第1章 (2)
樹の友達が出てきました。
余談ですが、五十嵐って名前かっこよくないですか(笑)
聖南高校に行くためには商店街を通り、そこを抜けると約100メートルくらいの桜並木を通らなければならない。
今の季節、桜が満開でまさに「入学式」と感じさせる。
辺りを見れば樹と同じ紺色のブレザーを着た生徒が歩いている。
聖南高校は学年によって色が決まっており、樹たち一年生は青色である。
だから男子はネクタイ、女子はネクタイとスカートが青色のチェック柄である。制服を見れば、その人がどの学年か分かるのである。
「おーい、樹ー!」
桜並木の道も終盤に差し掛かったところ、樹を呼ぶ声が後方からした。
振り向けば自転車に乗る男子生徒――――――五十嵐 冬馬が樹に手を振っている。
「冬馬!」
冬馬はブレーキをかけ、樹の歩く速度に合わせゆっくり自転車をこいだ。
樹と冬馬は中学校時代からの親友で、中学を卒業してからも結構会っていた。
だから特に懐かしいという感じは覚えなかった。
冬馬は長身で細身であり、男子女子ともに人気があった。(特に女子の)
しかし、彼に一つ欠点をあげるとするならば…
「なぁなぁ、いるかなー!超絶・美人!!」
「さーねー」
冬馬は女の子には目がない。
樹は適当に返事を返し、歩き続ける。
校門を抜け、玄関に貼ってあるクラス表を見る。
樹と冬馬のクラスは1年4組で同じクラスだった。
「同じクラスなんて、俺たちの縁も深いね~」
「はぁ、1年間冬馬と同じクラスなんて終わったなー」
「おい、それどーいう意味!?」
他愛もない話をしながら、4組の教室に入った。