表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法使いは自衛隊で無双したい  作者: 賽の目四郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

43/75

43◇王都学園

43◇王都学園

=============================


マークと魔法組の3人とハンスに89式の訓練を繰り返しつけ、何とか自律戦闘出来る程度にはなった。

魔の森116番ゲートにも行って魔獣相手に実地訓練をする予定だとか。

あれから上位魔獣は降りて来ていない様だが、行く時はバレットM95を1丁持っていくように忠告した。

89式が5丁あってもブラックタイガーは少々厳しいだろうし。


後は俺がどれだけ5.56m弾の在庫を増やせるかだ。

日産800発=魔力1280で毎日量産し、20日で16000発まで召喚した。

これで以前量産した10000発と合わせて26000発となり、一人当たり1300発の在庫となる。

これなら一般護衛の訓練に一人当たり800発は使えるな。

とりあえず各人500発もあれば俺が居ない間は持つだろう。

上位魔獣に対しては89式は少々力不足で難しいが、普通の魔獣なら頭を狙えば十分に有効だしな。

まぁ上位魔獣でも10人以上で一斉に連射すれば89式でも一定の効果はあるだろう。


魔道銃の開発予定は完全にマークとハンス、ガーソンに移してある。

魔法組も勿論協力する。

出来るだけ早く量産化し、王都で権利を取得して専売権を得る。

発火魔石の供給をキーとし、販売制約を破ったら供給を停止することを契約に入れ込む。

魔道銃に使って十分威力のある品質の良い発火魔石はランバート領に面した魔の森からしか採掘出来ない。

これを独占することにより、魔道銃をコピー生産されても他国などで好き勝手に軍備されることをある程度防止出来る。

但し、これを強気でやると敵が増える。

王家直属軍は魔道銃の優先販売や税金の納付額を増やすなどして利害の一致を計ればある程度は御せる。

王都在住の叔父のカイルも全面的に協力してくれるという確約を貰っている。

だが他の貴族領などは隣の芝生は青く見えるであろうから、やっかみやら自領の不利益やらを盾にしていちゃもんを付けて来るだろう。

王家を優先して抱き込むことによりある程度は抑えられるだろうが、有力貴族は無茶振りをしそうである。

彼らが武力行使で迫って来ることも考慮して、護衛の89式装備を調えたんだ。

半年ごとに帰省するだろうから、領兵の選抜30人用の89式もその時に何回かに分けて召喚することになりそうだ。

まぁ弾は少なめ、訓練も少なめにするからそう負担は無いだろうが。


―――――――――――――――――――――――――――――


12月、俺は13歳になった。

去年の事故で一年遅れたが、来月王都学園に入学する。

王都には祖父母の住んでいたランバート家の王都屋敷があるが、王都学園までは馬車で2時間近くかかるので通学は困難だ。

そこで王都学園から馬車で20分の距離にある叔父の屋敷に居候し、そこから通うことになった。

兄のマイケルは本人の希望で王都学園敷地内の学生寮に入っているとのことだ。


ぎりぎりになってやっと王都学園に入学の準備を終え、同行する護衛のデビッドとザンド、メイドのアンナと共に屋敷の玄関前に整列した。

デビッドは魔法組の一人で、俺の王都での魔道具開発のサポートもする。

ザンドはマークの部下の班長で、剣の訓練の時によく相手をしてくれた。

アンナは言わずと知れた俺専用のメイドである。

寝坊したり身だしなみが悪かった時はちゃんと叱れる姉の様な存在なので頭が上がらない。


荷物は既に馬車に積み込んである。

馬車はチャーターの様で、御者席には30歳くらいの男が座っていた。

護身用として9mm拳銃はホルスターを改造してショルダータイプとし、上着の下の左脇に俺と護衛の2人は吊っている。

スペアマガジンも各2本、コートのポケットに分散して入れてある。

89式も3丁を厳重に荷造りして衣類の下に隠してある。

9mm弾は各100発、5.56m弾も各100発入れてあるな。

まぁ足りなくなったら俺が召喚すればいくらでも補充出来るしな。

そんなことにならない様に気をつける必要はあるが。


「マーティンよ、ついに王都学園に行く日が来てしまったな。本当ならあと数年はこちらに居てほしいところだが、貴族家の次男という立場ではカルダナイト王国法に従わざるを得ない。まぁ今までにかなりの技術移転をしてくれたおかげで、こちらの人員だけで何とか進められそうだ。それには感謝しておる。」


