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✛Rouge Clown✛  作者: 氷室タキ
第一章 覚醒のカウントダウン
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第1章 (8)

先程まで話していた少女とは一変していた。

耳は鋭く尖り、口からは鋭く尖った犬歯がのぞいている。

黒い瞳は今は紅く、ガラス玉のように透き通っていた。

背中からは、蝙蝠コウモリのような翼が生えていた。


いつきは少女の一変に声も出なかった。

しかし、その気高く凛とした口調に、樹は釘付けになった。


ピエロはというと、怒りに震え、少女に怒声を浴びせた。


『貴様―――“吸血鬼ヴァンパイア”だナ!!?

 わたくしの邪魔をしていいと思っているのカ!?』

「お前こそ、私の所有物に手を出していいと思っているのか?」


少女は笑みをこぼす。

その華奢な身体からは想像もつかないが、彼女が話すと世界が震えるような感覚に襲われる。

とてつもない重圧と威圧感を覚える。


そして樹は、一つの単語に疑問を抱いた。


―――“吸血鬼ヴァンパイア


よく映画とかで人の生き血を吸う魔物といわれるもの。

樹はそんなモノが自分のクラスにいた―――という事実が信じられなかった。

しかし、今目の前で“ありえないこと”が起こっているため、ソレが本当のような気がしてきた。



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