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七罪の召喚士  作者: 空想人間
第九章 裏の世界と表の世界
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第196話 弱いもの・強いもの

 いくつも戦闘を重ね、何度も負傷すれば身体は限界を迎えるだろう。

 なんとかその限界に到達する前に、俺達はやるべき事を完全に遂行しなければいけない。


「ユウ……?」

「……悪い。ちょっと考え事してた」


 互いに息を荒くしながら走ること数分。遂に俺は魔力の循環だけでは抑えきれない疲労を感じ始めていた。


 身体を魔力で活性化させることにより、数キロメートルを全力で走ろうがそれほど強い疲労感を感じることは無いのだが、やはり数多くの戦闘、なにより何度も“死んだ”ことを経た俺の身体には凄まじく大きな影響が出ていた。


 先ほど戦ったハインツとパメラとの戦闘においても身体の不自由さが身をもってよく分かった。

 痛覚ではなく、思った通りに動かなくなってしまうのだ。

 これまでは痛みや苦痛により身体の限界を感じることが出来たが、今となってはそのリミッターを余裕で超えてしまうようになったのだ。

 これを逆に言えば、身体が負担に耐えかねて突然動かなくなる可能性が新たに出現したということになる。


 ある程度は融通が利くようにはなったが、これまで以上に身体の状態を強く理解しておかなければならなくなった。


(全力で動けても残りは一時間ってところか……?)


