第二章 8 【ダンジョンフォール12】
半人半牛の魔物こと『ロノ・ミウス』。
ポック・ラパッチはこの魔物に出会った事は無いものの、その性質は市販されている魔物図鑑にて知っている。
群れを成さず、肉食。常に本能に従っており、知性はおしなべて無いものの武器として重量のある長物を振るう事ぐらいはでき、斧を持った個体は人間の味を覚えているので危険。
雌の個体数が少ない為、他種族に子を産ませる事が可能。だが、それ故に人間や亜人の目の敵とされて、今や文献にその姿が刻まれているのみだ。
似ている。だが、コレは違った。
異質、異形―――――例えるのならば、図鑑にも記憶にも無いその姿、その言葉が最適解であろう。
下半身には馬の胴体を持ち、益荒男も顔負けな屈強な人間の上半身が接着面無く続き、頭部は猛々しい角を持った雄牛。全長は二十メートルを優に超している赤茶毛並みのその怪物、一見『ロノ・ミウス』と呼ばれる魔物かと思いはしたが、どう見ても違うのである。
(なんなんだ……コイツ?!)
『ロノ・ミウス』という魔物の知識こそあるが、今目の前にいる怪物は全くの別物。
ポック・ラパッチに出来る事と言えば、持てる知識を総動員して足元から舐めるようにその巨大な怪物を見上げ、目の前の存在が何かを突き止めるだけだ。
「………」
幸いにも“ヤシャ”の斥候、ラオン・クーファが巨人の様な足に呆気なく踏みつぶされたことでシーカー十一人の意識は凍り付くように状況を飲み込めないでおり、動けず。逆にポックは人一倍落ち着いている。
そうして、生き残る為にと。無駄な思考は除去し、まずは怪物の全身を今一度よく見て確かめた。
(……ああ、そういう事か!)
一言、感想を呟くならそれに尽きる。
巨大で出鱈目な肉体構造をした図体、巨人の上半身に見合うように織られた赤と金の装飾が目立つシルクの衣服を着こなし、四つの黒い蹄にはしっかりと蹄鉄が装着されている。
両の剛腕が握るのは無骨な飾り気のない鋼の斧、それも巨人の大きさ。
何も目印もない白亜の迷宮を完全に把握し、侵入者の元へとすぐさま駆け付ける事ができる高級感あふれる装備をした者と言えば――――、
「この遺跡……いヤ、迷宮ノ主ッ!?」
その通り。
シーカーチーム“デンフィート”のリーダー、イアロス・ペンドージが震えながらに言い放った言葉は大正解だが惜しくもあった。
○
『グゥウルルルゥゥ………』
シーカーチーム“レスレア”のリーダー、ターバ・ポリオは山のように巨大な存在に奥歯を噛み締めながら恐怖に悪寒を覚えつつ、何故かこちらを見下ろしたまま唸っているその存在と周辺をまじまじと観察する。
(ペンドージの野郎が声を上げたのにも関わらず冷静な化け物だな―――――そういう風に教育…いや、その程度の知性があるのか?)
巨大な怪物に知性があるとターバが思ったのは、まず初めに白く輝く美しい迷宮が視界に入っていたからだ。
(……可能性はある。“賭け”に出るか………)
人知を超えた怪物とは、逆を言えば人知に敵わずして野生を研ぎ澄ました獰猛な獣である。
爪を研ぎ、牙を光らせ、欲求や本能のままに獲物を仕留めて捕食する――――それが魔物であり、人種にとって唯一の敵。
そんなヤツがほこりや汚れ一つ残さずに住処の通路を掃除するかと言われれば『しない』と人々は答えるであろう。
当然、ターバ・ポリオもその一人。しかし、何事にも例外はあるものだ。
魔法を扱い、人語を巧みに操る龍種。
闇夜に生きて、蝙蝠に変化し、人の生き血を啜る吸血鬼。
そして。住処を妥協無く掃除し、軍馬にも劣らぬ整えられた赤茶毛並みで、一流の冒険者にも負けぬ装備をした目の前の怪物。
「今一度問いたい!! 貴方様はこの迷宮の主かッッ?!!」
その例外の共通点、“獣ではなく理性を獲得した怪物である事”――――即ち、“交渉”が可能だという事で。
よく観察し、よく分析し、最善の策としてターバ・ポリオは礼節を最大限に直立の姿勢にて最前線に立ち、質問を投げ掛けたのだ。
『……………ウ』
ターバの質問に牛頭はしばらく首をひねって考え込んだ後、おもむろに頷く。
(よし、いける……!)
