表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/37

30◇魔道銃

30◇魔道銃

=============================


次の朝の朝食後、俺は父親の部屋に昨日書いた紙を持って行った。


「父上、銃に関してお話があります。」


そう言うと、父親は部屋の隅に居たメイドを退出させた。


「マーティン、それでは何か思いついたのか?」


俺は紙を見せながら説明する。


「昨日、ハンスに魔石のことを詳しく聞きました。発火魔石を細かい粉状にすり潰し、発火魔方陣を触れると激しく燃焼するのを実演して貰いました。私はそれに一工夫して小さな紙の筒に発火魔石の粉を詰めて圧縮し、発火魔方陣をふれさせると破裂しました。これはファイアボールが的で爆発するのと似た現象です。」


「うむ、それは私も聞いたことがある。王都学園に在学していた頃に上級生の誰かがそれをやって大けがをしていたな。」


「はい、発火魔石の分量を間違うと死ぬ場合もあります。私のやった実験は、小指の先ほどの発火魔石の量なので室内で破裂させても少し驚く程度で済みます。」


「それもあの知識か?」


「そうです。あちらにも似たような現象を起こす粉があり、粉末状態で発火魔方陣に触れた時の状態も殆ど同じでしたので、こちらでも似たような細い筒を紙で作って試してみました。その結果、破裂の大きさも似たような規模でした。」


「それを使って魔道銃の様な物を作れるのか?」


「はい、こちらの金属加工技術、魔法技術を検討したところ、試行錯誤は必要ですが魔道銃は作ることが出来ると思います。実はハンスに発火魔石の実験協力を頼んだ時に、魔拳銃と昨日のブラックタイガー討伐のあらましを話しました。これからはハンスの協力が必要と思いましたので、事後報告となってしまい申しわけありません。」


「うむ。それなら問題無い。ハンスの治療棟は護衛詰所の隣なので魔拳銃の訓練の音は聞こえていた様だ。不審に思ったハンスがマークに聞いて来たので、私が許可して本当に大雑把なことは伝えてあった。」


「それでしたら安心です。今後もハンスに魔道銃のことについて相談したいので、私の召喚する武器を見せても良いでしょうか。」


「うむ。必ず部外秘にすることを念を押すことで許可をする。ハンスに指示書を書くから持って行ってくれ。」


俺はハンス宛に書かれた指示書を受け取り、ハンスの所に行った。


―――――――――――――――――――――――――――――


「ハンス居るー?」


俺は陽気に声をかける。

ハンスは昨日の話から面倒ごとだと察し、一瞬返事が遅れる。


「はい、坊ちゃん。昨日の続きでしょうか。」


「そうだね。あれから父上に話して、全面的にハンスの協力を得ても良いと許可を貰ったんだ。」


俺は父親が書いた指示書をハンスに渡す。

ハンスは指示書を読み少し渋い顔をする。

ハンスに内容を見せて貰うと以下の様だった。


・マーティンに魔道銃の製作を全面的に許可する。

・ハンスはマーティンに協力し、多方面との連絡や資材調達を援助する様に。

・この計画は部外秘とし、他には護衛隊長のマークと魔法組のスティーブ、デビッド、ルークの4人に限って情報共有する。

・実験に関しても上記4人とハンス、マーティンの6人内で行い、それ以上の補助が必要な場合は申告すること。

・費用に関してはマーティンが要求すればマークを通して領主である私に請求すること。


「これはマーク隊長達も呼んでこないといけないですね。呼んで来ますので少しお待ちください。」


ハンスはそう言うと、隣の護衛詰所に行った。

少ししてハンスと護衛の4人が治療棟に入って来る。


「指示書を読みました。これは魔強銃に関する偽装の為の計画でしょうか。」


「表向きはそうだけど、実際に威力のある魔道銃を作るつもりだよ。今は私一人に全部依存しているからね。それから脱却しないと将来どうなるか分からないし。」


俺がそう言うと全員が深く頷いた。

さすがに護衛の4人は分かっている。

ハンスもそうじゃないかと気付いていた様だ。


「それではまず発火魔石について情報を整理したい。発火魔石はどこに産出するの?」


「それは当領の魔の森に産出します。利用価値があまり無いのでそれほど量は流通していませんが。」


「それでも少しは流通しているんだ。何に使っているの?」


「敵陣の建物などを急速に燃やしたい場合に使います。まず発火魔石粉を建物の周囲に撒きます。そこから発火魔法石粉を地面に垂らして一筋の繋がった線にして距離を稼ぎます。そこで端に発火魔方陣を当てると炎が走って、線の先の発火魔石粉に着火します。一気に燃え上がった発火魔法石粉はすぐに建物に燃え移り、ごく短時間で全焼させることが出来ますね。用途が限定的なので王軍や領兵の装備として少量保管されているだけです。」


それはそれでえげつない使い方だな。

ガソリンを撒いて放火するのと大して変わらない。

こちらの世界では魔法で加熱や照明が出来るんで、燃える油類が丸っきり無いんだよ。


「あれは瞬時に発火してすぐに燃え尽きるよね。それで本当に建物に燃え移るの?」


「私も詳しくはないのですが、状況によって発火魔石粉の粗さを調整したり、木の燃えかすを粉にして混ぜたりして調整する様なことを聞いたことがあります。」


それは木炭を粉末にして混ぜるってことか。

燃える液体は無いが、木炭なら簡単に作れるな。


「なるほど。それ、今後こちらで大量に使うようになると思うんだ。現在のウチの産出量と流通経路、領内と領外への取引量を調べてくれない。それと取引価格も同時にね。あと、他領や他国でも産出する様ならその情報も欲しいな。」


俺はそう言うと、前日ハンスに説明した発火魔法石での魔道銃の実現性について再度説明した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