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魔法使いは自衛隊で無双したい  作者: 賽の目四郎


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47◇叔父宅

47◇叔父宅

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授業は午後4時には終わる。

俺は優秀なので課外授業などというものには無縁だ。

ジャンは魔法が少し不得意で、授業中も俺が度々アドバイスしていた。

それでも足りなくて、教師のセリナから課外授業を毎日1時間受ける様に言われていた。

ジャックは魔法は得意な様で、俺と同じく魔法の授業は易々とこなしていく。

ジャネットとスカーレットも魔法はまぁまぁこなしていたので課外授業はジャン一人であった。

ジャンは「つきあえよ~」と言っていたが、付き合う義理も意味も無いので「がんばれよ~」と声をかけてさっさと退散する。

下手に一緒に居て、サリナに見つかると色々と面倒だからだ。

彼女は俺の魔法に興味がある様で、なにかにつけ絡んで来る。

俺から見たら完全におばさんなんで、絡まれてもうれしくないのでさっさと逃げることにしているな。

こんな時に前世の35歳だったという年齢は無関係だ。

この1年で13歳という今の年相応の感性になった様なので、年上はアンナくらいが限界だな。


そして向かうのは学園の図書館だ。

独立した建物でかなり大きい。

だが、いくら探しても司書に聞いてもステータス関連の魔法の本は無かった。

アイリスが教会の神像とステータス関係を知っていたので今度聞いてみよう。

ひょっとしたらハンスも知っているかもしれないな。

一刻も早くステータスを隠す隠蔽魔法を習得しないとヤバい。

サリナは俺に散々絡んでいるが、不審な顔をされたことは無かったので他人のステータスは見られないと思う。

だが、もっと魔法の練度が高い教師が居る可能性もあるので、一刻も早く隠蔽魔法は習得したい。



俺は叔父宅に一部屋与えられ、アンナは他の2人のメイドと共同部屋に、護衛のデビッドとザンドは2人で一部屋割り当てられた。

叔父宅は2階建てのそれなりに大きな屋敷で、部屋数も15くらいある。

執事1人、メイド2人、調理師1人、御者兼雑務1人、護衛2人の合計7人を雇っている。

執事とメイドと調理師は住み込みだが、他の3人は同じ地区内の管理組合からローテーションで通っている。


執事と調理師、メイド2人でそれぞれ一部屋に住み込んでおり、そのメイドの部屋にベッドを一つ持ち込んでアンナの住む所とした。

メイドの部屋はある程度余裕があるので、4人までなら住める様だ。

執事と調理師は同い年の友人らしく、仲が良いとのことだった。


叔父とは平日の夕食後に彼の執務室に同行し、部屋のメイドを追い出して密談をしていた。

父親からの親書でかなりのことは知っている様だが、俺のスキルを実際に目にした訳ではないので半信半疑だった。

それで叔父用に9mm拳銃と9mm弾を召喚して見せた。


「自衛隊魔法、ランク1召喚」

俺はランク1武器の「9mm拳銃」をタッチで選択して召喚呪文を唱える。

目の前の床に淡い光と共に9mm拳銃が召喚される。

続けて9mm弾も召喚すると50発入りの紙箱が2個現れる。


「叔父上、これが父から説明があった、私が最初に召喚した「魔拳銃」という武器です。この握り手の中に9個の「魔拳弾」が入り、続けざまに9発発射出来ます。」


俺はそう言って、過去に父親に説明した様に分解も交えて叔父に説明する。

叔父はこういう機械物にも詳しい様で、構造や動作原理についても色々聞いてくる。


「マーティン、これはどんな時に使う武器だい?」


「はい、主に護身用ですね。人に向かって撃つと頭か胴体の中央部に当たれば殺せるくらいの威力があります。逆に手足に何発か当たったくらいでは死なないですね。」


「それは魔法ではないと聞いているんだが、どういう理屈で次々と撃てるのかな。」


「最初に便宜的に「魔拳弾」と言っている礫を飛ばすための要素が固められた物の説明から始めます。まず、この金色に見える円筒形の部分の中が空洞になっており、中に発射薬という点火すると急速に燃える物が入っています。その先に嵌まっている銅色の丸い部分が相手に向かって飛んで行き、当たるとかなり大きい損傷を与えます。だいたいアースバレットの10倍くらいの威力ですね。」