こちらを見下ろしたままで殺しもせず、迷宮の主は質問に応じた。であれば、“交渉”は可能という事でこの場が平和に解決されるならそれに越したことはない。
鼻から息を吸って呼吸を整え、次の口車をターバは繰り出す。
「我々は、貴方様の迷宮を調査せよと命じられた者であります!!」
当然、嘘である。
故に後ずさりして来たポック・ラパッチは自身の直感からターバの宣言に異を唱えようとするも、当のリーダーは『考えがある』と言わんばかりに目を伏せて笑みを見せる。
ソレを見た各々のシーカーは、ターバの“考え”を汲み取り、押し黙って怪物との会話は続く。
「ですので、貴方の様な…強大で偉大な方が居たとは存じ上げておらず。重々に無礼で失礼だとは思いますが、貴方様の住居に土足で踏み入った罪―――今しがた雪ぐ為に、我らの謝罪の意を受け取ってほしい!!」
ターバ・ポリオの“考え”とは、全力で状況を鑑みた確証ある推測であった。
この巨大な怪物は、この体格故に迷宮から外に出た事はないはず。地上の情報もここの立地から隔絶されているであろう。
つまり、交渉事の際に金銭的な価値のある物は皆無。迷宮の内部も飾り立てておらず、武器の格も上。であれば、実用的なものを交渉のテーブルに出すのが最も最善――――そのヒントとして、オレ達を興味本位に出見下ろしているは幸運と言った所か。
『……………??』
「これは地上にて振る舞われる最も高価な食材を用いた糧食…つまりは極上の品にございます!!」
ゆっくりと音を立てず、ターバ・ポリオは腰に下げた小さな雑嚢から緑の布に包まれた四角い小包を床へと置いて、その封を解く。
そうして開かれた小包の中には、硬すぎる干し肉、乾燥させたパン、水気を取って塩漬けにした野菜類などなど…冒険者やシーカーにとっての常食が質より量と言わんばかりに詰め込まれていた。
「今は十一と数も少なく献上するに過不足ですが…この品がお気に召したならば、我々を許してもらえるならば―――――地上にて控えている者、調査を仕切る者の首を討ち取り、ここを知る者を全て殺し、その肉と共にこの極上の品を貴方様へと献上できるでしょう!!」
怪物は地上と隔絶された迷宮に住んでおり、食料には乏しい筈。
言い換えれば、生きる為に食事をとっていただけの存在で味の有無には頓着が無く。いい加減で大雑把な味付けな常食であろうとも怪物の御眼鏡には沿うはず。という、ターバ・ポリオの一か八かの交渉術。
『…………』
相手がどう出るかは不明であったが、今の言葉を聞いた怪物は右手の斧を背に預け、器用に人間サイズの食料をつまんで、容器ごと一口。
(ここまでは順調だ………どう出る?!)
二噛み、三噛みと牛頭の怪物は塩辛い常食を咀嚼して完食した。
『…………』
すると、怪物は背に預けていた斧を右手に戻し、その巨体に似合わず可愛く首を傾げて…しばしの沈黙。
ターバ・ポリオもリル・ウィルもフシュ・レもポック・ラパッチもブーケ・ジアルもドガ・レストもファンガ・レストもヴァープ・セルもイアロス・ペンドージもニルマ、カヤレ、スィニスも。
怪物の仕草に呆気にとられつつ、その実は奥歯を噛んでしまうぐらいの重圧が身体を苛んでいた。
『…ゥ……ォオ………』
口を開いた。
今までコロコロと首を傾げていた怪物が重苦しそうに口を開いたのだ。
(コイツ……喋らないなと思ったが、喋れなかったのか?)