 詳しい時間は分からないが、建物と共にそろそろ限界が近そうだ。


 回復した微量の魔力をできる限り循環させて気合を入れ直す。


「もうすぐだな」

「うん、そろそろ――」


 負担を少なくするため気配探知の範囲を縮小していたが、ここでおびただしい魔物の気配と共にレム達の無事な姿を捉えることが出来た。

 無事であることを確認し、ほっと胸をなでおろす。


「ユウっ! 遅すぎるのじゃ!!」

「我らの回避スキルをなでなでと褒めてくださいねッ!」


 まるでボスでも出現するのではないかと思うほどだだっ広い空間に、その広間を埋め尽くさんとする魔物はまさに千万無量。

 しかも鳥のように上空を飛んでいる魔物もいれば、地を海のように泳ぐ鮫のような魔物もいる。非常にバラエティが豊かである。


 それらを踏み台にし、時には弾き飛ばしたりして彼女らは攻撃をせず、ひたすらに回避していた。


「ゆうっ! あると!」

「無事でしたか!」


 少し離れて何処か安心したような声と共に、攻撃や魔法を放っている姿を見ることができた。


 レムが多数の魔物を尻尾で広範囲を薙ぎ払った後、シーナの風魔法で一気に仕留める様は連携のプロフェッショナルと言ってもいいほど完璧なものであった。


「悪い――待たせたなッ!」


 俺達はスピードを上げ、魔物の大群に突っ込んでいく。


『『グギヤァァァァ!?』』


 武芸の滅閃を発動しながら切りつければ、一度振り抜いただけで数十匹の魔物が倒れ、吹き飛ぶ。

 やはりシャナクが俺の中にいることにより身体能力も格段に進化したのだろう。


「邪魔だよッ!!」


 アルトも武器に魔力を込めて剣圧を無数に射出し、それらは積雪に車が通った跡のように魔物達を誰彼構わず吹き飛ばしていく。

 早めにこの場を離れ、リンクスとミリュを連れてドワーフの里に戻りたいところだが――


「くっ邪魔だな……こいつらどうなってんだ?」

『ゥ……アぉ……』


 切り付けて真っ二つになり、動かなくなった魔物の身体は、引き合わさせられるように動き、――くっついた。


 それはまさに、切り離したロボットのパーツが自動で合体するかのような異様さである。

 元のゴブリンのような姿に戻った魔物は手に持つ鬼こん棒を振りかざす。


「このッ!」


 気合の声とともに魔物の腹部を蹴り飛ばせば、衝撃波と共に、魔物を掻き分け、吹き飛んでいった。

 だが、仕留めた という実感はまるで無い。


「さっきからずっとこれ、です」

「――首飛ばしても駄目だったよッ!!」


 空中から俺達の元へ急降下したアルトは、刀を振るいつつ魔物との距離を稼ぐ。


 放たれた魔力の斬撃を受け、空中にいた魔物は落下し、地上にいたものは倒れ附す。

 しかし、その状態で数十秒も経過すれば彼らの傷は完全に癒え、再び戦闘態勢へと移行する。


 じりじりと詰められていく距離に、突破口が見つからず引き気味な仲間と共に背を合わせ、俺は引き攣った笑みを浮かべた。


「さて、どうしたもんか。こういうやつは放っておいて逃げるってのが一番いいんだがな」

「ワタシもしーなもそろそろ辛い……です」

「魔力もあまり余裕がなくなってきましたね……」

「ユウっ! そろそろ我らも疲れてきたんじゃが!?」

「ぱっぱと作戦を決めてくださいっ!でないと――っと危ないですね」

「我らはいいが、こやつらの衰弱しきった身体がそろそろ危険なのじゃ!」


 背負われたリンクス、ミリュの顔つきは青く、気絶しているのも要因ではあるが明らかに具合が良さそうには見えない。


 戦闘の経験が少ない生徒達では聖霊たちの急加速や速度に耐えかねないという判断であった。


「ねぇ! あれって入れそうかな?」


 どうすればいいのか考えていた矢先に、アルトが後方に少々進んだ場所にある重々しい両開きの扉に指をさす。


 その扉はひと目でわかるほど頑丈そうに作られており、見上げてしまうほど大きい。おまけに電子ロックのような装置が端の方にちんまりと設置してあった。


 これはいくら俺達といえども、開けるためにはすこしばかり骨を折る必要がありそうな程である。


「確かにあの場所逃げ込んで閉鎖すれば魔物達との距離を空けることが出来ますね。ですが、あの大きさとなると一筋縄では――」

「多分大丈夫! ユウっあれなら魔法で開けられるよね?」

「……磁力魔法か。やってみる価値はあるな」


 扉の鍵は本人でさえ忘れかけていた魔法であった。非常に申し訳ない気がしてならない。

 魔道車にて、鉄に似た材質ならば磁力魔法が作用することは分かっている。

 電子ロックのような設備があることもあり、恐らく磁力魔法は作用してくれるだろう。


 上層に移動する手段だが、この施設の特徴でもある転移阻害を逆に応用することと考えている。

 まだ試したことは無いが、この最低限この地下施設から抜け出ることが可能である事に違いない。


 しかしだ。

 ここで磁力魔法を使用してしまうと、やっかいなことに、転移に必要な魔力不足の問題が浮上してくる。


「ウォォォォ……」

「時間切れってか――!」


 俺達の周りを囲んでいた魔物たちが、思考中であるのにも関わらず一斉に猛々しい声を張り上げると同時に飛びかかる。

 一匹一匹の実力は大したことはないのだが、数が多いので魔力が少ない俺達はジリ貧状態が悪化することになりかねない。よってこれ以上の潜考は不要だ。行動に移さなければ。


(二人とも。忙しいところで悪いが頼みがある)

(……ふむふむ、そういうことかの)

(この背中の人がいなければぱぱっと動けますが、お願いしてもよろしいでしょうか?)

(もちろんだ。“一人ずつ”投げてくれ)