「それはちょっと盛り過ぎではないかな。こんな小さな銅の塊が飛んで行ったとしても、拳大のアースバレットの10倍も威力があるなんて信じられないな。」


「疑念はごもっともです。先ほども言いました様にこの魔拳弾は魔法を一切使っていません。純粋に物が爆発的に燃える力を利用して銅の塊を撃ち出しているものです。そして、それを可能としているのがこの魔拳銃の頑丈な構造です。こちらも魔法は一切使っておらず、全て頑丈な鋼鉄から作られています。鍛造の剣のもっと丈夫な物と思っていただければ。この鋼鉄の機構の中にこの魔拳弾を入れることにより、強力な爆発に耐えて銅の弾を高速に撃ちだすことで威力を得ています。」


「では、実際にそれを使っているところを見せてくれないか。この屋敷の地下には倉庫と共に魔法の訓練室がある。そこなら多少の爆発は問題無いんでね。」


初耳である。

叔父は少しオタクなところがあって、魔法専門ではないが魔法を色々試すのを趣味としているらしい。

屋敷内の図書室にはその手の本がかなりあり、ここ数日で見せて貰っていた。

まさか地下にそんないい物を持っているなんて。


「いいですね。やはり説明するには実際に使ってみないと疑問が解けませんもんね。」


俺はそう答え叔父と共に地下に降りる。

地下の倉庫の横を抜け奥の扉の鍵を開けると、その奥にもう一つ扉がある二重構造になっていた。

ドアに掛かっている札を裏返して「使用中。用事がある場合は紐を引いてベルを鳴らすこと」と書かれた面を表にする。

もう一枚の扉はかなり厚みがあり、薄ら魔力を帯びている様だった。

広さは奥行きが10m、幅が4mくらいある。

12畳間を縦に二つ繋げたくらいだな。

高さはそれほどなく、2.5mくらいだった。


「この内側の扉と室内は耐魔法耐衝撃コーティングされ、それに接続されている魔力供給魔方陣の魔石を起動すると内側からの攻撃にはかなりの抵抗力を出すんだよ。並みのアースバレットくらいなら十分耐えるな。」


