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七罪の召喚士  作者: 空想人間
第四章 闘技大会
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第52話 策略

前話の夕が性別不明と言っていた彼の視点です

 俺たちの秘密の隠れ家へ帰る前に晩御飯を買ったあと、暗い夜道を歩く。俺達の話題は彼でもちきりだ。

 あれだけ挑発したのだから、彼はギルド枠に出場はすることだろう……ああ、楽しみだなぁ。

 俺はあの素早い反応、威圧に対する精神の強さから彼に興味があった。

 その隣にいる灰色の女の子も興味があったけど、俺には行為を寄せる者がいるためどうでもいいと切り捨てた。


「それにしても、召喚士のクラスで俺のジャッジメントを凌ぐかぁ」

「はいお兄ちゃん。私の剣を止める反応速度といい、只者ではないようです」


 マリエルも公認の実力者のようだね。あれでクラスが召喚士だなんて信じられないくらい異常だ。それとマリエルは実際の妹ではないが、兄という設定で呼ばせている。気持ちいいからな。

 と、ここで俺はあることを思い出す。


「それとマリエル。君の得た情報に寄れば彼は“違法魔道具使用”により失格になったらしいね」

「恐らく灰色の髪の彼女が空間魔法を使ったためである、と考えられます」


 その空間魔法は恐らくユニーク魔法だろうね。それにより何処か別の場所へ連れていった。勝つと思っていた彼女が突然消失したと思えば、突然の負け宣言。

 明らかに異常な事態。そもそも普通の召喚士は空間魔法を使用出来ない。できるとしたら、ルール外の魔道具を使用するぐらい。

 それで彼は失格になったのかな。


「それにより、彼はギルド枠へ出場が困難です」

「おっとと、それは困るなぁ」


 彼の失格となれば、もう次の枠へ出場できないだろう。上からの圧力がなければ、ね?


「じゃあ俺がどうにかしようかな?」

「お兄ちゃん、それほど彼に興味があるの……?」


 マリエルはゴミを見るような目で見ている。俺からしてもその目は嫌なのでしっかりと弁明しないと。


「好意の意味じゃないよ。だってさ。君を気にならない?あんなに異常な威圧感、魔力を出す、召喚も使わない召喚士サマナーなんてさ?」

「そういう意味だったんだ。ごめんなさい勘違いしてた。確かに、なんであんなに強いのか興味はあるけど、私はあの灰色の髪が――」


 どうやら灰色の髪を仕留めきれなかったことに悔しがっているようだ。あの娘も相当な実力者なのは発せられる威圧感で分かる。魔族の様な尖った威圧感だったけど、角も見えなかったし、羽も見えなかったから多分ただの人間だろうね。


「仕留められなかった原因もあの召喚士サマナーが作ったんだよ? あはははっ……やっぱりどうにかして出場させてあげないとなぁ、俺も戦いたいしね?」

「それなら、お兄ちゃんの立場を使うのが一番だと思う。全世界の人々がお兄ちゃんを敬ってるし実力もあるから」

「やっぱりそうだよね。俺もその案にしようとしてたけど力を誇示するのはあんまり好きじゃないんだよなぁ。ほら……皆びびっちゃうからさ」


 俺は間違ったことは言ってない。少しだけ威圧感を出せばある程度の魔物、人間は卒倒してしまうのが事実。


「私にいい考えがある。召喚士サマナーををめると観客全員に伝えればいい」

「へぇ、マリエル。君もなかなか考えるね。いい子だ」

「うふふ……」


 マリエルを撫でながら俺は作戦を構築する。

 正義の味方の俺が、悪役の召喚士サマナーを倒すことにする。ということにすれば必然的に戦えるようになるんじゃないかな?

 内容は「違法魔道具を使用した彼を叩き潰す」と、宣言するだけだ。俺の実力は皆知っている。それに観客である彼らもそれを望んでいる。

 上手くいくといいけど最悪の場合は国自体を脅迫すればいいしね。王族の皆は俺と、そしてユウ ナミカゼと同じ召喚士である彼女を恐れているから効果は絶大かな。


「さてと! 作戦は決まったしご飯を食べたら行動だな!」

「はい。お兄ちゃん」


 これからは闘技大会の重役が集まる晩餐をしているであろう王宮に、ニ度目の訪問だ。まぁ、俺が戦いたいんだからいいよね?


 俺は行動に向かって障害物を薙ぎ倒すことに決めた。



 ~~~~~



「と、いうわけなんだけどさ? いいよね?」


 ありとあらゆる重鎮達が大きくざわつく。

 そもそもマリエルのワープホールつかってここに来た時点で逃げ出そうとした人もいるけど残念ながらこっちは二人だけじゃなくて皆で来たから全員で出入り口を封じさせてもらった。


「お、お主は一体何を言っておる?!」

「確かにあの召喚士サマナーは観客がなんといおうとも、あれは化物だ!!」


 晩餐場にいる全員が困惑している。まぁ予測済みだけどね。なので俺はこんなことを言った。


「それでね提案があるんだけどさ、あいつを悪役に立てて、俺、英雄ヒーローが彼を倒せばさらに闘技大会は盛り上がるんじゃないかな?」

「ししし、しかしだな! お主にあの召喚士サマナーを倒せる確証はあるのか?!」


 ヒゲが立派な貴族は汗を浮かべながら俺に問いかける。どっちが強いのか確証が持てないのかな。


「倒せるよ? それもかすり傷一つさえ受けずに」


 俺はあっさりと言ったつもりだが、会場が更にざわつく。まぁ俺の実力は皆分かってるから否定はしないと思うけど。


「た、確かに彼は難易度が二つ星(ツインスターズ)である巨大古竜ビッグエンシェントドラゴンを無傷で一人で倒した実力もあるしな……」

「その確かに方が盛り上がるな。あの召喚士には悪いが」


 どうやら勝負は俺の勝ちのようだ。勝負が勝ったとわかれば俺はここに用はないね。


「んじゃ、よろしくな?マリエル、頼む」

「はい。《ワープホール》」


 俺たちは白い空間に飲み込まれていく。実況者の姫は何も発言しなかったけどまぁいいかな。気にすることじゃないしね。


 最後は俺が観客に宣言すればいいだけ。

 場は整えた。召喚士サマナー君。楽しませてね……?

このまま主人公が出場する。というのは余りにも不自然という指摘を頂きました。失格したのに出場するのは確かにおかしいです。大変ありがとうございました


ご高覧感謝です♪


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