表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
七罪の召喚士  作者: 空想人間
第四章 闘技大会
29/300

第29話 闘技大会へ

 あの日からおおよそ二週間。決心したように、魔界でひたすら修行し、己のレベル上げや、魔法、スキルのレベル上げにも勤しんでいた。


 アルトも、全体的なレベル上げに付き合ってくれて、一緒に来てくれるどころか、人目にまったくつかず、それでいて強力な魔物がうじゃうじゃいる場所へ案内してくれた。

 また、彼女も闘技大会に参加するらしく、やる気を見せてくれた。


 ステータスはこのようになっている。



 ―――――――――――――――――――――――――――

 ステータス


 名前 波風 夕 レベル130 クラス 召喚士


 年齢 18


 性別 男


 HP(体力) 5000


 MP (魔力)16000


 ATK(攻撃力) 5000


 DEF (守備力)3000


 DEX(器用さ) 3900


 AGI(敏捷性)4800


 INT(知力)4800


 LUK(運)20


 ―――――――――――――――――――――――――――

 所持魔法


 物質創造マテリアルクリエイトレベル3


 魔法創造スペルクリエイトレベル2


 能力創造スキルクリエイトレベル2


 天雷 レベル3


 転移魔法 レベル最大


 火属性魔法 レベル4


 水属性魔法 レベル4


 土属性魔法 レベル4


 風属性魔法 レベル4


 聖属性魔法 レベル2


 闇属性魔法 レベル5


 ―――――――――――――――――――――――――――

 所持スキル


 七属性の魔法の才能


 体術 レベル7


 観察眼 レベル8


 気配探知 レベル5


 気配遮断 レベル4


 足音消去 レベル4


 龍族キラー レベル7


 基礎攻撃力上昇 レベル4


 基礎魔力上昇 レベル3


 刀術 レベル7


 魔法纏 レベル3


 障壁 レベル5


 見切り レベル3


 空中歩行 レベル最大


 空き


 ―――――――――――――――――――――――――――


 色々オーバースペックになったとつくづく思う。

 観察眼サーチアイのレベルも上がったことにより、遂に相手の同意があればステータスを見ることができるようになった。許可を貰わないと見れない部分に変わりはないが、詳しいところにまで調べられるようになっている。


 許可をもらい、アルトのステータスを確認させてもらうと。


 ―――――――――――――――――――――――――――

 ステータス


 名前 アルト=サタンニア レベル190(最大)


 クラス 全属性魔術師オールマジシャン


 年齢 wp_t'g^<;


 性別 女


 HP(体力) 7000


 MP (魔力)8000


 ATK(攻撃力)4000


 DEF (守備力)4500


 DEX(器用さ) 10000


 AGI(敏捷性) 7000


 INT(知力) 9000


 LUK(運)30


 ――――――――――――――――――――――――――――


 と、パッと見て勇者涙目な実力である。いろいろ突っ込みどころはあるが置いておこう。


 彼女のレベルは190で最大とあり、限界に達しているが、そのレベルの最大値も人によって違うらしい。俺はどこまでいけるんだろうか。せめて彼女と同じくらい高くあって欲しいところ。

