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21◇魔銃部隊

21◇魔銃部隊

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俺にとっての2回目の魔の森ハンティングという9mm拳銃と89式小銃の実地試し撃ちが終了し、今度ははぐれることもなく領都に無事帰還した。

今回の試みは、俺が記憶を無くしたことに対する父親の不信感の払拭の意味もあった。

自分から秘密を打ち明け、十分に役に立つことをアピールしたつもりだ。

実際、父親の驚く顔が見られたのは良かったな。


「マーティン、お前は魔拳銃や魔長銃をどれくらいの数出すことが出来るのだ?」


帰って来た次の日の朝食後、父親が早速聞いてきた。


「私の魔力に依存します。」


俺は父親に断って、ステータスを確認する。


「ステータス表示」(12歳7ヵ月半)

「名前:マーティン・ランバート」,「年齢:12歳」,「性別:男」

「レベル:26」,「体力:530」,「魔力:1280」,「精神力:840」

「攻撃力:620」,「防御力:560」,「素早さ:450」,「器用さ:860」,「賢さ:1020」,「運の良さ:760」


「スキル:自衛隊魔法」

 「転生者特典:元の世界の自衛隊装備を召喚出来るスキル。」

 「召喚可能品:レベルに応じて強力な武器や装備を召喚可能。」

 「ランク1武器:9mm拳銃、9mm実包100発、9mm拳銃用スペアマガジン、ガンベルト(ホルスター、ポーチ付き)」

 「ランク1装備:レーション、飲料水、医薬品キット、簡易工具類、戦闘服上下、ブーツ、ヘルメット、テント」

 「消費魔力:ランク1を1式召喚で魔力を600消費。」

 「ランク2武器:89式5.56mm小銃、5.56mm実包100発、89式用スペア30連マガジン、89式小銃用照準補助具、89式多用途銃剣」

 「ランク2装備:板チョコレート、缶コーヒー、カ〇リーメイト、カッ〇ヌードル、本格工具類、双眼鏡、インスタントカメラ」

 「消費魔力:ランク2を1式召喚で魔力を1200消費。」


「スキル:粉砕魔法」

 「転生者特典:元の世界の産業廃棄物破砕機で砂粒程度の大きさまで破砕可能なスキル。」

 「ランク1粉砕:片手で持てる程度の体積、重量の物体を砂粒レベルに破砕可能。」

 「消費魔力:ランク1を最大体積・重量で実行すると魔力を200消費。」

 「ランク2粉砕:両手で持てる程度の体積、重量の物体を砂粒レベルに破砕可能。」

 「消費魔力:ランク2を最大体積・重量で実行すると魔力を400消費。」


うん、レベルが26になって他の値も上がったけど、スキルの自衛隊魔法のランクは増えていないな。

粉砕魔法も変化無しだ。

次のアップはレベル30くらいかもしれない。

魔力は1200を超えたのでだいぶ無理は利くな。

頑張って魔獣を倒しまくった成果だろう。


俺は過去に召喚した時に消費した魔力から、個々の召喚物の必要魔力をメモしている。

それによると武器関係は以下だな。


9mm拳銃:200

9mm実包100発:70

9mm拳銃用スペアマガジン:10

ガンベルト:50

合計:330


89式5.56mm小銃:500

5.56mm実包100発:160

89式用スペア30連マガジン:30

合計:690


うん、9mm拳銃なら毎日3セット、89式小銃なら1セットだけだな。

勿論、どちらかだけになる。


「父上、魔拳銃なら一日2セット、魔長銃なら一日1セットくらいが限界ですね。どれくらい必要でしょうか。」


「今のところ、魔法が使える護衛の3人用だけだな。3セットづつ出せるか?」


「はい、出せます。では今週中くらいには揃えておきましょう。」


