表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/10

その2

意識を取り戻すと、見慣れない天井が目に入った


化粧板が貼られている、ということはコンクリートか何かで出来た建物なのだろう


まだ昼間なのだろうか、灯りの類は見えない


上半身を起こすと、部屋の隅に看護師さんらしい人が見えた


あちらも物音で気付いたのだろう、ペンを持った手を休め、こっちを向いた


「いや、吃驚したよ

目の前で突然気を失って倒れたんだから」


男性の看護師さんがそう言った


・・・そういえば、気を失う前に見た一行の中に居たような気がする


「とりあえず身体に異常は無いみたいだけど、暫く安静にしていた方がいいね」


人の身体を勝手に見たというのか、変態め


「診察したのは僕じゃないよ

わざわざ八意様が直々に診察されたんだ」


八意・・・はて、何処かで聞いたことがあるような


というか、この看護師、心を読んだな?


「いや、顔に出てるよ」


ああ、自分では何時もポーカーフェースのつもりなのによく親から言われてたな


と、その看護師が時計をチラリと見た


「ああ、そろそろ八意様が回診にいらっしゃる頃だ」


そう言うのと、扉がノックされたのは同時だった


「どうぞ」


「失礼します

患者さんの容体は?」


「はい、ご覧の通り、目を覚まされました」


「もう、何度言ったらその言葉遣いを直してくれるのかしら?」


「|師匠≪せんせい≫相手に敬語を使うのは当たり前だと思うのですが」


「・・・もういいわ」


そう言って白衣を着た女性がこちらに向き直る


ああ、名前に聞き覚えがあると思ったらハ意永琳じゃないか・・・あれ?


「初めまして、貴女の担当医のハ意××です」


・・・名前の部分が聞き取れない


永琳は一瞬何かを疑うような表情になったが、すぐに元の表情に戻った


成る程、これが営業スマイルというものか・・・というか、また顔に出ていたらしい


「もう説明はされたと思うけど、特に異常はなさそうね

ただ、貧血気味だったから、点滴を打たせてもらったわ」


そういえば左腕にチューブが繋がっていた・・・というか今気付いた


「鉄分をしっかり摂って運動しないと、いざという時に困るわ」


いざという時とはどういうことだろうか


「ハ意様」


「あら、いけない

今のは忘れて」


その後、さっきから居た看護師さんと何か喋りながら2人共部屋を出て行き、それと入れ替わるように今度は看護婦さんが入ってきた


看護婦さんは特に喋る訳でもなく、机の上の書類を片付けて出て行った


全く何なのだろうか


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