第一章 0 序章【終わって始まり転輪は廻る:それは彼女の選んだシン世界】
只今、全編にわたっての大幅な内容の修正及び変更中です。ご理解のほどよろしくお願いします。
「…様、―――様ッ……」
深く、深い、不快な、海の底の様な真っ暗闇の中。まどろむ意識を流れのままに身を任せていれば、一筋の光が聞こえた。
「――――――」
応じようと口を開くが音は出ず。
喉元に両手を当てて、何故なのかを確かめようとするが理由は不明で、不明瞭の倦怠感に包まれて。
(………ッ)
続き、両手を首の後ろへと回せば激痛が。
電撃のような凄まじい痛みが頸椎を握り潰すかの如く。だが、不思議と嫌悪感を抱くような感覚ではない。
(……これは夢?)
一寸先も真っ暗闇で常に落ち続けている自分の身体―――――こんなにも現実味の無い(事象は、夢と例える他にないだろう。
しかし、意識がはっきりしているこの感覚はなんなのか?
しばらく、と。考えてみるが結論は出ない。
それに、嫌悪感こそ抱かないものの頸椎に走る痛みは人間の持ちうる痛覚の範疇から一歩と二歩と、考えるなんて悠長な事をしていられないぐらいに痛み始めているのは確か。
〔生命ボーナスを獲得しました。ステータス、その他権能が大幅に向上します……―――――――――――適応を開始……時空間接触用媒体の展開…………同調……完了〕
これが夢であるならば起きようと。意識を集中させようとした途端、ゲームで聞くようなレベルアップの音が鳴り響いた。
(なんだそりゃ? こんな時に……? まぁ、いいか。貰える物は何でも…―――――――)
レベルアップのシステム音を塗りつぶすようにして別の声が思考を遮る。
どうやら何かを言い合っている様子で、耳を澄ませてみると最初に聞こえたモノとは違う女性の声が二つ。
「だな、どうするのじゃ?」
「んー………コイツで殴って起こしてみよーぜ!」
物騒過ぎる二人の発言に得も言われぬ焦りと緊張を覚える―――――これは不味い、と。
夢現でありながら意識がある時に殴られて起こされるのは勘弁ならんと思いつつ、その声の主に殴られるよりも早く起きるべく、必死の覚悟で意識を集中させた。