「父上、ありがとうございます。こんな記憶も飛んだ次男に良くしていただいて私こそ感謝しかありません。今までに出来る限りのことはしたつもりですが、まだまだ不備もあると思います。幸い伝書鳩便が使えますので、緊急時にはご連絡いただければすぐに駆けつけます。」


「うむ。そうして貰えると助かる。どうしてもの時は護衛の2人に馬で駆けてもらうかもしれん。交互にお前と二人乗りし、予備の馬も連れて走れば3日もあれば着くだろう。」


うわー、それはキツいな。

馬車でもしんどいのに馬上で抱えられて一日中走るなんて想像しただけで足が震えるな。

うん。

王都とランバート領を一日で行く方法を何か考えよう。

魔法組のデビットも来てくれるんだ。

魔法で何とかやってみよう。


俺がよそ見をしながら妄想に浸っていると急に抱きつかれた。

母親が目に涙を溜めて頬ずりしてくる。


「マーティン、元気でね。馬車にはくれぐれも気を付けてね。王都ではひっきりなしに馬車が走っているから心配なの。」


「母上、さすがに私もこの一年で進歩しています。既にアシスト系の魔法はかなり使える様になっていますので、以前の様な無様な真似はしないとお約束します。」


俺はそう言い、ゆっくりと振りほどいた。

母親の後ろに隠れていた妹が出て来て目を伏せながら俺に言う。


「兄上、お気を付けて。」


やっぱりまだ気を許してくれていない様だ。


「うん、行ってきます。」


俺はそう言い、馬車に乗った。


―――――――――――――――――――――――――――――


ランバート領都から王都までは約500キロムだ。

一日約100キロムづつ進み、200キロム毎に一日休む。

これを繰り返してちょうど7日で到着する。


今は2日目でローバー伯爵領都に来ている。

ランバート領とは北側で接しているので父親どうしが親交がある。

そこで一日休む時にローバー伯爵屋敷に表敬訪問するスケジュールが組まれていた。

表敬訪問って言っても12歳の子供が訪ねるだけなので単なる顔繋ぎだ。

領主のアレックス・ローバーは父ジョージ・ランバートの王都学園時代の同級生で、かなり仲は良かったということだった。

俺も1回だけ会ったことがあるらしい。

4歳の頃だった様で、どのみち記憶に無いだろうから初対面みたいなもんだ。


「アレックスおじさん、お久しぶりです。と言いましても前回お会いした時は4歳だった様なので殆ど覚えていないので失礼します。」


「うむ。それは仕方が無いな。私も君が4歳の頃会ったことは覚えているが、もう8年も前だ。君も大きく成長しているので何も言われなかったら分からないかもしれない。」


「そうなるとお互い様ですね。あ、これ、父からよろしくお願いしますとのことです。」


俺は父親から与っていた包みをローバー伯爵に渡す。

伯爵が包みを開けると木箱入りのガラス瓶に入った酒だった。

かなり高級そうな造りで、それを見たローバー伯爵は相好を崩した。


「うむ。奴は分かってるな。私もこれが好きでたまに飲んでいる。いい補給だな。感謝したと伝えてくれ。」


伯爵は嬉しそうに瓶を書斎の棚に置いた。

そうして30分ほど近況をお互いに言って屋敷を辞した。

まぁ俺は銃関係は一切言わなかったが。


その日はローバー領の観光と称して、俺と護衛の2人とアンナをローバー伯爵家の執事が案内してくれた。

規模はランバート領より少しだけ小さいが、商店や露店の構成が違う。

魔の森に接していないせいか、冒険者協会の建物も少し小ぶりだ。

主な産物は農業と牧畜だと言う。

領地の西側に小さい山があり、鉱物もある程度産出するらしい。

ここで産出した鉄鉱石をランバート領は仕入れているとのことだった。


―――――――――――――――――――――――――――――


次の日、ローバー領都を出発して2日走り、次の休憩地は王都直轄領の宿場町だった。

ここでも一日休み、名物を食べ歩く。

俺が許可したら護衛もメイドも美味そうに食っていた。

当然俺も食う。


