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魔法使いは自衛隊で無双したい  作者: 賽の目四郎


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51◇学園二週目

51◇学園二週目

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さて、今日の朝も昨日の興奮が覚めやらぬ様で早めに起きてしまった。

いつもの様にアンナが威勢良く俺の部屋に入ってくる。

昨日は夜明け前に起きてコーヒーを堪能していたのでアンナとはダイニングで会って驚いていたな。


「さてさて、今日はマーティン様はどーかなー?」


さすがに3回目ともなるとアンナも驚いてはいなかった。


「やぁ、おはよう。今日もいい天気だね。そして君はいつも綺麗だね。」


少し変えてみるとまたもやアンナはちょっぴり頰を赤くする。

前世のラノベ定番文句だ。

面白いな。

まぁそう言ってくれる男が周りに居ないから仕方が無いかな。

執事や調理師が言うわけないし。

ましてや護衛はもっと無愛想だし。


アンナに着替えを手伝ってもらって朝食に行く。

叔父のカイルに昨日と一昨日のことをざっくりと話す。

勿論、肝心の俺自身の機密に関することはぼかして言う。


「叔父上、昨日はどうもありがとうございました。おかげさまで城下の店で丁寧に扱って貰えました。」


「それは良かった。君の役に立てたなら兄上にも良い顔が出来る。それで費用の方はどうなんだい?」


「問題ありません。全て私の個人口座から出しています。まだまだ余裕はあるのでご心配なく。」


「それで、目的の物はあったのかい?」


「はい、だいぶ進歩しました。工房には発注しましたので2日後くらいには届けてくれるはずです。他に魔石を買い込んで色々実験もしていますので、後ほどお見せします。」


「それは楽しみだね。兄上が手紙に繰り返し書くはずだ。」


俺は詳しいことは学園から帰ってからということにして、叔父と一緒に食後のコーヒーを堪能した。

叔母のエメリーや娘のオリビアはそれを見てちょっと引いていたが、男二人のすることだと半ば無視してくれた。



王都学園には8時半より少し前に出発し、20分で着くので9時からの授業には十分に間に合う。

今日もデビッドとザンドを伴い、王都学園に出発した。

最初のうちはアンナも連れて行っていたが、学園ではあまりにもすることがないので叔父宅でメイドの仕事をする様にして貰った。

アンナもその方が暇を持て余すよりも気が楽だと言う。

叔父宅も無償で使えるメイドが一人増えたので今まで出来なかった繕い物や刺繍が出来ると喜んでいた。

叔父宅メイドは二人とも裁縫刺繍が得意らしく、叔母のエメリーと娘のオリビアと一緒に色々作っていた。

アンナは元気だけが取り柄の様で、刺繍はしたいとは言わず掃除に励んでいた。

不器用なのかな?


学園に着くといつもの4人が教室で出迎えてくれた。


「やぁマーティン、どうした目の下にクマを作って?」


「ホントだ。目もちょっと眠そうだし。」


「何か夜更かしでもする面白いことがあったのかい?」


「儲かることでも見つけたの?」


ジャン、ジャネット、ジャック、スカーレットに次々に聞かれる。


「そんなに一度に聞かれても答えれないよ。少し眠いのは確かだけど、やる気は満々だな。」


俺はそう返し、今やっていることの概略を説明する。

光る魔石は広く知られているので、隠すようなことでもないし。


「今、光る魔石の研究をやってるんだ。これの到達距離を伸ばすにはどうしたら良いかなんだけどね。」


「光る魔石ってあれだろ、ダンジョンに潜っていてタスケテーって光らす奴。」


「家では執事の呼び出し用に使っているな。」


「私のところでは商店と倉庫の呼び出しに使っているわね。」


「どの様にして使っているのかな。単純に呼ぶ以外に使っているのかな?」


「私のとこのは呼び出す人の振り分けにちょっと工夫しているわ。光らせる回数に応じて、3人居る誰を呼び出すか決めてるの。」


「僕のところでもそうだな。執事を呼ぶのとメイドを呼ぶのでは光らせる回数で使い分けてる。」


やっぱり原始的な情報伝達はあるんだな。

まぁこれはノックの回数や狼煙の本数みたいなものか。

単純な決め事にしか使っていない。


「君たち、光る魔石の光らせる回数や長さで言葉を伝えようとしたことはないかい?」


俺が尋ねると4人とも首をひねる。

どうやら理解出来ないらしい。


「たとえば、初めに3回素早く光らせたらメイド宛て、次に1回長く2回短く光らせたら自分の部屋にお茶を持って来い、など。」


「え、そんなことしないな。呼んで来たら口で伝えればいいし。面倒な決め事はする方も受ける方も大変だろ。」


うーん、そんな認識か。

なら文字列を伝えるなんて更に論外だな。


「実は今その光る魔石を使って文字を伝えられないか考えていてね。その使い方を色々模索しているところなんだ。」


「それ、何に使うんだい?」


「さっきのダンジョンでの救出依頼でも使えると思うんだ。例えば救難を求めている階層を伝えられれば救出する方も素早くその階層に辿り着けるしね。違う階層を探して時間がかかるのも、同じ階層でも見逃されるのも防止出来ないかい?」