 また、彼女のスキルや魔法は多すぎるらしく、まだ見ることが出来なかった。ダークキャノンやら何やら心を擽るような技名があったが、読み取ろうとすると、PCが

 クラッシュするように、スキル自体が中止させられてしまうのだ。


 改めて感心したが、彼女は魔王という立場に不服ない実力である。彼女の実力が判明したときには――


「お前どんな魔王だよ……」

「クラスも分かっちゃうんだ……驚かせようとしてたのに……」


 と、どちらも驚きに満ちた表情で話していた。


 そんなこんなで今は人間界に戻って転移魔法により加工屋の中にいる。


「アルト、お前は闘技大会に出るらしいが装備は大丈夫なのか?」


 完全に私服装備であるアルトに質問する。

 なんにせよ、戦闘なんて全く考慮していないようなみかけである。


「ふふふ、僕の服は限界まで強化されてるから、そこいらの鎧より耐久力があるんだ。貴重な魔物の素材で作ってもらったからね」


 彼女は黒のジャケットに濃い藍色のミニスカートという、いかにも電車で痴漢されそうな装備だ。本当にそんな装備で大丈夫なのだろうか。


 受付に話し、出来上がった品を待つ。


「おう、きたか……」


 ドワーフのおっさんが俺を見て話す。彼の手には折りたたまれた服が重みのある雰囲気であった。


「やはり……いい素材……だから……いい装備になった」


「おーっ! たのしみだねっ!」


「そ、そうだな」


 無関心のように見えるがすごくドキドキしている。

 なんていったって初の戦闘用の防具だ。

 男ならドキドキしない者はいないだろう。初めて甲冑を手に入れたようなの感覚である。


 ぼーっと感動していると、少女もなにか手袋のようなものを一つ持ってきた。


「これ、いい装備」


 ドワーフのおっさんは畳んである衣服を広げ、俺に見せる。


「ほうほう」


 それは魔術師が着るような、裾の長いローブで、所々に赤いラインが走っていて、中二心をかなり刺激してくれる。以外とカッコイイ。魔王の配下の強そうな人が来ているイメージである。隣に魔王本人がいますけどね。