「それは凄い。ファイアボールやライトニングショットも耐えますか?」


「程度問題だな。まぁ学生が放つ攻撃魔法程度なら余裕と言っておこうか。」


俺はそれを聞いてちょっと指が疼いた。

13歳になった俺の攻撃力は950ある。

学生の攻撃力はハンスに聞いたところでは多くても500くらいなのでその倍あるな。

それでも9mm拳銃よりは威力は無いと思う。

連射するとあっという間に魔力が尽きるし。

まぁ今は俺の魔法を試す時ではないので9mm拳銃に集中しよう。


地下室に入り、入り口のドアを二枚とも閉める。

ドアの隙間から細い紐を通してあり、外から引っ張ると中のドアベルが鳴るので用事がある時は必ずそうする様に徹底されているとのことだ。

魔法を連射中に急にドアを開けると大惨事になりかねないからな。


部屋の中のテーブルに9mm拳銃と9mm弾を置く。

9mm拳銃のマガジンを抜き、9mm弾を9発詰める。

マガジンを9mm拳銃に装着し、スライドを引いて戻す。


「では、部屋の向こうにある的に向かって撃ちます。的の後ろはどうなっています?」


「心配無用だ。アースシールドで3重に弾止めの壁を作ってある。」


俺はそれを聞いて安心し、ウィンドエバキュレーターを強めに掛けて9mm拳銃を3発撃つ。

直径1mくらいの丸い的の中央付近に3個の弾痕が空き、空薬莢が宙を舞って床でカラカラと音をたてる。

叔父のカイルは思ったよりも音が大きかったのでかなり驚いていた。

俺のウィンドエバキュレーターはかなりの効力を出すようになっていたが、それでも9mm拳銃の発射音はバケツに入れて伏せた爆竹程度には響く。

魔法のアースバレットなどの発射系は発射時に小さい音しかしないので、立て続けに響いた発射音にはかなり驚いた様だった。


「すごい音がするな。先ほどウィンドエバキュレーターを発動していた様だが、それが無いともっと音は大きいのか?」


「そうなります。室内でアレ無しで撃つと、暫く難聴気味になるくらいですね。試しにそのままで一発撃ってみましょうか。」


俺はそう言い、自室から持って来た予備の耳栓を叔父に渡して自分も耳栓をする。

再度的に狙いを付け、一発だけ撃ってみる。

やはり至近距離での9mm弾の発射音は強烈だ。

それに輪を掛けて細長い部屋なので反響が響いて長い残響があった。

叔父は今度こそ驚いて数歩下がっていた。


「これでいかに発射時の力が大きいかが分かると思います。」


「なるほどな。アースバレットとは原理が全く違うという訳だ。」


俺と叔父は的の方に行き、弾の当たった跡を見る。

的の中心辺りに綺麗に丸く抜けた穴が3個あった。


「まるで見えない矢で撃ったみたいだね。こんなに綺麗に抜けているなんて。」


「矢の刺さった跡とはちょと違いますね。矢はその軸の太さで刺さった跡も穴を保持しますが、魔拳弾は弾の速度が速いので弾が抜ける時に的の表面を引き千切って丸い穴を残すのですよ。」


矢は速度がいくら速くても100m/secには達しない。

強弓と言われる物でもせいぜい80m/secくらいだ。

しかし9mmパラベラム弾の初速は音速の340m/secを優に超える。

これが弾丸の重量が軽くても威力が出る理由だな。

叔父には魔拳弾はおよそ弓の3倍以上の速度が出ると言うと驚いていた。


「弓は飛び道具としては優秀ですが、使う人の訓練が大変です。また、訓練しても誰もが弓の名人になれる訳ではありません。しかしこの魔拳銃はある程度の訓練をするだけで、弓の名人以上の成果を出せると思います。」


「うーむ。それなら私もひとつ欲しいな。これ、私にくれないか?」


「そのつもりで出しました。使う時は必ずウィンドエバキュレーターを併用し、この部屋以外では使わないことをお願いできますでしょうか。また、ご家族にも秘密にして頂けると助かります。」


「それは兄上からも必ずと言われているので安心して欲しい。妻にも子にもここには入るなと言ってあるしな。」


俺は魔拳銃と魔拳弾は俺のスキルでしか出せないことをまず言い、次に固い物に当てると跳弾と言って撃った弾が跳ね返って自分に当たる場合もあるから撃つ物は十分に注意すること、決してこの部屋から出さないことを約束させて、9mm弾200発、スペアマガジン2個、ホルスター付きガンベルトも出した。

これだけ出しても使用魔力は300以下なので、俺の魔力もずいぶん余裕が出来たなと少しだけ感慨にふけっていた。


「魔拳銃について、私の護衛の二人は魔拳銃は上着の脇の下に常に携帯しています。これも内密にお願いします。もし他人に咎められたらこれは殴る武器だと言い訳する様に指示してありますので。」


「確かに、途中で曲がっている鉄の塊だから殴打系の武器と言っても通るな。」


「実際、護衛には弾切れ時にこれで殴る訓練もして貰っています。普段は銃には弾を入れない様に言ってあるので、たとえ奪われて色々操作されても発射されることはないでしょうし。」


「色々大変だな。今はまだ公になっていないから静かだが、これからランバート領から騒がしくなるだろうな。」


「そうですね。あちらにはもう私が居なくとも色々出来る様には指示してありますので、来年くらにはかなりの騒ぎになるかと。あ、そうそう、この部屋で魔拳銃が撃てるのなら、私と私の護衛の二人も訓練させて貰えませんでしょうか。」


「それは勿論。いつ訓練しても良い様、この部屋の鍵の複製を作っておこう。君の護衛の二人の分もね。」


うん、これでいつでも9mm拳銃をぶっ放して気晴らしが出来るな。

デビッドとザンドもここに武器を集積しておけばいつでも出撃出来るしな。

そういうことで、この部屋に鍵付きの武器庫を作る様に叔父に打診する。

将来的にこの屋敷の地下室をランバート家の第二の武器拠点としたいとも話す。

およそ縦横1m、高さ2mくらいの鉄の箱で、頑丈な鍵を付けられることを必須とした。

前世のガンロッカーと似たようなものだな。


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