第59話 闘技会談
「あれが……召喚士だと?」
「ありえんぞ……あんなに機敏に動いたり風属性を使いこなす召喚士などいるものか!」
「なら、あれはなんだ?!化物か?!」
ここは闘技場の中にある、会議室。色々な機会で役に立つ場所だが、大会を見ていた王家と貴族はその場所で非常に慌てていた。
議題は彼、ユウ ナミカゼ のことである。
ただでさえ召喚以外の魔法を使えることすら珍しいのに、青年枠で優勝出来た程の実力がある。
尚且つ接近戦で勇者とほぼ同等と戦い合うという優勝ですら足りないほどの実力をもっていた。
ギルドに所属したのはつい最近。その間は目立った報告もなく、出身の記載も無い、何処から来たのかもわからない謎の人物。
「テュエル姫。お主は彼の者と接触してどのようなことが分かった?」
私が心を読めることはここにいる全員が知っている。なので私はこのように姫でも意見を述べることが出来る。
「本当に彼は召喚士です。さらに驚くべきことに賞金の為に出ていたのにもかかわらず、彼は貰えなくて少し残念に思った程度で我らに敵対心などは抱いておりませんでした。理由は不明です」
「なんと……」
この言葉でさらに部屋がざわつく。だが、もしこちらに召喚士が盾突くことがあってもこちらにはさらに強い勇者がいる。
勇者は完全にこちらの味方なのでいざという時は召喚士であろうが、本気で殺しにかかるだろう。
なので私達はあまり逆恨みにはあまり触れなかった。
「それと、ユウ ナミカゼを失格としましたが、魔法学園に編入させ、監視させるのが得策かと。これからなにをするのかは未だ不明なままです」
ここで私は彼の目的のために魔法学園の件を思い出し、提案する。策としては悪くないはずだ。
「確かにその案は良い。その案を採用しこれまで通り魔法学園への編入を認めよう。監視はについてはあやつに任せるとしよう」
おそらく学園長の事だろう。
お父様が認めたらこの件は終わりだ。取り敢えず後で使者を出し報告しておこう。
「それに、召喚士狩りの件についてだが……今日はあやつは来ていないのか?」
貴族がその話題を振るとさらに部屋がざわつく。
その召喚士狩りの提案者も、勇者に勝らずとも劣らずという実力者だからだ。勇者も提案者に好意をよせている。
三ツ星の実力は未知数。
噂では一人で国を滅ぼせるなどという噂もある。
それには及ばずともあと一人がいる。
噂通りであったなら、国なんて簡単に落ちるだろう。
流石にそれはないと思うが、今この時期は魔族との戦闘が始まりそうな時だ。無駄に兵力を上げるわけには行かない。
そして国の政治を進めやすくするためには、ヒーローと悪役が必要。ヒーローは勇者。なので悪役は召喚士ということだ。
なぜアレが召喚士を選んだのかは分からない。分からないが、彼女は勇者の一番の味方だ。もし仮にだ。提案者を裁くことが出来たとしても勇者が黙っていない。
勇者の制御の魔法は既に試しているがまだ無理だ。
こうして私達は殺人を見過ごすことしかできないのだ。
「あやつは来ていない。招待はしたものの雑魚には興味がないとの一点張りだ。だれかあやつに今回の状況を説明して欲しいのだが……」
そういって貴族は全員を見回す。当然のことながら誰もこの部屋の人は誰一人として手は上げない。相手が相手だからだ。
なのでいつも――
「私が行きましょう」
この私が出る。誰もがそれを認めている。……誰も私が死んでもいいように思っている。だれも、私を普通の人として見てくれはしない。人柱として私は、存在しているのだ
「おお、流石王家の闘魔姫。では頼んだぞ……オッホン!!それではこれにて解散とする!!」
この部屋が窮屈でしょうがなかったのか。続々と早足で部屋から出ていく。しばらく考え込んでいたら、いつの間にか独りになった。
「はぁ」
私は椅子に寄りかかり天井を見上げて、これまでのことを考える。
やはり魔王ことを話さなかったのは正解と言えるだろう。私もこれ以上死の危険を増やしたくはない。
ただでさえ召喚士狩りの提案者と話すのは死と隣り合わせだというのに。
ちなみにあいつはかなり気まぐれだ。出来れば会いたくない。
「ユウナミカゼ、お前は何者なんだ?」
一通り愚痴を履き終わったあと、私は提案者の所へ向かう。今日も琴線にふれないように、と心から願う私であった。
世界観が酷いという御指摘を頂きました。
まったくもってその通りです。
しっかりとユウとその世間を構築して、これからを見据え頑張りたいと思います
そして、これにてこの闘技大会編は終了となります。
ここまで書けて非常に良かったです!
ご高覧感謝です♪




