第11話_決着の予感
長い永い3本目、一気にゲームが進んだ3本目が漸く終り、改めて翠とミコ、天と希、そして周りで観ている神様応援団57名の全員が深い溜息を吐き、深呼吸した。メイクカードの応酬に加え、起承転結に配置したコマカード8枚の効果の処理が今までで一番濃密になったもんだから疲れたのだ。1、2本目がコマカード効果でディスポーサルを強制終了とかしていただけに余計に。
ともあれ3本目を終え、翠、ミコ共にあと1本で決まるところまで追い詰められている。特に翠の方は紙一重だった。残りコスト1まで追い詰められていたのだから。あの状況になった時、神様仲間全員死ぬかと思った。不死身なのに。其れでもどうにか翠は切り抜けたが審判役の2名も神様応援団の57名も薄々勘付いていた。次の本で終わりだと。
ならば待つ必要などない。疲労なんて関係ない。“急いでない”がモットーのミコのペースを崩す意図も相俟って、天は希4本目の開始を告げる。“急いでない”と云う事はゆっくりやりたいと云う事。ミコも意外と疲れている。パンクしている。消耗している。然う睨んだからだ。なので駆け足早口でゲームの続行を宣言した。