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小説を書くという事  作者: 雪ノ音
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プロット編

 このような場を設けたのは大きな休みで書き始めようとしている方と、私自身の中の整理の意味を含めての事です。読む方の何らかの手助けになると更に良いですが、無駄に終わる事もあるでしょう。変に期待しないで、一つの考え方として捉えて頂ければ幸いです。


 さて、皆さんは小説を書く上で悩んだ事がありますか?

 当然あると思います。私自身も新作に入る際には随分と悩みます。中でもプロットの組み上げ程、面倒で厄介なものはないでしょう。物語を考えている間は楽しくても、いざ人間関係を地図にして見たり、人物の特徴を加えて行ったり、世界を造形する。どれも2次元の世界に収めようとすると、とてつもなく苦労すると思います。誰かが言っていましたが、正に小説家とは世界を作り出す神のような存在なのです。それを人間如きが作り上げようとするなんて、難しくて当然です。

 ですが、一度プロットの基礎を完成させてしまえば後は人物たちが勝手に動き出すものです。何故なら個性を既に作り上げているからです。一度作り上げた個性は作者がどうであろうと中々いう事を聞かなくなるものです。逆に言えば、それだけ作者の手間も減らしてくれると言えるでしょう。そうなってくれば、儲けたものです。こちらとしてはただ道筋を作り上げて、選択肢を与えるだけです。その時に多くの選択肢を与える事で人物は更に躍動する事でしょう。

 よく行き詰まる方というのが居ますが、これはこのプロット作業が甘かったとも言えるでしょう。ひどい作品になると何のきっかけもないのに人物の性格が、ごろっと変わっていたりする事もあります。それだけならまだしも、容姿や人間関係までズレるなんて言う人も見かけます。かくいう私も最初の頃はプロットなんてなくたってなんて思って書いていた時もありました。お陰で書いている途中で違和感が生まれる事も度々。もちろん必ずしもプロットが必要というわけではありません。作者の中で明確なイメージが残っている状態で一気に書き上げてしまうタイプの人はなくても問題ないと思います。すごい人になると1日で1冊書き上げるなんて化物もいたりますから。ただこれはかなり例外的な人間で、普通の人はまず無理だと思います。ですから必ず、プロットを慎重に作り上げましょう。

 そしてこれは皆さんも聞いた事があると思いますが、売れっ子作家さんが口にする言葉で……

「書き始める前に80%物語は完成している。受賞する作品は書き始める前に決まっている」

 と言われています。

 まさにこれこそがプロットの重要性を表していると言えるでしょう。

 ちなみによく初心者の方が一人称と三人称で拘っている人が居ますが、これもプロットと同じで作者が物語としてどちらの視点がよりあっているのか、作者が悩む事であり、読む人にとってはどちらでも問題にならない事です。それこそ一人称で書くとして、セリフでは僕で描写では名前でやる。それでも全く問題ありません。実際に家族との会話の中では自分の名前で会話しているのに、外では自分と言ったり、心の中では俺と言ったする事なんて誰でも経験はあるでしょう。つまりそういう事です。呼称については作者の好きに書いていいのです。問題は誰の視点で書くか、これだけです。楽しんで読んでもらう為に違和感のない程度に視点のブレがない。これだけでいいのです。これに関してはどんな賞の選考員であろうとも同じ見解です。そもそも小説は自由だと。妙に辻褄が合わない部分や説明がつかない部分以外は自由なのだと。それが小説なのです。

 ですから、こういう部分を他者が口を出して来たら言ってあげましょう。

 物語を数式か何かと勘違いしているのかと。そんな事しか言えないのかと。小さい人間だと。

 まあ、そんな物語と関係ない所で罠を張ろうとするような人間は相手しないのが一番ではありますがね。

 

 さて話が少々ずれましたが、プロットの大切さはお分かりいただけたでしょうか。書き慣れないうちは本当に苦労すると思います。もしその練習をするのなら、自身の読んだ本の登場人物と物語を地図にして書き上げてみる事です。そうする事で物語の別の角度からの捉え方も出来るだけでなく、必ず何か掴めるものがあるはずですから。


 思ったよりも長々と書いてしまいましたが、多少は役に立てたでしょうか。「そんな事知っているよ」という人や「それでも俺はプロットを書かない!」等という人もいると思います。ただそういう方にも再確認にはなったと思って頂けたら何よりです。


 では今日の所はここら辺で失礼します。閲覧ありがとうございました。

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