24◇12.7mm試射
24◇12.7mm試射
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翌日、昼食を摂った後にマークと魔法組3人と俺の合計5人で護衛隊用の馬車に乗り、バレットM95一式を積んで河原に出発した。
俺の9mm拳銃と89式も積んである。
試射の方法は午前中に護衛詰所で十分に説明してあるので理解してくれているだろう。
俺さえ誤射しなければ何の問題も無い。
屋敷から馬車で10分ほど走り、練兵場の横を通って河原に出る。
地図で見たとおり、直線距離で200m以上はあるな。
紙に書き写した地図を見ながら的の位置を決める。
発射地点を想定し、射線に垂直になる様に5m相当離して台を2個作り、その上にそれぞれ予備のアースバレット用の的を置いてもらった。
こちらの世界にも巻き尺の様な物があり、予め5mを換算してある。
魔法組の3人は的付近に残ってもらい、俺とマークは馬車に乗って射線上の200m離れた位置に行く。
目分量で決めた発射地点付近に行き、双眼鏡を取り出して的の位置を見る。
双眼鏡を見ながら的に視度調整してピントを合わせ、横方向の的の間隔が距離200m時に5mの相当の5目盛り分になるまで下がる。
スケールの計算は昨日双眼鏡の取説を見ながら試算していたので問題無い。
200mの位置で止まり、そこを発射地点とする。
マークに発射地点にテーブルを出す様に指示し、的の魔法組の方に走っていく。
「距離は決まったよ。ここに的と後ろの弾止めの小山を作ろう。」
俺はそう言い、3人と一緒に横5m高さ3mくらいの山、というかブロック状の物体を作った。
厚さは4mとし、12.7mm弾に耐える様にする。
中央に高さ1mの台を2m離して2個土魔法で作り、その上に先ほどのアースバレット用の直径1mほどの的を置いて固定する。
今回は鉄板は無しだ。
当たったら吹き飛ぶし。
「あそこの発射地点まで戻るんだけど、3人で歩幅距離測定をしながら戻ってくれないかな。」
俺はそう言い、3人と共にマークが準備している発射地点に戻る。
歩幅距離は3人ともほぼ200m相当だった。
日頃から鍛えられているみたいで精度いいな。
マークが馬車をすぐ側まで寄せていたので、荷物を降ろしたら後ろに20mくらい下がる様に言う。
発射した時の音と衝撃波で馬が怯えない様にだ。
俺はバレットM95のケースを開け、銃を取り出してバレル下の二脚を開き、テーブルの上に置く。
マガジンを抜き、ボルトを引いて左側面の2本のロックピンを抜き、レシーバーからバレルブロックを取り外す。
バレルブロックをテーブルに置き、バレルが貫通状態で向こうが見える様にする。
その状態で200m先の的にバレルを後ろから覗いて中心が合う様に向け、土魔法で固定してスコープを調整する。
左右はそのまま合わせ、上下はドロップを15cm程度考慮して少し上目に合わせる。
バレルブロックをレシーバーに戻し、ロックピンを入れて固定する。
マガジンに5発込め、バレットM95に装着する。
「準備は出来たよ。まず私の後ろに立ってもらい、3人で銃身ごと包む様にウィンドエバキュレーターを出せる様に用意して。」
俺は魔法組に声をかけ、椅子に座ってテーブル上のバレットM95を構え、6倍にしたスコープを覗く。
ボルトを前進させてロックし、セーフティをFの位置にする。
最初はより安全の為に的の下の地面付近を狙う。
「出して。」
俺が言うと3人はウィンドエバキュレーターを発動した。
さすがにベテランの3人がかりだ。
巨大な魔力が銃口付近に展開されているのを感じる。
「撃つよ。」
俺はトリガーをゆっくり引いた。
銃口付近の激しい閃光と共に強い反動が来る。
発射音は俺が一人で89式を撃つ時と同じくらいだ。
かなり低減されているな。
魔法組の3人はちょっと驚いている。
そりゃー9mm拳銃とは桁が違うもんな。
俺はスコープを24倍にし、的を見ると地面付近がえぐれていた。
もう少し上だな。
ボルト操作して次弾を装填する。
「次撃つよ。」
少しづつスコープを修正し、3マガジン15発撃つ頃には左の白い的のほぼ中央に当たる様になった。
試射はこれくらいにして、残りの5発は速射の練習とした。
ボルトアクションライフルなので、89式のセミオートの様な速射性は無い。
さらにもう20発召喚し、パワーアシストを思いっきりかけながら立射もやってみた。
さすがにこれは当たらない。
だが、机によりかかる様にすればある程度当たる様になった。
これなら実用になるな。
最後に魔法組にウィンドエバキュレーターを外してもらい、俺一人で発動しながら撃った。
かなりでっかい発射音がして周囲に響くが、少し耳鳴りがしただけで難聴になるほどではない。
もう少し音量を小さくしたいが、これなら自分一人でも何とかなるな。
でも、明らかに魔法で撃ったファイアボールなどと違う音色なので、目立ってしまう。
俺は召喚した弾を撃ち尽くしたので、これでバレットM95のサイトインは終了とする。
机に置いたバレットM95はスコープを24倍にしたまま右の的に向きを合わせ、そのまま置いておく。
続けて、89式のサイトインも行う。
前回の魔の森での試射以来、撃っていないので練習の意味もある。
今回は距離は200mと分かっているし、的もバレットのスコープで見れば着弾もはっきり分かる。
俺はスティーブを呼び、スコープを見ておくように言う。
「ここを覗くとあの的が大きく見えるよ。今からこっちも試し撃ちするから、的に追加で穴が開いたら位置を教えて。」
俺はそう言い、89式の二脚を開いてテーブルに載せ、構えて撃ち始める。
ウィンドエバキュレーターは自前だ。
ドットサイトの等倍レンズ越しに見えるアイアンサイトと、電源を入れたドットサイトの両方を合わせる。
以前の調整では的半分くらいずれていた。
30発くらい撃って両方ともサイトインし、中央の30cmくらいにまとまる様になった。
右側の的の中央30cmくらいがズタズタになった。
これで良し。
マガジンを交換し、セレクターを「3」に入れて3点バーストを試してみる。
トリガーを引く毎に3発発射され、反動で2発目3発目がずれていく。
何度か試し、3発目でも的の中に収まる様になった。
フルオートは今の俺では無理だろう。
あっという間に撃ち尽くしてかえって不利な状況になるのが目に見えている。
9mm拳銃も撃ってみたが、いくらテーブルで安定させても全く的に当たらない。
まぁ用途が違うもんな。
バレットM95をケースに戻して馬車に仕舞う。
89式と9mm拳銃も片付け、空薬莢も全部回収する
発射地点に石を積んで後からでも分かる様にし、馬車に乗って全員で的の所に行く。
アースバレット用の左の的は12.7mmの大穴が中心付近に集中して開いていていた。
右の的は5.56mm弾が中心付近に集まって蜂の巣みたいだ。
「えげつないですね。これなら上位魔獣もひとたまりも無いかと。」
マークはそう言うが、それは弾が的の急所に当たったらだ。
俺以外もまともにバレットM95を使える様にしないとだめだな。
一丁だけでは到底無理だ。
穴だらけの的を回収して馬車に乗せ、父親に報告すべく屋敷に戻った。