地上と隔絶された地下空間。人語を知り得ていたとしても話す相手がいなければ、その能力はすたっていく。おおよそ、話す内容こそ理解はしていたが、言葉を思い出すのに時間が掛かってたのだろう。
ともかく。言葉を思い出した以上、この“交渉事”は次の怪物の一声に委ねられる。
(さぁ、どうくる……!?)
シーカー各々が身構える。
持てるカードをターバ・ポリオが全て出したのは皆承知。残る動作は、ゆっくりと怪物の機嫌を損ねないよう武器へと手を伸ばすだけ。
そうして、時は来た。
言葉を完全に思い出した怪物はおもむろに口を開く。
『オレ、第九階層【迷宮】守護君主“ライウン”。オマエタチ、シンニュウシャ。オレ、ハラヘッタ。アイツ、ツブシタ、クエナクナッタ。ダカラ、オマエタチ、クウッッ!!』
「なッ?!」
突然に唐突に宣言した怪物が放ったのは、言葉による対話の延長ではなく暴力からの暴風。
今まで下手に出ていた男に落ちたのは、そんな暴風の一撃。
空間を揺るがし、風圧だけでも脅威な大斧の即死の振り下ろし。
「…っぶねぇ?!!」
身構えていたことが功を奏し、ターバ・ポリオは寸での所で斧を躱した。
(おいおいマジか……)
爆風の様な風圧の後、先程まで自分の建っていた場所…つまり、斧が振り下ろされた場所を見てみれば白亜の床には傷やへこみはない。
これがどういう事かと言われれば、この怪物は力任せではなくそれだけの技量にて住処を労わりつつ、斧を扱うことができるという事である。
(チッ、出し惜しみは厳禁だな!!)
先程は運よく躱せたが、次がそうとは限らない。
もったない事この上ないが、ターバ・ポリオは使うはずもなかった逃げの一手を雑嚢から取り出し、腹の底から叫ぶ。
「テメェらッッ、耳塞いで出口まで走れェッッ!!!」
ターバが取り出して牛頭目がけて投擲したのは、拳に収まる大きさの綺麗な青色の丸い魔石。
『ウォ?』
湾曲した角に魔石が直撃するとカツン、と気持ちの良い音を立てて。
みるみるうちに輝いて、目が眩むほどの激しい発光と耳を突き刺すかのような爆音を砕けるのと同時に放出した。
『ウオオォオォオッッッッ?!!』
ターバが逃げる為に用いたのは第二階級魔法の<爆音>と<閃光>が込められた魔石。
コルコタでの一件にて判明した魔物を魔石にて操るという未知の技術を再現するのは当然ターバ達には不可能。だがしかし、こういった使い方は冒険者やシーカーにとって常で市販のモノも多々あり、現状況で出費がかさむことを理由に使わないという選択肢はない。
「はしれ、はしれッ、走れッッ!!」
“レスレア”のリーダーの一声よりも早く十二人のシーカーは駆け出す。
出口までおおよそ百八十メートル弱。
全力で駆けだした十二人は二十メートルほど進み、残りは百六十メートル。“ヤシャ”と“レスレア”のリーダーは皆の音頭を取るべく、先頭について後方を望む。
『グォォォォォォォォォォォォォォォォッッッッッ!!!』
「チッ!! もう回復したのか!?」
怒髪天と言った所か。怪物は赤毛を今まで以上に赤く染めて、怒りの咆哮を迷宮に響き渡らせ、地面を揺らす蹄鉄を鳴らして。
雄叫びが静まるのと同時、真っ直ぐ真っ直ぐ怪物は走り始めた。
「あの図体だ。最高速度が出るまで数十秒はかかるのだろう!! それより、ターバ・ポリオ。どうする?!!」
「どうもこうもない!! このまま逃げ切るだけ……」
「おい二人共、アレナンダ!!?」