「確かに。そういう使い方も考えられるのか。でも階層の数をどうやって伝えるのかい?」


「階層が少なければ単純に階層の数だけ断続して光らせ、少し間を空けてまたその数光らせれば階層数が伝わるよね。階層の数が多くなると一工夫して、最初に10の桁の数字の回数光らせ、次に1の桁の回数を光らせる。次に長く光らせて区切りとし、再び同じ様に2桁の数字を伝えられれば99階層まで確実に伝えられると思うんだが。」


「あー、そうやっている冒険者も居るって話しは聞いたことがある様な。うろ覚えなんで担任か剣技や魔法担当の教師に聞いてみてはどうかな。」


「うん。いずれにしても光る魔石について聞こうとは思っていたんでその使い方も聞いてみるよ。」


俺は礼を言って席に着くと担任のショーンが教室に入ってきた。


「さて、今日は魔法の原理について話そうと思う。皆は魔法を少しは使えると思うが、どうやって発動する?」


「私は魔法用の杖を手に持ち、教えて貰った呪文を唱えて発動しています。」


「俺は杖なしで呪文だけで発動するな。だけど杖があった方が威力は上がる。」


「僕は杖があると短縮詠唱が出来ます。逆に杖が無いと短縮詠唱では発動しません。」


教室の前の方の生徒が答える。

ショーンは右手の人差し指を上に向け無言でファイアの火を灯す。

一旦消し、今度は普通の声で「ファイア」と言うと、先ほどの3倍くらいの炎が立つ。

再度消し。「この世の神よ、我にこの魔力と引き換えに魔法の発動を助けたまえ、ファイア」と言うと更にその2倍くらいの巨大な炎が立った。


「この様に、簡単な魔法なら無詠唱でも発動出来ます。但し、その便利さと引き換えに消費魔力の増大、制御の困難さ、不発などの悪影響が顕著に出る様になります。従って、無理に無詠唱をする必要性は無いので、この学園での授業では無詠唱は禁止とします。」


おや、俺の日常とかなり違う様だな。

俺は自分一人の時は基本無詠唱だ。

声に出さなくとも前世のアニメを見ていたおかげか、魔法のイメージは脳裏にはっきりと浮かぶ。

声に出すと少しだけ補強されるけど誤差みたいなもんだ。

だが、人前では短縮詠唱はする様にしている。

なによりも、突然無詠唱でデカい魔法を撃つと周りが驚くしな。

危険防止の意味でも指さし確認代わりに短縮詠唱をしている。


「この世の魔法は各人が持っている魔力の中の「魔素」に働きかけ、頭の中で思い描いた状態に移行させる為の手段です。その為、いかに頭の中に明確な魔法の状態を思い浮かべられるかが魔法の発動の条件になります。詠唱を併用することで自分の心の中に絵本や資料などで見た明確な状態を思い浮かべられる様になることで発動し易さや威力が増します。「言霊」とも言われる魔法を補助するしくみが魔素には備わっていると言うのが多くの研究者の見解ですね。」


燃料添加剤みたいなもんか。

ガソリンだけでも走るけど、ニトロメタンを添加すると馬力ががっつり上がるのと同じかな。

俺のが何故あまり変わらないのかは不明だけど。


「また、空気中に漂っている「魔素」も広く集めれば素早く自身の魔力回復に使えますし、他人と手を繋いで「魔素」を譲ってもらうことも出来ますね。これも明確な状態を思い描くことが大切ですが、少し難易度が高くなります。」


そうか。

今まで一晩寝ると魔力が回復していたのは空気中の魔素をかき集めて充電していたのか。

いや、魔石を手に握って魔力を充填出来ることを思うと、大きな魔石を持っていれば魔力切れになっても急速充電出来るってことだな。

人からも魔力を貰えるってことは双方向のモバイルバッテリーみたいな仕組みになっているのか。

それよりも、空気中の「魔素」を強制収集出来る魔法があるってことだよな。

強力な掃除機で床に撒かれている米粒みたいな「魔素」をガッと吸い上げるみたいなもんか。

これは是非覚えよう。


この後、短縮詠唱のファイアと新たに指導された「魔素収集魔法」を繰りかえし練習させられた。

ハイランドクラスということもあって、基本的な魔力量が無いと指導に耐えられないとのことだった。

数日程度では殆ど変わらないが、数ヶ月続けると自分でも魔力量が上がったのが感じられるらしい。

要は、短縮詠唱のファイアを撃てる回数だな。

魔力量の7割消費くらいからちょっとしんどくなってくるので、それが遅くなるってことだ。

担任のショーンも自宅や寮に帰っても安全な場所で自主的に練習するようにと言っていた。

暫く練習したら学園内の教会でステータスを見れば練習の成果が分かるので時々行くようにとも言う。

俺は教会は不要なんだが、全く行かないと不審がられるのでたまには行くようにしよう。


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