 俺の思考を読み取ったソラとファラは互いに顔を見合わせた後、左右に分かれ急加速。

 風を切り裂きながら俺たちの頭の上にたどり着けば――譲り合う心もなく二人同時にリンクスとミリュを叩きつけるがごとく放り投げた。


 お前らというやつは……ツッコミどころに困らないな。


「レム! ミリュを任せる!」

「えっ……あ、は、はいですっ!」


 レムを選んだ理由はその柔らかいしっぽを持つためであった。ミリュに何か言われるのが怖い訳では無いが、とりあえずは衝撃を減らすためである。


 落ちていく学生服姿のリンクスをお姫様抱っこ持ちで受け止め、顔色を確認する。


「……お前……ミリュを彼女にしないのってそっちの趣味なのか……?」


 未だに青いが、幾分顔色が良くなっていた。しかしこの瞬間俺の顔色が悪くなった。


「さぁ、やるぞよソラ!」

「ええ、ごごっとやってやりましょうファラ!」


 激しい魔力の奔流が感じられたかと思えば、陽炎のように空間が歪むほどの高いエネルギーが彼女の両手に集中していた。

 それほどまでの力を使わなければ動かない扉だったのだろう。


 ただでさえボロボロなこの建物を大きく揺らしながら、重々しく音をたてて巨大な扉は開いていく。

 その突然の揺れに魔物だけではなく、仲間の皆までもが驚き、後ろを振り向く。


「さすがは聖霊様だな。行くぞ」

「これが精霊さんの力……!?」

「すっごい……ですっ!」

「おおー!開いたね!!」


 魔物達も動揺したのか直ぐには動かない。チャンスである。

 手に持つ刀を振り抜き、間近にいる魔物を切り裂いた後、声を張り上げる。


「走れッ!!」


 その一声でやっとやるべき事が伝わったのか、各々が真面目な表情に切り替わり、一斉に走り出すが、すぐに扉は閉まり始める。


 走り出したのを確認して魔物たちもやっと意識が俺達に向いたが、聖霊たちの電撃による妨害で全く追いつけていなかった。


 全員が通り過ぎ、扉が一際大きな音と揺れをたてて閉まれば、その扉の向こうからはゴンゴンと強く叩く音が響く。

 無論、その程度ではこの大扉はびくともしないが。


「ユウ! みんな通れたよ!」

「ふう、これで安心して転移魔法を使えるな……」

「ちょっとつかれました……です」

「少々休んでもよろしいですか? 魔法を使いっぱなしだったもので……」

「ああ。分かった。少し休むか」

「ふぅ、患者の魔力がなければ危なかったの」

「ええ。患者のおかげですね。では我らはドロンします」

「我らとはいえ少々疲れがな」

「ああ。ありがとう。休めるのかどうだか分からないがゆっくりしてくれ」


 患者、とは恐らくシャナクのことだろう。発言が痛々しいことからのネーミングだろうが、明らかに悪意が篭っている。一休みしたらあいつとも話をつけないとな。


「そういえばここって――」


 聖霊が光になって消えてしばらくすると、身体の中から驚いた声が聞こえたが、それは目の前に広がる光景によってかき消された。


 この空間はほぼ光がなく、暗視能力がなければ一寸先も見えないほどだ。

 だが、俺はその壁にびっしりと掘られている文字がはっきりと見えてしまった。

 いや、アルトが大きな反応をしないことから、俺だけが読めたのかもしれない。


 この世界の文字は、俺の元いた世界の文字と異なっている。こちらに渡ってきて来て最初の激痛であった女神の試練を終えたことにより、ルミナの文字がすらすらと読めるようになったのだが――