先頭を走る“ヤシャ”と“レスレア”のリーダー二人に加わったのは三組目のイアロス・ペンドージ。彼が指さす先は唯一の出口である階段…ただ今はその出入り口を無数の光の線が覆っている。
「ちょっと投げるぞッ!!」
後方から飛ぶは一刃、ポック・ラパッチの投げナイフ。
敵地への斥候を得意とする彼にとってナイフ等の投擲術は朝飯前。走りながら百メートル先の的に突き刺すのは赤子の手を捻るより容易いのだ。
「なにっ?!」
命中、蒸発。
そんな言葉が似合うくらいに彼の投げたナイフは光の線に触れた途端、消え失せた。
「おイ、どうするんだよお二人サン!!?」
イアロス・ペンドージの言葉にドガ・レストも口を噤み、ターバ・ポリオに視線を向ける。
『どうするか?』その答えは、“レスレア”のリーダーとしてすでに答えを出していた。
「二手に分かれよう。オレ達が左で、“ヤシャ”と“デンフィート”は右だ!!」
「どうして?!」
「さっきのでオレに怪物の注意が向いているからだ!! 全体の生存率を上げるにはコレしかない!!」
「だがよ! 左は袋小路じゃなかったか!!?」
残り五十メートル。
来る。来ている。巨人の斧を両手に持ち、山の様な巨体は速度を上げながらに彼らへと迫ってくる。
「大丈夫、考えがある!! いいから構わずオレに従えって!!」
もはやそれ以上、言の葉を交わす事は出来ず。運命の分岐路に全員が差し掛かり、ターバ・ポリオの作戦通りに一組と二組は進路を変更させた。
『ウゥグウッッ!!!』
標的が二つに分かれた事で怪物は迷い、唸り。
即断でその一つのみの巨体の進路を変更させた。
「ムっ?! あの怪物、ワレらの方に向かって来ていませんぞ!!?」
閃光と爆音の一撃を浴びせたのにも拘らず怪物の行く先はターバの元ではなく、シーカーチーム二組が逃げた右の通路。
不可解だと、フシュ・レの疑問が混じった声音に。
ターバ・ポリオはその現実に、心の底からニンマリと笑った。
「好都合だ! このまま例の場所に走るぞ!!」
○
かくして。
罪在りき役者は揃い、同胞を貶めた彼らは呼吸を乱さず。早く駆ける。
「右で、左で……」
本来の任務であるロー・ハイル・ヘルシャフトの監視。それを元に導き出された迷宮の最適解を“レスレア”の一行は進む。
右、左、直進…しばらくしてまた右に曲がれば辿り着いたのは袋小路。
「……誰だ?」
だがしかし、一見何もない大理石の壁が彼らを出迎えるのではなく。
そこに居たのはただ一人。
死人よりも白い肌に、整えられてはいるがその心労からか若干ボサついた腰まで伸びる金髪。迷宮にはミスマッチながら色合い的には正解な真っ白の白衣とシャツを着こなした女性が一人。
目の部分には包帯が巻かれて、前が見えているかどうかは不明瞭。だが、視線はこちらに向いている。
女性はゆっくりと黒のジーンズのポケットからしまっていた両手を取り出し、広げ、“レスレア”の一行へと微笑んだ。
「こんにちは侵入者諸君。私は―――――」
「ッ!! マリア・シーベンス技術局長……ですよね?!」
佇む女性の自己紹介を遮ったのは、同じく女性で知人だった。
「あら、私を知っているなんて光栄ね。地上でお会いした事ある人かしら?」
「私です! 王国領“サブグレム”のジドラス魔法学院で貴方に教えを乞うていたリル・ウィルです!!」
巨大で天変地異の様な怪物から逃げおおせて知人に出会ったことにリルは安堵を浮かべる。
ジドラス魔法学院。
