「ニーナ、起きているか?」


「う~ん…ムニャムニャ……寝ているのじゃ…」


「よし! 起きてるな。身支度を整えて…取りあえずは甲板に出て様子を見に行くぞ」


 狸寝入りをしたニーナを朝日と共に容赦なく目を覚まさせる。女帝を経験という設定もあっての事か、頭の切り替えは早く、早朝に起こされても動じないのが、ニーナちゃんスタイルであった。


「つまんないの~、ロー様―――――ところで、扉を開けようとしている男が一人おるぞ。」


 至極色の淑女の指摘と同時に、勢いよく一つしかない出入り口の扉が開かれる。


「皆さん、ご無事ですか?!!」


 当然といえば当然なのだが、開かれた扉の先にいたのは『ペイリス号』現最高責任者のコイムジ・マサ船長ご本人。

 合鍵で扉を開けたらしく、あたふたと手に持ったキーリングを落ち着きなく腰に掛け戻す途中だ。


「ええ、四人とも無事です。―――どうかしましたか?」


 全員の無事を報告した所で、何があったかを聞いてみる。見当はついているのだが、一応の確認は必要だ。


「それは良かったです。実は―――――」


 船長からは思った通りの答えが返ってきた。――――要約すれば、この船は今、産卵に来たわけでもない雌のカトラクスク襲われている。

 非戦闘員の技術者や乗客は、船で一番堅牢な倉庫区画に避難をしているらしく、船長や一部乗組員は乗客たちの避難誘導や状況説明を行っているそうだ。

 その他、力自慢の乗組員に戦闘要員の魔法使い(ウィザード)連中は強襲してきたカトラクスクの迎撃に当たるべく甲板にて奮闘中。それで、冒険者チーム“白銀”にも助力を乞う為にも船長は事細かに状況を説明をした。


「本来なら私達で撃退するのですが、今回は何やら勝手が違います――――協力してもらえますか“白銀”の方々?」


 コイムジの問いかけには一つの答えしかない。――――乗りかかった舟、というヤツだ。


「無論、協力しよう。炎煉達もそれでいいな?」


 身支度を終えた三人の従者はリーダーの言葉に元気良く頷く。そうして、コイムジを含めた五人は甲板へと急ぎ足で向かうのであった。











「機雷だ! 機雷を落として、甲板に食い込んだカトラクスクの爪を弾き落とすんだ!! 急げ、急げぇっ!!!」


 指揮される乗組員の手により、甲板に運び込まれた機雷が海へ投下される。

 丸い形状で下部にかえし付いた黒色の爆発物―――普通なら海面に仕掛けて使う物なのだが()()()()()()以上、こうする事が最善の策だ。


「どうだ、ノギ上等兵!! 命中したかっ?!」


「ハイ、命中しました…ですが、ヤツは一向に足を離しません!!」


「…だが効いているはずだ。そのまま、ありったけをぶち込んでやれ!!!」


 ダメ押しとは知っている。しかし、やらねばならないと獣人の部下へと命令を下す。

 ペイリス号は元々観光用に作られた黒船であり、外敵への攻撃は緊急用の機雷しか積んでいない。これは、姉妹国への救援物資等を優先とした為で、霧への調査については冒険者チーム“白銀”の面々が行うからである。


(この時期にカトラクスクだと………船を捕食対象にするほど腹を空かせている?――――いや、それにしては攻撃的すぎる)


 烏賊(イカ)の身体に八本の(カニ)の足と二本の腕。二種類の生物を組み合わせた特殊な身体をした海洋魔物(モンスター)『カトラクスク』。普段は海底を泳いでいる大人しい魔物だが、餌が近場に無い時などは、自身の縄張りから遠出したり、軽く浮上して餌となるモノ探す魔物だ。

 何でも口にする雑食で、海藻、魚介、微生物、お構いなしに捕食。その捕食方法は二種類とある。

 

 前者はその身体の構造から、蟹の如く海底の地面に落ちた生き物の死骸を食べる方法で、ハサミとなった触腕を器用に扱い、チビチビと貝や小魚の死骸を口へと運ぶのだ。

 後者は海上からでも見ることのできる珍しい捕食方法。

 海には様々な生物が混在しており、カトラクスクよりも巨大な魔物がいるのも当然の道理。そこでヤツが行うのは、ずばり“奇襲”。

 サメの様に海底から獲物に向かって急速突進し、身体を柔軟に動かして足を獲物に絡ませる。その後、上手くいけば、触腕の爪と牙で獲物の肉を削ぎ落す狩りの仕方がある。


 そして、ペイリス号が今陥っている状況は後者であった。


「どうした、十九……?!――――よし、分かった。前の出入り口は人でごった返してるから、甲板に出る際は後ろのを使え!!」


 自身の分身が“白銀”の協力を得た事が耳に入る。―――――まったくギフトというのは素晴らしい。

 コイムジのギフト<中隊(カンパニー)>は人数や距離に制限があるものの、制限内であれば、こうして分身内で自由に連絡を取る事ができるのだ。

 オリジナルのコイムジは船の操縦などを部下に任せて、甲板で指揮を執りつつ分身たちで迎撃をしているも状況は思わしくない。

 魔法使い(ウィザード)の方々は船を抉ろうとする甲殻を纏った触腕を迎撃。他の者は用意してあった機雷を海に落としたりして、甲板に食い込んだ八本の足を取り外そうと努力している。


