第1章 「プロローグ」
【Rouge Clown】
~紅の道化師~
大きな運命を背負っていることを知った高校生の少年・樹と、
樹の前に現れた吸血鬼の少女・リリアのお話。
ぼちぼち更新していきます。
よろしくお願いします。
人間界、魔界、天界
この三つの大きな世界には神が創った最高の宝具―――――“神器”が存在していた。
それは「何時からあるのか」「幾つあるのか」「どこにあるのか」―――――何ひとつ分からない謎の宝。
しかし、一つだけ分かることがあった。
『神器の力は一つ一つが強大で、その力があれば三つの世界をものにできるだろう。』
これを聞いた三つの世界の住人は、“力”を求めて争いを始めた。
そして、一つの神器が今、覚醒しようとしている。
その宝は個体として存在しているのではなく、人間を器にし、その力を隠した。
この世のすべてを切り裂くことのできる聖剣―――――“白聖魔王”
白き輝く刃とは裏腹に、その剣の力は一振りで大都市を劫火で包み込むという。
今、戦いの鐘が鳴り響いた。
世界は再び戦場の渦に巻き込まれる。
聖剣の器―――――――河野 樹は徐々に覚醒しつつあるその“力”に気づかぬまま、
高校の入学式を迎える。