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魔法使いは自衛隊で無双したい  作者: 賽の目四郎


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72◇報告

72◇報告

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モーガン中将は副官2人と俺達を連れ、昨日も行った国軍本部の元帥の部屋の前に到着する。

またもや中ではがなり声が聞こえていたが、今度は数回ノックをしただけで「入れ」と返事があった。

中将が中に入ると元帥が待ちわびた様に俺達を招き入れる

中将がデビッドから受け取った5枚の受領証を元帥に渡すと、封を手で破って全てテーブルの上に置き、端から眺めていった。

全ての駐屯地から指示通りに出兵されていることを確認すると、元帥はやっと安心した様な表情でどっかりと座った。

俺達にも座る様に促し、部下に紅茶を人数分用意する様に指示する。


「ごくろう、ごくろう。少し疑っていたが、本当に全てに指令が届くとは。これで今後の戦い方が変わるな。まぁ今回の隣国の兵力が300のままであったら防げるが、それ以上になるとまたもや指令を送る必要がある。また、現地の情報をどうやって知るかの問題もあるな。やはりその小僧、いやマーティン・ランバートと言ったか、その方の飛行装置が数多く要るな。どうだ、すぐに作れるか?」


「はい、材料さえあれば王都学園の工作部と魔石部の共同作業で今回の機体の量産は可能です。図面はありますし、彼らは一度これを作っており、複製することになるので次からはさほど時間はかからないかと。」


ひょっとしてもう作り始めているかもしれないな。

スカンクワークスは俺がボスだが、国軍情報部がスポンサーなのでそれくらいは察して勝手に動いているかもしれない。


「では本件は情報局の管轄なのでモーガン中将に命じる。偵察用の今回と同じ飛行装置を最短で3機製作し、同時に飛べるようにせよ。指示書は追って発行する。」


「はっ。了解しました。情報局の管轄で王都学園の中に開発部を新設していますので、そこに直ちに指令を出します。」


無茶ぶりだが、工作部や魔石部の連中大丈夫かな?

それより操縦士をどうしよう。

やはり複座の後席からでも操縦出来る様に改造し、俺が教官で同乗するしかないか。


その日は情報局のゲストルームに宿泊し、次の日の早朝に魔石ジェットエンジンの魔力を補充して学園に向けて飛び立った。

鞄には昨日元帥から発行された指示書が入っている。

中将からも補足で、費用と人員についての情報が書かれた連絡書も入っている。

費用とは、量産にかかった全ての費用は人件費も含めて情報局が負担する。

人員については追加の3機に搭乗する操縦者候補を6名送るという内容だ。

俺が6人とも訓練しないとならないな。


数分飛行して王都学園の裏山麓の格納庫に到着すると、昨晩連絡が行っていた様で扉を開けてエドモンドが待っていた。

着陸して停止すると先にデビッドが降りて機体を支える。

今日はちょっと風が強いので煽られてエンジンを停止させても動いていたからだ。

車輪にブレーキが要るな。


「やぁ、マーティン。大活躍だったそうだな。昨晩情報局から連絡が来て驚いたぞ。」


「そうなんだよね。最初の国境偵察で隣国の兵力集結をうっかり見てしまったんで、それを報告すると国軍司令部はえらい騒ぎになってね。次の日の早朝から5箇所の駐屯地に兵力集結の指示書を持って行く羽目になってしまったんだよ。」


「それで2日も帰らなかったんだな。でもまぁ無事に帰って来て何よりだ。」


「それでね、国軍から追加発注があったんだよ。」


俺が2枚の指示書を見せるとエドモンドは顔をしかめた。

だが、スポンサーが情報部で人件費を含む費用を全持ちだと知ると嬉しそうな顔をした。

これで魔石部でも工作部でも大きな顔をして指示出来るからだろう。


「現在のスカンクワークスの状態はどうなんだい?」


俺が聞くと、待ってましたとばかりに格納庫の奥に案内する。

そこには完成した複座機が鎮座しており、独自の改良が施された様で俺の乗っている機体とは細部が異なっていた。

操縦者に立候補する者が誰一人居ないので、試験飛行はまだだそうだ。

そりゃー俺がガンガン飛んでいるとこを間近で見ているのだ。

あんなアグレッシブな飛行を見せたら腰が引けるか。

俺としても下手に勝手に飛ばれて墜ちて死なれると寝覚めが悪い。


「うん。さすが工作部。目の前に新技術があったら自分で作って改良しないと気が済まない様だね。」


「そうなんだ、工作部のモーリスがはっちゃけて、自分で乗りもしないのに材料があるからもう一機作るぞーっと周囲を巻き込んで作ってしまったんだな。魔石ジェットエンジンも魔石部が協力して更に効率が上がったぞ。」


「それは凄い。どれくらいの上昇率?」


「直径を1.5倍にして魔石の数を増やし、噴出口の直径をレバー操作で変えられる様にしてあるらしい。荷車の重量計で垂直推力を計ってみたところ、さっき飛んでいた機体のエンジンの2倍だとさ。しかも魔石の魔力消費も抑えられているそうだ。」


うん。

早速やられた。

俺の思っていたことを先に実現されたので悔しさ半分、嬉しさ半分だな。

でももうそろそろ次の目標に向かいたいので、モーターハングの量産は全任せでいいかも。

その内誰かが勝手に固定翼機に移行してくれ、将来的には10人乗りくらいのビジネスジェットなんかも出来たらいいな。

まぁ軍部がスポンサーなんで先に爆撃機だろうが。


格納庫に複座機を収納し、扉を閉めて学園に行く。

スカンクワークスの部室は既にスタッフの喧噪で溢れていた。


「そこの主翼の桁の構造の耐久力を保持したままでどこまで軽量化出来るか調べろ!」


「コントロールバーの操作をもう少し簡単にならないものか?」


「魔石ジェットエンジンの効率はこれで限界なのか?」


などと言い合っている。

俺がデビッドと部屋に入ると皆が一斉に振り向き、


「ボス、お疲れさんでした!」


と合唱する。

ここはヤーさんの事務所か。

俺は格納庫の複座2号機について聞く。


「今朝格納庫に降りてみたらもう一機あって驚いたよ。色々改良もしてくれたんだって?」


「そうなんだよ、俺達も複座1号機は突貫で作ったんで色々不満があったんで、皆で意見を出し合って2号機を作ったんだが、勝手に作ってまずかったか?」


工作部のモーリスがちょっと後ろめたい様な表情で言うが、俺は逆にそれを褒めて追加で同じ仕様の機体を2機作ってくれと言う。

軍部からの2枚の指示書を見せ、色々な制限が取っ払われると知ると歓声を上げた。

周りのスタッフが集まり、モーリスがその説明をすると部室全体が歓声に包まれた。


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