最後の100キロムを走破すると王都に着いた。

7日間掛かるのは仕方が無いなと思わせる旅程だったので、これを魔法テクノロジーで何とか克服しようと想像が暴走する。

まぁ今は入学式が控えているので思うだけなんだけどね。


王都に着くと、叔父のカイルの屋敷に向かう。

俺は叔父の屋敷に下宿させて貰うことになっていた。

兄のマイケルは希望して学生寮に入っているとのことなので叔父とはあまり会っていないらしい。

まぁ俺には護衛2人とメイドのアンナが付いているので学生寮は無理というのが一番の理由だが。

父親が俺のことを最大限に重要と思ってくれているのは嬉しいが、ちょっと窮屈かな。


「叔父上、お久しぶりです。一年前に私が馬車の事故に巻き込まれて入学が遅れました。そのことについて父上から聞かれていると思います。申しわけありませんが、記憶がありません。先ほどご挨拶しましたが、覚えていない失礼をご容赦ください。」


「うん、兄上には君のことはよく聞いている。くれぐれもよろしくと言われている。そして、君が重要人物になったことも。」


俺は叔父がどこまで聞いているか試してみた。

それによって今後の会話の内容が変わる。


「叔父上、父上から伝書鳩便で聞かれていると思いますが、私には特殊なスキルがあります。自衛隊魔法といい、異世界から武器や装備を召喚することが出来ます。」


「うん、それは聞いているよ。兄上からも王都で最大限の融通を効かせて欲しいとのことだ。開発した物の権利関係の手続きも私の手でやって欲しいと言われたな。」


「それに関しては一度情報の摺り合わせが必要ですね。今は入学式や学校行事で忙しくなると思いますので、落ち着いたらお話させてもらえませんでしょうか。」


「うん。願ってもないことだよ。私も兄上から全部聞かされている訳ではないのでね。」


その日と次の日は叔父宅で休み、その翌日が入学式だ。

通学用に俺専用の馬車が用意されていた。

簡素で軽量な造りで長距離を走る様には出来ていないが、スピードは出る様だ。

護衛2人とメイド一人と俺を乗せた上で武器を積む隠し扉も用意されている。

向かい合わせの4人掛けの中央の床に2分割の扉があり、決まった手順で四隅のボタンを押すと開く。

中には89式を4丁と弾薬を入れる程度の空間があった。

うーん、父親は何を考えているのだろう。

過保護というよりは自分で戦えと言われている様だ。


―――――――――――――――――――――――――――――


入学式の朝、いつもの様にアンナに起こされ支度をする。

叔父一家と朝食を摂り、王都学園に出発の用意をする。

叔父も王宮に連結された官僚事務所に出勤する用意をする。

叔父は東向きに出発、俺たちは西向きに出発した。

御者はデビッドとザンドが交互にするらしい。

西向きに馬車を走らせ、20分程度で王都学園の正門が見えて来た。


王都学園は王都の西の外れにある。

郊外といったところだ。

研究棟や実験棟があり、大規模魔法を心置きなく撃てる環境らしい。

うーん、俺も撃ってみたい。

まぁ1年生のうちは無理かもしれないが。


王都学園に到着し、正門の横にある受付で父親の書いた入学願書を渡す。

ランバート伯爵の正式な書面で、父親の捺印がしてある。

受付のお姉さんは受け取って書面の記載内容を手元のリストと覚しき紙と見比べていた。


「はい、確認いたしました。入学おめでとうございます。まずは新入生の手続きがありますので、この紙を持って書いてある地図に従って進んでください。学園生活に必要な教科書や文具をお渡しします。また、そこでクラス分けの簡単な試験があります。」


護衛の2人はここまでらしい。

学園入り口の横にある従者控え室で待つ様に言われた。

メイドは一人だけ同行を許可されたのでアンナは着いてくる。


「坊ちゃん、私の服装はこれで良いのでしょうか。」


「何か制服みたいなものがあるかもしれないな。後で聞いてみよう。それから今後は私のことはマーティンと呼んでくれないかな。いつまでも坊ちゃん呼びはちょっと恥ずかしいし。」