それは四天教に認められた魔法を学ぶ事ができる魔法使いならば知らぬ者はいない場所だ。そして、貴族が拍を付ける為に入籍するので有名な学び舎である。
ただ、金銭か実力のどちらかが優れていれば、身分も関係なく在学する事が可能でリル・ウィルは後者であった。
「……ああ、貴方。友人が困ってるって話で魔法学院を辞めたとは聞いていたけど……それが今のお友達?」
しかし、実力とは…才能とは残酷なもの。
第四階級魔法を扱える彼女ではあったものの、それだけ。第五階級には手が届かず、伸びしろもない。
おまけに病弱であった父親は身体の痛みを抑える為に『ラゾヒャダ』という裏のクスリに手を出してしまい、中毒症状から日に日にクスリの量は多くなり借金も増え始め……これ以上の在学は不可能と、踏ん切りをつけてリル・ウィルは金を稼ぐためにここにいる―――――残酷にも。
「そ、そうなんです! でも、先生は何でここに……?」
「“何で”って? それは貴方のお友達が一番よく理解しているのではないかしら?」
リルを囲むようにターバ達は陣形を取る。
ターバとフシュ・レを先頭に、ポックとブーケを左右に置いて戦闘態勢。
「ターバ……?!」
「リル。アイツはお前の先生だったか知らないが、オレにはあのデカブツより恐ろしい怪物に見えるぜ……」
怪物と言われ、マリア・シーベンスという女性の形をしたそれは歯をむき出しに邪悪な笑みを浮かべた。
「身内に甘いのは良い事よ。でも、鈍感なのは玉に瑕。貴方の大切なお友達は理解しているみたいね……―――――じゃあ、さよなら」
マリア・シーベンスは履いていた黒いヒールを地面にカツンと鳴らす。
「な、魔法陣?!」
そうして、シーカー十二名の足元に現れたのは赤く輝く蝶を模した魔法陣。
どれだけ足掻こうとも。
地面から足を浮かせようとも。
逃げられない。
赤く光って発動すれば、食虫植物のように見つけた獲物をするするするする別の場所へと吸い込むのだ。
●
仕事を終えて、後は報告を済ませるだけだ。
深呼吸で心を落ち着かせて、こめかみに右手の指を二本添えて、彼は念話魔法<レテス>を唱える。
待ちぼうける時間は皆無で、すぐさま相手方にその魔法は繋がった。
〔あ、お世話になっておりますー。第九階層【迷宮】守護君主“ライウン”です。手筈通りに私が時間稼ぎをして、マリアさんが設置式の転移魔法で対象を転移させました。一匹殺してしまいましたが、抜かり在りません〕
〔ご苦労、ライウン。情報の引き出し方も重畳だ。掃除はブラウニーたちに任せて、死体はコトが済めば第八階層の魚龍どもの餌にするといい―――――それとも、キミが食べるかい?〕
〔まさか?! 嫌ですよ!! あんな血袋、口に入れただけで怖気がします……何より私、草食ですから〕
ハハッ、と通話越しにボスの笑い声が聞こえ、ひとまずは礼節をかかず冗談を交えての好印象な報告にライウンは安堵した。
〔それもそうだ。じゃあ、マリアには言伝を頼むよ。『別動隊への対策として、生け捕る侵入者の選別はこちらでやっておく。キミは王国に帰るように』とね〕
〔ハッ。必ず伝えておきます!!〕
〔あー、それと。今日のニンジンは多めに持って行かせるよ〕
〔いつもより多く?! それは楽しみですね。では、私は【迷宮】の警備を強化し、不測の事態に備えておきます。それでは、ボス。念話終了〕
敬服すべきボス、ニャルトリアとの念話が終わると第九階層【迷宮】守護君主、巨牛魔人の“ライウン”は数時間後の報酬にウキウキしつつ、迷宮の見回りを再開するのであった。