俺はちょっと少なめに報告し、余裕を持って用意する様に返事した。


―――――――――――――――――――――――――――――


さて、父親からは魔法組の3人に銃関係の指導をする様に指示を受けている。

やはり銃器の威力の魅力には逆らえないのだろう。

今は平和だが、いつ何時隣国との争いが起きるか分からない。

また、魔獣の暴走も起こるかもしれない。


過去に東隣のサタナイト王国との間には戦争が何度か起きた。

最後の侵攻時は魔の森の北端を迂回して北側のローバー伯爵領に侵入し、このランバート領にも侵攻して来たということだ。

100年くらい前のことだから、今はもうお互いに平和に暮らして商取引もしているらしいが。


但し、このカルダナイト王国では各領に軍備は一定数常備しておく様に王から命令されている。

隣国の支配者が代わった場合、侵攻されないとも限らないからだ。

ランバート領では常備軍として約千人、領主護衛専門としてこの屋敷に20人居る。

常備軍の大半は剣と盾の装備だが、1割程度は弓兵が居る。

そして魔法兵も50人程度は居るらしい。

また、魔の森は今のところ安定しているが、過去には結界を超えて魔獣が暴走して村が何個か全滅したこともあると言う。

これに対処する為にも維持費はかかるが常備軍は必ず必要だ。

結界の維持にも常備軍以外に担当者を配置しているので、これまた維持費がかかる。

結界魔道具を動かす魔石の消費量も馬鹿にならないし。



銃器の管理は俺が自分ですることにした。

父親に銃器の危険性を説き、全て俺の管理下に置くことを承諾させた。

盗難防止のための鍵付き保管庫を俺の部屋に作ることも認めさせた。

セバスチャンに俺の部屋に武器保管庫を作る様に指示する。

費用は父親が負担してくれた。

大雑把な図面を描き、材質は斧などでも簡単に破壊出来ない様に厚めの鉄板を使う。

扉には頑丈な鍵を取り付け、父親とキーを1個づつ持つ様にした。


それに加えて、護衛射場の安全対策をした。

9mm拳銃で木の洞で出した時と同じ土板単体を試し撃ちしたところ、9mm弾では強化土板をぎりぎり一枚貫通出来なかった。

ちょっとでも斜めに撃つと跳弾して危ないな。

強度はこれを組み合わせることで手間を省こう。

射場全体を土魔法で出した強化土板で覆い、特に的の後ろは3重に重ねて強化した。

その手前に跳弾防止の強度調整をした土板を一面に並べる。

少し脆いので魔法組に逐次補修をお願いする。

天井は勿論カマボコみたいなアーチ形状だ。

護衛の魔法組3人と俺でちゃちゃっと仕上げた。

両側面と天井の土板の表面には厚さ2cmくらいの木の板を一面に貼り、跳弾防止とする。

これは土魔法でやるとダメージ喰らうと落ちて来るからだ。

マークに依頼したら、調達と施工は護衛の予算でやってくれるそうだ。

それと、床は砂利敷きだったのでランダムな跳弾が怖い。

魔法組3人と一緒に厚さ10cmくらい土を敷いてある程度突き固めた。

ガチガチにすると跳弾するので、9mm弾が斜めに食い込んでくれるくらいの強度だ。

撃ち手の側にはテーブルがあり、そこは砂利のままとした。

その真上にライトの魔道具を取り付ける。

的まで天井も土板で塞いだので奥が真っ暗なので、ライトの魔道具を的の少し手前の天井に吊るす。

9mm弾が直撃や跳弾で当たらない様に土魔法で囲い、スポット状に光が当たる様にした。

魔石交換が少し面倒だが、魔法組が使うんだから気にしなくてもいいだろ。


それから毎日銃器を召喚し、昨日全員分が揃った。

それぞれまとめて籠に入れておく。

勿論、俺自身用は既に召喚済みの物をそのまま使う。


武器保管庫は俺が依頼した次のに日には発注したとセバスチャンから報告があったが、5日ほどかかるとのことなので召喚した3人分の銃器弾薬は俺の部屋のベッドの下に衣装ケースに入れて隠しておく。