「はい、分かりました、マーティン様。」


うん。

いつか言おうと思っていたがやっと言えた。

マークやガーソンに坊ちゃんと言われるのは何とも思わないが、年の近いアンナに言われるのは前からちょっと恥ずかしかったし。


2分ほど歩くと地図に示してあった建物が見えてきた。

入り口の上に「入学準備棟」と書かれている。

そこに入り、入り口のカウンターに先ほど渡された紙を見せる。


「はい、マーティン・ランバート様ですね。お待ちしておりました。まずは筆記試験からさせていただきます。その間に教科書と文具をまとめておきます。」


受付のお姉さんは俺を別室に案内し、アンナはカウンターの横の椅子で待つ様に言われた。

別室は小さな教室の様な造りになっており、教壇の前には小ぶりな机と椅子が20組用意されていた。

中には既に5人くらい新入生と思われる年齢の男女がいた。

俺は教壇に立っていた教師と思われる男に空いている椅子に座る様に言われ、置いてある紙をめくって回答を書く様に指示された。

椅子に座って紙をめくると20問くらいの質問が並んでいた。

一番上に自分の名前を書く欄がある。

机には原始的な鉛筆が置いてあったのでそれで書く。

・この国のおよその人口を答えよ。

・この国の主な産業を答えよ。

・この国の東にある隣国の名前を答えよ。

・今、発動できる魔法を列挙せよ。

・今、使える剣技名を答えよ。

・税金について知っていることを列挙せよ。

その他、農業や牧畜、漁業、鉱業などの質問が続いた。

計算問題もあったが、まぁ小学校低学年の算数だな。

本当にこんな質問して意味あるのかと思うが、まぁ基礎学力と技量を知る為には仕方が無いのかもしれない。

俺は国の事と剣技については正直に、魔法についてはだいぶ少なめに書いた。

魔法については今の段階では手の内をあまり晒さない方が良いとハンスに言われていたしな。

スキルについても質問があったが、全て分からないと書いておいた。

自衛隊魔法なんて知られたらえらいことになるしな。


全部書き終えたら教壇まで持ってくる様にと黒板に書いてあったので提出し、次の部屋に案内される。

その部屋の内装は教会であった。

壇上に神像があり、その両脇に使徒の様な子供の像がある。

窓が天井に近い所に何カ所もあり、全てステンドグラスになっていた。

天井には魔道具のランプが付いていてかなり明るい雰囲気だった。

教会内には長椅子があり、筆記試験の終わった生徒が端から並んで座っていた。

順番が来ると紙と鉛筆を渡され、神像の前に跪かされる。

そして、その横に居る司祭が祝福の言葉を言うと神像がうっすら光る。

司祭に促されて自分の名前と年齢を言うと、目の前にステータスが現れるらしい。

本人にしか見えないので、渡された紙に自分で書き写す。

書き終わったら紙を司祭に渡し、隣の長椅子に移る。


俺の番が来た。

司祭が祝福の言葉を言うと神像が起動し、自分の名前と年齢を言うと神像と魔力的に接続された様な感触があった。

その直後に目の前にお馴染みのステータスが現れた。


「ステータス表示」(13歳1ヵ月)

「名前:マーティン・ランバート」,「年齢:13歳」,「性別:男」

「レベル:52」,「体力:840」,「魔力:2480」,「精神力:1030」

「攻撃力:950」,「防御力:850」,「素早さ:740」,「器用さ:1280」,「賢さ:1460」,「運の良さ:960」

「スキル:自衛隊魔法」

「スキル:粉砕魔法」


うん。

自前で出せるステータスと全く同じだ。

内容はスキル無しでも十分ヤバい。

俺はハンスから聞いて覚えていた13歳前後の平均値より少し高い値を紙に書き込んでいった。


「ステータス表示」

「名前:マーティン・ランバート」,「年齢:13歳」,「性別:男」

「レベル:12」,「体力:140」,「魔力:240」,「精神力:130」

「攻撃力:150」,「防御力:150」,「素早さ:140」,「器用さ:180」,「賢さ:160」,「運の良さ:260」


だいたい年齢相当の5割増しくらいの値だ。

ここであんまり遠慮しても実技になるとかえって怪しまれそうだしな。

貴族家なので家庭教師が優秀で本人も優秀なら過去にこれくらいの生徒は居たそうなので不審がられることも無いそうだ。

だが、王宮勤めクラスの優秀な魔術師になると、手持ちの魔道具で他人のステータスを勝手に見ることも出来るらしい。

そうなると俺のステータスは見られると非常にマズい。

13歳でこのステータスはある意味化け物だしな。

おまけに説明出来ないスキルもあるし。

学園に少し慣れたらステータスを偽装する魔法か魔道具を探そう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