「不味い、来るぞっ!」


『うおぉ、ああぁッッ―――――?!!』


 忠告も意味をなさず。重く空気を切る音の後、複数人の驚愕の悲鳴が鈍い音と同時に上がる。 

 船に食い込んだ足を外そうとした船員、振り下ろされる(ハサミ)を迎撃する魔法使い(ウィザード)達の何名かが海に落ちてしまった。


「二十三、十一、十四、十五…! お前達は避難用の小舟を使って、落ちた者達を喰われる前に拾いに行け!!」


 素早くコイムジは指示を出し、分身達は行動を開始する。


『ぎッッッ!!?』


 実に不運な事に、船長の分身達は振りかぶられた触腕に激突。軽々と宙を舞いながら、海に墜落する分身達をコイムジは自身の目で後を追う結果になってしまうも、


「まずい。今人手を減らされては……え?」


『うおっ…?!』


『ぎゃ、あ?』


「おわっ…!?」


 信じられない事に、船から投げ出されたはずの分身は、そのまま同じ軌跡に沿って甲板へと舞い戻っている。

 しかも、しかもだ。

 海に投げ出されていた魔法使い(ウィザード)達も、びしょ濡れの状態ではあるが甲板へと無事に帰ってきたのである。


「ロー様、ロー様! 海に落ちていた者達は全員救出したぞ」


「――――<巨人の力(ギガクラージ)>、<龍体>、<神力>………よくやった、ニーナ。そのまま誰も落ちない様、一応に見張っていてくれ」


「分かったのじゃ」


 至極色の少女は無邪気に喜びながらも命令を遂行する。了解した彼女は気配や姿を霞の如く消していき、辺りを一望できる場所――中央マストの上部――にいつの間にか移動済み。


「みなさん、こちらに避難してください。後は我々が何とかします――――炎煉、フィリアナ、手筈通りにな。」


 炎煉とフィリアナ、二人の従者はローの指示を今一度改めて確認し、頷く。

 冒険者チーム“白銀”のリーダー、ロー・ハイル・ヘルシャフト。身の丈以上の大剣を背負った彼の指示は何故か信じられるモノ。


「各員傾聴。ずぶ濡れの魔法使い(ウィザード)連中を援護しつつ、“白銀”が居る所まで全速力で走れっ!!」


 最善の判断は実力のある“白銀”の指示に従う事だとコイムジは部下達に命令を下す。部下たちはもちろんソレに従い、怪我をした者達を援護しつつ脱兎の如く安全圏まで走り始める。

 最良で最良な船長の判断―――ソレを見た彼は逃げる人々とは反対方向に、従者と共に歩みを進める。


「任せましたよ、白銀の方々!!」


 コイムジのできる事は正直言ってもう無かった。

 迫りくる爪は船をえぐり、船は足に絡め取られ身動きもままならず、更には機雷も効かず。出来る事と言えば、後は“英雄”と呼ばれた方々に任せるだけだ。

 彼らの実力は知っている。一つの街を救ったことを、彼ら一人一人が強者である事を。


「はい、任されました。」


 振り向かず、手を振って英雄たちは任される。船を飲み込む巨大な敵に、怯まず歩みを止めず。


(ハサミ)が来たぞッッ!!」


 力自慢の一人が彼らに叫ぶ。カトラクスクの巨大な鋏は、一度と掴まれてしまえば人間など簡単に紙風船の様に切断される。


「避けろーーーッ!!」


 ぎこちなく、何かが噛み合う濁音が甲板にある鋏から聞こえた。

 ヤツは視えていないにも関わらず、器用に“白銀”の三人を逃げ場なく挟み込んで、閉じてしまったのだ。


「忠告感謝するぜ。」


 忠告があったからなのか―――“英雄”と呼ばれるオニの彼女と“白銀”のリーダー。二人はいつの間にか装備していた炎と空を形作った金槌を、背負っていた無骨な大剣を、叩き振るう事で強大な(ハサミ)を思い切り弾き飛ばす。


「炎煉、そっちの足は全部落とせ。フィリアナは魔法の準備をしておくように」


「了解だぜ、ロー様」

「はい。いつでもいけます…<マジック・シールド>」


 翡翠色(エメラルドグリーン)のエルフは自身を魔法で防御し、ローと炎煉は作戦通りに動く。


「よっと!」


 二つの角を生やした深紅の彼女は、軽々と持っていた金槌を左舷に食い込んだカトラクスクの足に直撃させる。リーダーの彼も同じく、その巨大な大剣で甲殻類のおみ足を殴り斬る。

 すると、どうなるか?