父親に状況を説明し、アンナにはベッドの下の物に触れない様に指示する。


数日後、ガンロッカーが完成して俺の部屋に設置された。

鍵も掛かるのを確認してキーを1本を父親に渡し、準備完了と報告する。

召喚した3セットの籠をベッドの下から引っ張り出し、ガンロッカー内に収納する。

俺自身用の銃関係も全部入れる。

89式も4セット入れてあるが、奥の方に布を被せて隠してある。

昼食後、俺はアンナに言って、魔法組の3人を俺の部屋まで来る様に伝言して貰った。


「マーティン様、護衛部隊魔法担当3人到着しました。」


スティーブ、デビット、ルークの3人は俺の部屋に来て一礼する。


「よく来てくれた。これから魔拳銃の訓練を開始するよ。こちらに来て一式受け取ってほしい。」


俺はそう言うと、ガンロッカーの扉を開けて一人づつ9mm拳銃一式の入った籠を渡した。

俺自身も以前召喚した一式を入れたガンベルトを持つ。

ガンロッカーの扉を閉めて施錠し、3人を連れて護衛用射場に向かった。


護衛詰所に寄り、マークに今から魔拳銃の練習をすると声をかける。

マークとミラーも見たいと言って一緒に来た。

射場に入り、デビッドが的の上のライトの魔道具を点灯させる。

撃ち手の側にはテーブルがあり、その真上にあるライトの魔道具も点灯させる。

マークには前回用意して貰ったのと同じ様な鉄板を3枚出してもらう。

それを射場の3個の的の前に置く。


「さて、魔拳銃の有用性は先日の魔の森で十分理解して貰えたと思う。私が使った様に、君たちも使える様になって貰いたい。」


俺は魔法組の3人にそう言うと、射場のテーブルに先ほど渡した物を籠から出して置いて貰う。

魔拳銃(9mm拳銃)、発射筒(9mm実包50発入り箱2個)、魔拳銃用玉入れ(9m拳銃用スペアマガジン)、武器帯ガンベルト


「まず、名称の説明から。これが魔拳銃。これが魔拳弾、これが魔拳弾倉、これが魔拳ベルト。」


俺は以前言っていた通称名が言いにくかったのでこの際だから修正する。

俺自身が半分忘れて違う名前で言いそうだったし、89式もあるから識別する意味で「魔拳」を共通語にした。


先に3人にガンベルトを着けさせ、位置を調整する。

俺もガンベルトを巻き、バックルを締める。

テーブルに置いた9mm実包の紙箱を開けて10個くらい取り出す。


「魔剣弾倉の中にこの魔拳弾を9個入れる。それをこの魔拳銃の中に入れて決められた操作をすると撃つことが出来るよ。とりあえず一通りするから見ていて。」


まず、俺のホルスターに入れてある9mm拳銃を抜き、テーブルの上に置く。

9mm拳銃から空のマガジンを抜き、テーブル上の9mm弾を9発詰める。

9mm拳銃に実包を詰めたマガジンを差し込む。

スライドを引いて離し、初弾を装填する。

ウィンドエバキュレーターを銃口付近に発生させ、的の上に置いた鉄板を狙ってトリガーを引く。

銃口の閃光と共にバスっという鈍い発射音がし、お馴染みの弾頭音速超え時のパシーン音がする。

直後に的からカンという鉄板に命中した音が響く。

エジェクションポートから空薬莢が舞い、地面に落ちて砂利に当たりカランと鳴る。

かなり撃ち慣れてきたので、発射の反動は上手い具合に最小のリアクションで受け流してすぐ次の照準をする。


続けて8連射して全て鉄板に命中させ、スライドがスライドストップに引っかかってホールドオープンした状態になる。

そのままの状態で銃口を下に向けた9mm拳銃を3人に見せて言う。


「これが魔拳銃を扱う一連の流れになるよ。」


俺はそう言うと9mm拳銃のスライドストップを下げてスライドを前進させ、銃口を的に向けてトリガーを引いて空撃ちし、他の3丁と同じ状態にした。


「では、ひとつづつやっていくから、私と同じ操作をして。」


俺はそう言い、先ほど見せた装填から発射までの手順を1ステップづつ説明しながら指導した。

3人ともさすがは魔法のエリートだ。

