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魔法使いは自衛隊で無双したい  作者: 賽の目四郎


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75◇スカイコンドル

75◇スカイコンドル

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「まず、この6人のチーム名を決めましょう。それで団結力と訓練に対する意欲も増すというものです。」


俺という13歳の若造から教えられることに対する忌避感を減らすために、チームとしての意識を持って貰うことにする。

要は俺があれこれ指示してもチームとして言われていると思わせる為だ。

チームの為なら少々のことは我慢するのが軍人だろうし。


「何か良い案はありますか?無ければ勝手に決めますよ。」


「で、ではスカイコンドルなんかはどうでしょう?」


「私はキラーバーズなんてどうかなって。」


「俺はハイランドウルフなんてのがいいな。」


あれこれ意見が出たので多数決とする。

スカイコンドルが3票で決まった。

コンドルってこの世界に居るのか?

まぁ後で調べてみよう。


「ではチームのマークを決めます。これはもう私が勝手に決めますので、訓練中はこれを使ってください。」


俺はテーブルの上の紙に30cmくらいの丸を描き、その中にカクカクに簡略化された猛禽類の飛んでいる姿を横から見た図を描く。これは前世の航空自衛隊の飛行隊のマークを覚えていたのでそのまま採用したのだ。

図の中には三角形もあるので、今回の3機の主翼を模しているとも言える。


「うむ。中々格好良いではないか。その図案を国軍旗と共に翼に貼ることにしよう。」


中将も気に入った様だ。

勿論、6人に異存があるはずもない。


一応のブリーフィングが終わったので、全員で格納庫に行く。

6人の訓練生は初見なので機体の大きさにちょっと驚く。

翼幅が12m少々あるので、こんな物が飛ぶのかと思うのだろう。


まずデモフライトとして俺が3号機に乗って飛び上がり、デビッドが地上でそれを見ながら4号機を操作して解説する。

裏山の平地を高度10mくらいでゆっくりと周回し、動きがよく見える様に大げさに操作してみせる。

10周くらい回って一旦着陸する。

格納庫の柱にロープを結んで貰い、それを3号機の後端に結んで魔石ジェットエンジンの操作をしてみせる。

左右の腕に巻いたコントローラーのリングに流す魔力でエンジンの推力を操作すると言うと、ちょっと想像出来ないのか全員が首を捻っていた。

実演として俺の手の高さで魔力を加えている量とし、手を下げた状態から徐々に上げていくに従って魔力を増加させ、推力を増す。

完全に手を上に上げるとエンジンの噴射口から凄まじい風が噴射されるのを見て全員納得する。

これを左右2基同時に操作するのだ。

慣れないと片方だけ推力が上がるので、それをどうバランスさせるかが訓練の内容になる。


4号機の後端も格納庫の柱にロープで結んで、2機並べてエンジン操作の訓練をする。

俺とデビッドがそれぞれ後席に座り、前席に訓練生を番号順に座らせてコントロールリングでエンジン制御をしてみせる。

噴射ノズルは一番大きく開いた位置にしてあるので音の割りには推力は少ない。

まぁ少ないと言ってもぎりぎり離陸出来る程度はあるんだが。

それでも自分の後ろでゴーっという噴射音を自分の魔力制御で操るというのは最初は違和感があるらしい。

デビッドの時よりも少しだけ余分に時間がかかったが、全員が一通り推力制御が出来る様になった。


次に訓練生を前席に乗せてタンデム教習だ。

さすがに新兵に毛が生えた程度のデビッドに教官をさせる訳にはいかない。

事故が起きても責任取れないしな。

なので俺一人で短時間で区切って6人を順番に乗せることにした。

待っている訓練生は地上で4号機を使ってエンジン操作の繰り返し訓練をさせておこう。

2号機改も使えば同時に2人出来るしな。


3号機を使い、デビッドの時と同じ様に前席に乗せて最初は一切手を触れさせずに模範飛行をする。

15分刻みで6人を1時間半で飛行体験をさせる。

最初は1000m以上の高度に恐れをなしてパニック寸前になる者も居たが、これは安全な乗り物で例えエンジンが停止してもゆっくり降下して確実に着陸出来るということを実演してみせる。

500m程度からエンジンを停止させてグライダーとして着陸してみせると全員安心した様だ。


次に30分インターバルで裏山の山頂より少し高い高度300mで一定の円の直径で旋回することを教える。

エンジン制御は俺のままで、コントロールバーだけ渡して俺は手を軽く添えるだけにする。

裏山の山頂を少し下に見て均一な円を描く様に回るのは意外と簡単な様で、さほど高度も上下せずに回れた。

円の中心が山頂から多少ずれるが、まぁ風の影響もあるし最初からは無理だな。

これに3時間。


次はスロットル制御を渡し、先程の高度300mから同じ円を描きながら徐々に高度を上げる訓練だ。

スロットルを開けすぎると円の直径が大きくなるし、少ないと高度が上がらない。

少しスロットルを開け、外に膨らもうとするのを内側に傾けることで補正することを教える。

そのままスロットルを開け続けさせ、6割で止めさせてそのまま上昇し、1000mで上昇を止めさせる。

そのままの高度で5周くらい周回したら降下だ。

スロットルを緩めて旋回しながら徐々に降下し、裏山の山頂より少し高い程度で制御を戻して貰う。

後は俺の操作で着陸してそれを全員分繰り返す。

これに3時間。


この日はこれで訓練は終了とした。

地上では2機同時に使って魔石ジェットエンジンの操作をさせていたので、全員スムーズに扱える様になっていた。

明日も朝から訓練し、5日程度で卒業してもらおう。

デビッドが付きっきりとは言えあの短時間で単独飛行出来たのだから可能だろう。

あ、メンテナンスついでに国軍旗とチームのマークも付けてもらおう。

図案は俺が描いた物に色付けして使ってもらい、両翼端の下面に付ける。

ついでに「スカイコンドル」のチーム名も少し小さめの文字でマークの横に入れてもらおうかな。


さて、スタッフに複座1号機の改良もお願いしておこうかな。

色々実験的なこともしたいしな。

エンジンも最新型に換装し、コントロールバーも複座対応にする。

前後バランサーも付けてフェアリングやウィンドスクリーンも付けよう。

三角翼の前縁にはミスリルの導線を張り巡らせてウィンド系魔法の発動を容易にしたいし、車輪にはブレーキを追加だな。

ついでに翼面には防水処理もしてもらおう。

旗布は雨に打たれると水を吸って重量が劇的に増える。

いきなり墜落することはないだろうが、かなり操縦が困難になると思うな。

更に骨組みを追加して布で翼断面を付けてもらおう。

これは三角翼の骨組みの内側に傘の小骨の様に張力で湾曲した細いリブを並べ、それに旗布をピンと張って被せることで山なりになる様にするのだ。

その下にも旗布を水平に張ることにより、2枚の旗布で翼断面が出来る。

これにより単なる一枚布の翼よりも格段に空気抵抗が減って揚力が増す。

擬似的な固定翼機になるのだ。

重量増加とのトレードオフになるが、翼面が安定してしるから最高速度も増すはずだ。

ならば次はコントロールバーを廃して乗席を翼に固定し、尾翼と動翼を付けるか。

前世でもウルトラライトプレーンでそういう構造の機体があったな。

うーん、そこまでするのならいっそのこと一から作った方が簡単かな。


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