「それと素材が余ったから、これもつくった」


 少女から手渡されたもの。それは 黒い指ぬきグローブであった。そこでやっと、俺は遂に正気に戻る。


「どうだ?」


 これはまずい。片手しか無いこともあってか、かなり封じられた系男子になりそうだ。

 これはだめだ。


「わぁぁ……カッコイイね!」


「アルト……このグローブはお前にやるよ」


「えっいいの?!」


 嫌じゃないのかよ。ってこの世界にはそういう発想がないのかもな。中二感が酷いというものが。


「ほら。プレゼントだ」


「?! あ、ありがとうっ」


 アルトは急に顔を赤くして俯いてしまった。やっとか。やっと恥ずかしい事に気づいたか。この反応を見ると、やはり中二感というものがあるということだな。


「とりあえず……お代は引いておいた、またいい素材があったらこい」


 俺たちは一礼をし、加工屋からでた。


 外に出ると、いつも通りの街とは思えないほど、人が沢山いた。転移で加工屋に直接来たため、人の多さを感じられなかった部分もあるが。


「うわー人間がいっぱいだねー」


 アルトは汚物を見るような目で人々を見てしまっている。なんとも冷たい目線だ。

 彼女は人間があまり好きではないのは知っているので多少は仕方ない。


 それはそれとして、先ほど貰った黒い指ぬきグローブは既に装備している。彼女が。恥ずかしいなら無理しなくてもいいのに。


「もうすぐ闘技大会だから人が集まっているんだろうな。さて、ギルマスさんににルールとか聞きに行くか」


「そうだよね。僕こーゆーの初めてだから緊張するよ……」


 緊張もなにもあのステータスなら誰にも負けるような事はないと思うがな。


 人混みに飲まれながらギルドを目指していった


 ~~~~~~


「よう。餓鬼ども、てっきり参加をすっぽかしたと思ったよ」


 扉を開けた途端、くノ一姿のギルマスが待っていたとばかりに俺たちに話しかけてくる。これが正装なんだろうか。


「その気持ちもある」

「僕は気になるかなー」

「さて、闘技大会は初めてだろう。ルール説明もするからこちらへ来い」


 ギルマスの部屋へと移動し、中に入ると、初めて依頼を受けようとした際に絡んできた、あのSランカー赤髪の男がいた。アルトとは一悶着あったが、それもあってか、怒っているような雰囲気が感じられた。


「マスター、どういうことですか? どちらもまだFランカーであり、そして片方は召喚士なのに、代表戦に僕を差し置いて出場するなんて?!」


 雰囲気じゃない。明らかに怒っている。怒気がここまで伝わってくる程だ。


「気分だ」


 おいギルドマスター、そんなんじゃ俺に被害が飛ぶだろう――


「ふざけないでください。僕はこの常識も分かってない召喚士サマナーに負けるほど弱くありません!!」

「なら、試してみる?」


 ニッコリと笑顔を浮かべながらギルマスと火花を散らすSランカー君の間に入ったのは、こちらも少々苛立ちを含んだ魔王様だ。

 髪を揺らすほどの威圧感と重圧が突然のしかかり、この部屋の温度が五度ぐらい下がったような気がした。


「ユウは僕より強いよ? 僕の威圧感で竦んでいる君は弱いって事が分からないかな?」


 赤髪は口をパクパクしたあと失神してしまった。また魔王様はやらかしていくな。


「……自重してくれ」


「ごめんごめん、ちょっとこーゆー人間が苦手なんだ」


「はぁ、これはこいつがちょっかい出したから彼の責任だが、あまり公共の場でそういうことはするなよ」


 ギルマスが呆れたように話す。赤髪の人は職員に連れられて運ばれていった。ギルマスも気絶させたことに関しては何も言わないようだな。それでいいのかギルドとは。


「とりあえずルールを説明するぞ」


 それからギルマスは十五分ぐらい話した。内容を要約するとこうだ。




 .青年枠(十歳~二十歳)と大人枠(二十一歳~)に大会の開催日が違う。


 .一般参加の優勝賞金は百万G 代表戦は四百万


 .決勝枠に出場すれば、青年枠は魔法学校、大人枠はギルド本部へ編入できる権利がある。


 .ギルド代表者は体力的な公平を期すため、一般参加にも参加しなくてはならない。


 .ギルド代表戦は青年枠、大人枠が終わったあと。


 .最初は予選としてブロックに分けられた多人数戦闘を行い、その中で二人だけ生き残れる。いわゆるバトルロイヤルだ。


 .体へのダメージは張られている闘技場に張られている結界により、痛みや衝撃に全て変換されるので、骨折などの重傷はしても、死にはしないようだ。


 こんな感じだろう。魔法学校に気になったのは男として言うまでもない。


「さて理解してもらえたかな?」


「僕ちょっと楽しみになってきたよ!」


「そうか……ならよかったが、とりあえず代表はお前でいいな?」


 そう言って俺のことを指を指す。お金が手に入るのだ。仕方ない。戦闘してみたいとか思ってはいない、たぶん。

 とりあえず俺は首を縦に振る。


 ……って代表……だと?


「ふぅ、よかったよ。まぁお前ら二人は推薦で参加しておいたから参加申請をするために会場に行かなくてもいいぞ」


 俺断ったらどうすんだこいつ。まぁ賞金と魔法学校に目がくらんだのは内緒だが。

 ああなぜ断らなかった


「闘技は三日後。準備をしておけよ。

「はやいな」


「うーん楽しみ♪」


 アルトは魔族の血が騒ぐとかそういうことか? 彼女の眼光は超鋭い。


 するとギルドマスターはカードのようなものを二枚机の上に出し、話す。


「さて話は終わりだ。これは参加証明書だ。取っておいてくれ。健闘を祈る」



 三日後、俺たちはできうる限り全体的なレベルを上げようとしていたが、上がることはなかった。

 流石にスムーズにはあがらないようだ。


 そして大会の朝を迎えた。


 扉を勢い良く開ける音がする。

 俺は今はベットの中だ。もっと寝たい。


「ユウ!! 起きて!! あさだよー!!」


「んぁ……アルトか……おはよう……」


 ゆっさゆっさ と揺すってくる……これが朝ぐいぐいか。


「んー……ユウッ! おきてよッ!」


 そのとき彼女は腕を振り、魔力の波紋を広げる。


 その波紋は俺の体を通過し――爆裂。


 当然、爆発のような衝撃を受けた俺はベットごと激しく飛んだ。壁を破壊しかけたよ。


「……もっと優しくおこしてくれよ」


 多分HPは500程度減っていた思う。



 ~~~~~~


 朝ご飯を食べた後は会場へ向かった。会場はギルドから数十分ほど歩いた場所。

 意外と近い。


「うわぁ……一昨日よりいっぱいいるねー」


「某アトラクションパークよりいるな」


 人混みに慣れている俺でもちょっと驚いてしまった。


「会場はあっちだよな……」


「はやくいこっ!」


 アルトは小走りしながら向かっていくので本当に楽しみなようだ。


 会場につくと一般参加の人が沢山の列を作っていた。

 昔いた学校の人間より多い。


「……これは下手したら迷子になりそうだな」


「あっユウ! 推薦はあっちらしいよー」


 推薦だと早く受付を済ませられるようだ。まるでファストパ……なんでもない。


「こちらは推薦受付です。一般参加の方は――あっユウさん。おはようございます」


 もう顔見知りなクラス判別してくれたお姉さんだ。ギルド職員も大変だな。


「俺達はギルマスに推薦されたんだ。とりあえず一般参加二人で頼む。俺は代表戦もよろしくな」


「そ、そうなんですか。バンリさんじゃないんですね」


 最近気絶した赤髪の彼を待っていたようだ。まぁ俺は召喚士サマナーだしな……


「僕待ちきれないからはやくしてほしーな」


 アルトは相変わらず冷たい目線で言い放つ。


「と、はい。これで参加完了です。ご健闘をお祈りします。待合室は奥にあります」


「ああ。ありがとう」


 待合室まで歩いているとアルトが言う。


「ユウと戦いたいなぁ……」


「止めてくれ。俺が間違いなく負ける。」



 俺はアルトとの戦闘だけは回避してほしいと心からの思った。


ご高覧感謝です♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