表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法使いは自衛隊で無双したい  作者: 賽の目四郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/75

35◇撃発機構

35◇撃発機構

=============================


さて、ハンスの射撃訓練への参加も父親の許可を貰ったことだし、鉛玉の工具が来るまでちょっとマンツーマンで指導しよう。

俺は9mm拳銃一式を召喚して籠に入れ、自分の分と合わせて治療棟に行った。


「ハンス、居るー?」


「はーい、居ますよ。」


気の抜けた返事をしたハンスはちょっと眠そうだった。

聞くと、昨日の俺の書いた撃発機構をあれこれひねくり回していたらしい。

それで夜更かしして眠いそうだ。

まぁ俺もやったことはあるので理解はするが。


「その撃発機構について、ちょっと題材になる物があるんだよ。」


そう言って、9mm拳銃を見せる。

椅子に座り、テーブルに置いて説明する。

マガジンを抜き、スライドを引いて装填されていないことを確認し、トリガーを引く。

カチンとハンマーが落ちる音がする。


「それって、撃発機構!」


「そう、もっと進化した撃発機構だよ。今日は私の秘密をもっと共有して貰おうと思って持ってきた。父上の許可は貰ってあるので心配無いよ。これは既にスティーブ、デビッド、ルークの3人には渡して訓練もしている物なんだ。」


「そう言えば隣の射場でパンパンいう音がしてますね。マーク隊長に聞いても答えてくれなかったのでそれ以上聞きませんでしたが。」


「それだよ。これは魔拳銃と言って、私の居た世界から召喚した銃なんだ。護衛の魔法組の3人とマークとミラーには魔拳銃と言ってあるけど、本当は魔法は全く使っていないんだよ。」


「詳しく教えてください。まずその撃発機構から!」


食いつきがすごいな。

さすが魔法オタク。

これは魔法じゃないけど。

とりあえずスライドを引いてテイクダウンレバーを下げ、スライドを抜く。

フレーム部だけにしてハンマーを起こし、トリガーを引く。

ハンマーがカチンと落ちる。

ハンスに手渡し、自分で操作させる。

10分くらい繰り返し操作していたな。


「この撃発機構を使ってどうやって弾を発射するんですか?」


ハンスにとって当然の質問だ。

今まで発火魔方陣やミスリルの伝導とかやって来たのにいきなり魔法無しのメカだしな。


「まず、私が前に居たと思う世界は魔法が無いんだ。その代わり、機械加工技術と電気の利用技術がものすごく進化している。それで魔法無しで魔法を使ったよりも遙かに高度な事が出来るんだよ。それの内の一つがこの武器だね。」


俺は9mm弾の箱から1発取り出し、ハンスの前に置く。


「これが私の目標だよ。この銅色の部分が発射される弾、この金色の部分が銃に残って内部で爆発させる筒、そして筒の後ろの真ん中にあるこの小さい金属の板が発火魔方陣と同じ働きをする雷管という部品だよ。」


9mm実包の断面図を書いて雷管の働きを説明する。


「どうやってその雷管を動作させるんですか?」


俺はスライドからリコイルスプリングをガイドごと外し、バレルも外した。

バレルのチャンバー部を見せて、貫通していることを示す。

9mm弾をバレルのチャンバー部分に弾頭から差し込む。

そのままの状態でスライドに戻す。

それだけでハンスは理解したみたいだ。


「それ、凄いですね。そんなに小さな構造で実現するなんて。」


念のため、最初から説明する。

9mm弾だけチャンバーから抜き、スライドをフレームに戻す。

マガジンに9mm弾を1発詰め、本体に入れる。

スライドを引き、内部に9mm弾が見える様にしてゆっくりとスライドを前進させるとスライドの遊底部が薬莢のリムを引っかけ、バレルのチャンバー部のスロープに沿って送り込む。

スライドを全部前進させると薬莢が見えなくなり、閉鎖が完了して発射可能となる。

この状態でハンマーが起きているので、トリガーを引くとすぐにハンマーが落ち、スライド内部に内蔵されている長い棒状の撃針が薬莢後部の雷管を叩くと内部の火薬が発火し、弾頭の後ろの推進薬と呼ばれる薬品に燃え移って大量の高圧ガスが発生し、弾頭を押しやってバレルの中を通過して発射される。

ここまで説明するとハンスは納得した表情をした。


いや、これからがセミオートマチックピストルの真骨頂だよ。


マガジンを抜いてスライドを引いて9mm弾を抜き、マガジンに3発詰める。

マガジンを戻してもう一回最初から説明を始める。

先ほどのハンマーが落ちる所の続きをする。

ハンマーが落ちて弾頭が発射されたとする。

するとその反作用で薬莢が後ろ向きに押されてスライドも後退する。

ゆっくりスライドを引くとエキストラクターに薬莢のリムが引っかけられてチャンバーから抜きだされる。

スライドを引き続けると薬莢のリムが奥のエジェクターに当たって薬莢が外向きに回転し、エジェクションポートから排出される。

ついでにハンマーが起こされる。

後端まで下がったスライドはリコイルスプリングの力で前進する。

途中で再び遊底部が薬莢のリムを引っかけてチャンバーに装填する。

この動作を発射の反動の力だけで自動で行う。

つまり、トリガーを繰り返し引くだけで連射が可能となる。


聞き終わるとハンスはフーっとため息をついた。

やはり本質を理解する人に説明すると説明のし甲斐があるな。


「すんごいですね。ため息が出ます。」


「この機構は突然出来た訳ではないんだよ。100年以上前に様々な機構が試行錯誤で作られ、淘汰されて行った果てに生き残った構造なんだ。今は殆どの小型自動銃が同じ様な原理で動いているね。」


「で、これをここで作ろうという訳ですか。」


「今すぐって事ではないよ。10年後20年後かもしれない。でも不可能ではないと思うんだよ。」


「確かにそうですね。全部機械的構造なので作れないと思う方が不自然かと。」


「まぁ材料工学とか機械加工技術、熱処理技術とか超えないとならない壁は一杯あるけどね。」


俺はそう言うとひとまず作ることは置いといて、撃つ方に移る。


「とりあえず対上位魔獣に対する戦力が欲しいんで、ハンスにも射撃を覚えて貰う。まずこれからだね。」


そう言うと、過去に魔法組に対して行ったと同じ射撃訓練を始めた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