1回言っただけで間違わず操作してくれる。

ホルスターへの抜き差しも、銃の抜け防止ロック機構の説明をして素早く抜ける様に指導する。

ウィンドエバキュレーターは俺が発動したものより消音効果が高く、それを見て少し凹んだ。

まぁ年期が違うもんな。


同時に安全な取り扱いも指導した。

・いかなる時でも銃口を絶対に人に向けない。

・撃つ直前までトリガーに指をかけない。

・撃つ瞬間に目を瞑らない。

これだけでも厳守すればかなり安全になる。


ただ、なかなか的にした鉄板に当たらない。

両手でのグリップの握り方とアイアンサイトの狙いの付け方、トリガーの引き方を説明したが、これはちょっと苦労した。

一人一人手取り足取りして指導し、一人当たり50発程度撃つ頃には時々鉄板の的に命中する様になって来た。

的の後ろにある直径1mほどのアースバレット用の的は穴だらけだ。


用意した各人100発の実包を撃ち尽くし、今日の魔拳銃の訓練は終了とした。

そこで安全に関して蘊蓄を垂れる。


「この魔拳銃は撃つだけなら誰にでも簡単に撃てます。魔法も力も必要無い。だから安全には徹底して気を配って欲しい。」


俺はそう言い、デビッドに紙とペンを持って来てもらう。

まず、俺がその紙に大雑把な9mm拳銃のイラストを描き、各部の名称を記入する。

ガンベルトのホルスターとポーチも簡単なイラストを描く。

デビットに、その下に今から言うことを箇条書きにして欲しいと言う。

・魔法担当の3人と俺以外に魔拳銃に関する全ての物を触らせてはいけない。これは父親とマークも同様。

・銃口はいかなる時も絶対に人や馬に向けてはいけない。

・的に狙いを付けて発射する直前まで絶対にトリガーガードの中に指を入れてはいけない。

・射撃練習が終わったら必ず魔拳銃から魔拳弾を全て抜くこと。魔拳弾倉を外し、中にある魔拳弾を全て抜く。

 スライドが後退していたらスライドストップを下げる。

 スライドが後退していない場合はスライドを引いて中に残った魔拳弾も抜く。

・魔拳銃から全て魔拳弾を抜いた後は銃口を的に向けて、トリガーを引いて空撃ちしておく。

・抜いたり残った魔拳弾はばらばらに置かず、必ず入っていた箱に戻して蓋をする。空箱なら処分する。

・空にした魔拳弾倉2個と魔拳弾の入っている箱はガンベルト付属のポーチに入れて蓋を閉めておくこと。

・魔拳銃をガンベルトのホルスターに戻し、ロックがかかっていて抜けないことを確認する。

・最後に射場の床に排出された魔拳弾の撃ち殻は、全て拾い集めて金属廃棄物として工房に渡す。(真鍮製)


こんなもんかな。

エジェクトされた空薬莢はうっかり踏むと転けるしね。


「その紙は各自書き写して持っていてください。原紙は後で私が貰います。」


今日はこれで終了なので、各自魔拳銃一式を籠に入れて俺の部屋に返却して貰う。

一列に並んで自室のガンロッカーの前に到着し、キーで扉を開ける。

籠に自分の名前を書いてもらい、3人の装備を棚に置く。

俺も自分の装備をガンベルトに丸めて入れる。

扉を閉めて施錠した。


「今日はお疲れ様。明日からも練習してもらうけど、そちらの業務の予定もあるでしょう。マーク隊長に確認してもらって、3人揃って半日程度練習に使える日程を2週間分くらい書き出して貰えない?」


「分かりました。マーク隊長の日程表と照らし合わせて私たちの日程も調整して報告します。」


スティーブが代表して答え、これで今日の訓練は終了した。


あー疲れた。

まっさらな人に教えるのはかなり面倒だね。

まぁ魔法組のエリートさんなので、一度教えれば殆どミスはしないからその点は楽だな。

さて、どれくらいの訓練で実用になるかな?


父親に今日の訓練終了を報告して自室に戻る。

俺はベッドに倒れ込んで寝てしまい、夕食時にアンナに揺すられて起こされるのであった。


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