第17話_神様たちの準備
「ようこそおいでくださいました。我等新国家コンタクトの国民一同、皆様を歓迎致します」
コンタクト首都、プロマイズの検問を通り抜けた神様連中61名は門を潜り、プロマイズの町へと進む。道は決して狭くはないが、何せ61名もの集団なので横一列は無理がある。先頭1名後ろに3名、以下3,4,5名の集団で縦列となって行動せざるを得なかった。
逸そ集団ごとにバラバラ分散移動すれば怪しまれる事も無いのだが、其処は神様のプライド、『本物の信仰対象である自分達神様がコソコソ動くなんてみっともない』という、合理性の欠片も無い感情論が優先されたのである。疚しい事が無いとは言え、堂々とし過ぎている上悪目立ちしている感が否めない神様達の行動であったが、自覚はあったらしい。61名の集団は送迎の神学=エヴォリューションと道の神翔=スリースピードの手に因って、人目の合間を縫う毎に、道を左右に曲がる毎に、徐々にその数を減らしていった。61名の集団が、作戦決行の夜迄を、学の神業で作る“トンネル”の中で待機するべく、怪しまれない様極々自然を装って“トンネル”の中へと隠れていく。
其れは正しく奇を衒った王道。群衆心理の裏をかく奇策。
程なく誰にも気にされることなく、神様達は町に消えた。