 答えは、あれだけ男共が蹴っても、殴っても、魔法で焼き尽くしてもビクともしなかった甲殻を、いともたやすく船から弾き出す。


「キュィィィエァァァァァッッッッッ――――――!!!!」


 金切り声の悲鳴が辺り一帯に響き渡る。

 コイムジではない、彼の部下でもないし彼女らでもない。痛みを表す悲鳴を上げたのは、海中に潜む巨大な怪物『カトラクスク』。


「出番だ、紅姫」


 ローの無骨な大剣はいつの間にか消え失せて、彼の手に今あるのは赤紅の日本刀。そして、彼の目の前には一本の足が、獲物を離すまいと甲板に爪を立てている。


「着地は任せるぞ、フィリアナ」


 仲間に指示を出し終えて、彼女が頷くのを確認する。と、芸術品とも見て取れる赤紅の刃をローは残っていた最後の足に突き刺した。


「せえぇのおぉぉッッッッ!!!」


 あり得ない光景――――彼が、彼等が“英雄”と呼ばれたのには納得のいく様。水平を保つ船が、片側に思い切り傾いていく。

 カトラクスクから退避する為に出していた右舷の外輪は、半分以上を海水に浸し、勢いを見る限りは甲板まで沈みそうになるも、ペイリス号は何とかギリギリのバランスで転覆するのを免れた。

 彼、“白銀の英雄”はあろうことか、船に食い込んだ一本の足を自分自身の膂力のみで持ち上げたのだ。


「うおおぉぉぉっ……?!―――各員、何かに掴まれ!」


 驚きながらの船長の号令により、船員が投げ出される事は無い。ところが、一人…一匹投げ出される怪物あり。

 持ち上げられたカトラクスクは何が起こったのか理解ができず、出来る事は足をこまねく程度。その船よりも巨大な怪物を彼は投げ飛ばした。


「そおぉぉぉッッ……らああぁぁぁッッッッ!!!」


 右舷の重しが消滅し、衝撃と波のうねりがペイリス号を直撃し、あの烏賊で蟹な巨体は宙を舞う事で船を陰らせる。


「<龍飛翔>」


 もう一度、右舷に衝撃が響く。

 先のように重いモノではない、軽くではあるが、相当の力を入れたモノ。彼には翼もなく、飛ぶ能力にも恵まれない人体にも関わらず、彼はスキルを唱えて空高く跳躍――――そして着地。


「はは……英雄だな」


「凄い。としか、言い表せませんね……」


 月並みな感想であるが、部下たちは深く頷きコイムジに同意するしかない。

 

「弱肉強食……お前は確かに強者であるが、()()()()()()な」


 ロー・ハイル・ヘルシャフトが、物の見事に着地をしたのは刀剣――紅姫――を突き刺した一本の足。

 突き刺さった刀を引き抜くことで準備は完了。後は、文字通り『切り刻む』のみである。


「ハァァァッッッッッ!!!」


 約五十メートルの甲殻に守られた魔物の足を全速力で駆け抜ける。もちろん、ただ走るのではなく、右手に持った紅姫を真下に振るいながら、

 

 右に斬り込み、左に切り裂く。

 

 あらゆる力を兆倍にした彼の斬撃は、堅牢な殻をたちまちバターの如く切断していく。


「<ヒュヘル・ニヴル>」


 一撫でに、翡翠の彼女が口ずさんむ言葉によって、極寒零度の氷風がコイムジ達を脇目に吹雪いて通る。


「見てください、海が?!」


 寒さに当てられたノギ上等兵は、呪文の効果が現れた海面を指でさす。

 

「凍っている……」


 彼と同じく、それを見た乗組員(かれら)にも、聞いていた“英雄の力”に改めて驚愕し、生まれた氷原が瞳に刻まれた。

 駆け抜けた氷風は一撫でに海を凍らせ、彼の足場と、切り刻まれた怪物が落ちる氷の大地を構築した。


「ご苦労、三人と――――」


「ロー殿、まだ終わってない!!――――ヤツは生きているぞ!!」


 コイムジは見た。安心しきったであろう仲間に、ねぎらいの言葉を掛けようと着地したロー殿の後ろに迫る巨大な影を。

 ヤツは足を一本斬られた程度では死んで諦めてはいない。カトラクスクは全身全霊を持って『捕食の意識』から『攻撃の意識』に移る。


 喰えない筈が無い、殺せない筈が無い―――――海で二番目に強い怪物は今一度の確信を持ち、矮小で、自分よりも劣る生物に全力を出して飛びかかる。

 蛇足だが、カトラクスクにもう少し考える知性あれば、確信の心持ちには『恐怖』という感情があった事を認識できていたであろう。


「いや、もう終わっている」


 であるが、もう遅い。刃に付着した汚れを払い退け、赤紅の刃を鞘に戻す事で、彼の軽い仕事は終了する。

 振るう事を終えた刀に斬られた事に気付かず、怪物はローを殺す事も叶わず。強大なカトラクスクはその巨大な身体をブツ切りに、矮小に分かたれた。

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