「なんか、この場所って変な文字がいっぱい書かれてるね。いや、文字じゃないのかな? ボクでも読めないとなると……うーん、落書き……?」

「なんだ、これ」


 高くて大きな壁。小さな狭い部屋。あるのは足の折れたシングルベッドに、黒く濁った水がたまった洗面台。

 そこは人が住んでいたであろう形跡がある。

 それも、狂っていく経過の形跡が一つ残さず乱暴に壁に掘られていた。


「アルト。ここは……ここはどんな場所だと思う?」

「え? うん……なんだか、息が詰まるっていうのかな? そんな所だね。あんまり好きじゃないかも」

「そうか。ここに書いてある文字、アルトは読めないんだよな?」

「……ユウは読めるの?」

「ああ。それもすっごい内容だ。出来ることなら目を離したいぐらいのな」

「聞いても、いいかな?」

「ああ」


 アルトは既にこの場所がどんな場所であるかを掴みかけている。

 そのため、彼女の表情は好奇心だけではなく、暗い一面を垣間見ることが出来た。

 レム達が回復するまでほんの少しの間だけ、読み取っていくことにしようか。


「まず最初にだ。俺より先に世界を渡ってきた人間がいる。それが――この世界の二つ星(ツインスターズ)、白神だ」


 壁に沿って歩いていく。最初の文はベットの左に書かれていた。


 ~~~~~~


 借りぐらし一日目。


 私がこの世界に飛ばされてからもう何日たったのかは分からない。だけど第一の女神様は廃れた私を異世界に飛ばしてくれた。感謝しなきゃ。

 それに、この世界はもとの世界と違ってファンタジーな魔法や生物がいっぱい居る!


 冒険者ギルドってところで活躍してたら、本部にスカウトされて今日から華の一人暮らし!! お金も沢山もらえるし、部屋も提供してくれる! これから楽しみだなぁ……いっぱい頑張ってみる!

 追記・ギルドマスターは忍者みたいな人だったなぁ。私の元の世界の事を知ってるかも!



 借りぐらし七日目


 依頼で失敗して両腕が使えなくなっちゃった。まさか途中であんなことがあるなんて……

 でも、ここの医療は元の世界よりずっと進展してて、義手をつけてもらった!

 くっつける時はすっごく痛かったけど、お薬と注射のおかげで痛みはほとんどない!


 それと新しい出会いがあったの! 名前は夜雨よさめちゃん!とあさひくん!

 あの人たちも私とおんなじ世界から来たらしいんだ!

 二人ともすごく強いしカッコイイ! 私もあんなふうになりたいなぁ……!



 追記・行方不明になったギルドマスターの代わりにあたらしい人がギルドを治めることになった。でも、話してみたら……胸とかお尻触られるし、ほんと最悪。

 電気をまとった手でビンタしたけど笑顔だったし、あの人は反省すら感じてないのかな……?


あと、聞いたところによると旭君たちは、王都って場所でこの世界に召喚されたらしい。

そこでなら、もしかしたら私の想い人が見つかるかも知れないし、今度休暇を使って探してみようかな……なんてね?


 借りぐらし十日目


 ついにギルド最強のランクになることが出来た!

 長いような気がしたけど、やっとここまでこれた!


 最近旭くんがすごく冷たいのは寂しいけど、夜雨ちゃんはしぶしぶだけど特訓に来てくれる! いつも怒ってるような表情だけどね。

 もっと仲良くできないかな……?


追記・ あの人はやっぱり見つからない。当然っていえば当然なんだけど、奇跡が起こったりしないかな?


 十四日目


 お薬が最近効かなくなってきた。だから量も、注射の回数も極端に増えた。その副作用なのか、最近頭がすごく痛い。

 これも薬の作用かもだけど、人という存在自体が、この空間にいるとすっごく恋しくなってきた。


 あと最近気がついたこと。得意の電撃魔法を夜雨ちゃんに教えることが、私の唯一の生きがいだって。

 なんだが、夜雨ちゃんや旭くんがいなくなっちゃえば、私はなんのために生きてるのか分からなくなりそうだよ。あの人がいたら、どれだけ私は幸せなんだろうな。


 ああ。書けば書くほど夜雨ちゃんと旭くんがうらやましい。私もあの人に会いたいよ。会いたい。今すぐに会いたいよ。ここから出て、いないと分かっていても、探しに行きたいの。でも、我慢我慢。ここから指示があるまで出ちゃダメ……ダメなの……。

 早くお薬がほしいよ。身体が痛い。



 四十五日目


 しばらく書いてなかったけど、我慢出来ないから書く。

 薬が全く効かない。くるしい。


 でも最近、今度はいたみと一緒に変なこえが聞こえるようになった。


 なんだか聞きながら書いているとあたまがぼやけてとけちゃいそう。くすりがきいてるうちにねたいなぁ。

 そういえばブルーノがギルド最下層でお願いがあるっていってたような……なんかあったのかな?



 わかんない

 きょうおきたら、しゅじゅつだいのうえだった。

 すっごくいたかったけど、よさめちゃんとあさひくんががらすのむこうでこっちをみてた。

 ひとがいるってことだけで、しあわせだった。それからはもう、おもいだせない。

 あたまのなかのこえは、いっぱいおっきくきこえる。



 いたい。


 いたいよからだがすっごくいたいよねぇいたいよあついよねぇいたいいたいいたいいたいたいよくるしいくるしいくるしいよあたまのこえがうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいいたいいたいくるしいくるしいうるさい



 わたしは、だれ?

 わたしはだれだっけ?



 最後の日記。


 私は、もう人間じゃない。所詮はみんなの都合のいい道具で、分かるのは自分の名前は白神ということ。私はもう、魔道具です。


 私は、この世界でもまた捨てられたんだ。夜雨ちゃんにも、旭くんにも。

 だから私はブルーノみたいな存在に全部なにもかも穢されちゃっったんだ。淋しいからって自分でゆるしちゃったんだ。


 最後に私は、ブルーノと旭くん、そして夜雨ちゃんに話をつけてくる。

 恐らく、この日記が私が私であった証拠になると思う。


 もしかしたらギルドが大変なことになって、これを見てる人がいるかもしれない。汚れきった私が言いたい事はただ、


 弱ければ、奪われる。この世界に優しさなんて無い。

弱さはステータスの高低だけじゃない。

 これだけ。


 これを読めてる人がいるなら、私と同じ道を歩まないことを心から、祈っています。

 さようなら。同郷の(おなじ)人。貴方が正義であり、そんな貴方と出会いたかった。



 ~~~~~~


「――だ、そうだ。これが全部だ」

「……ブルーノが、白神っていう存在を作ったってこと? ていうか、白神と勇者はユウみたいに世界を渡ってきたの!?」

「ああ。結果的にはそうなるな。だが、人格を本格的に壊して、土台を作ったのは旭 山河サンガと、夜雨 萊奈ライナつまり勇者とその仲間だな」

「……酷いよ。同じ人間でしょ?」

「ああ。俺と同じ人間だな」


 壁にびっしりと苦しみをぶつけるかのように掘られた いたい を見て息が苦しくなり、いつの間にか黙って聞いていたレムとシーナも気持ちが悪そうな表情を浮かべていた。


「さぁ休憩はもう十分か? ならそろそろ――」

『ウォォオオオオオォオオオオッ!!』


 転移を準備をしようとしたその瞬間、ギルドから俺の耳に音が聞こえる前に、頭上から大量のガレキが崩落していくのが見えた。

 ボロボロのギルドを破壊し尽くすかのような爆音が聞こえたかと思えば、突如天井から多量の光が差し込み、俺達は防御魔法を使用し、目を細める。


 そして、何者にも問う事はなく、答えは自ら現れたこの場所を上からのぞき込むが巨大な影がすべてを証明していた。


「表の鬼って、これかよ」


 俺の力のない声は、紫の髪をした大鬼の嘶きによってかき消されてしまった。

ご高覧感謝です♪

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