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16◇ランク2

16◇ランク2

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次の日の朝食後、俺は自室に戻ると今日も自習ということにして丸一日篭もった。


さて、9mm拳銃は父親の了承が取れたので自室に置いていても問題は無い。

次はランク2武器の89式小銃をどうするかだな。

まず現物を確認しておこう。

俺は89式小銃をタッチで選択し、召喚呪文を唱えた。


「自衛隊魔法、ランク2召喚」


淡い光と共に床に89式小銃が現れる。

召喚に魔力を500ほど持って行かれたので少しふらつく。

今の保有魔力が840だからまだ余裕はあるが。


「おお、あいつの持っていた89式のエアソフトガンと同じだ。」


持ってみるとずしりと重い。

たしか3.6kg程度と言っていたな。

あれ、銃床が折り曲げ式だ。

あいつのは固定銃床だったのでそこだけ違うな。


マガジンキャッチボタンを押してマガジンを抜いてみる。

当然、実包は入っていない。

次にコッキングレバーを引いてみる。

勿論、薬室にも何も入っていない。

ハンドルから手を離してボルトを戻し、トリガーを引いてみる。

セレクタレバーは「タ」の位置になっていたのでカチンとハンマーが落ちる。

マガジンは20連タイプの様だ。

とりあえず元に戻しておく。


構えてみると、この体にはやはり少し大きいし重い。

銃床を折りたたんでみるとサブマシンガンみたいだな。

今はこれ以上触っても仕方が無いので、スリングを持って部屋の隅に立てかけておく。


まぁ誰かに見られてもこれが武器だとは分かるまい。

9mm拳銃は父親の了承を得ているので、正体不明の長い筒も見逃されるだろう。

以前の様に粉砕はせずに出したままにしておく。

魔力消費が多いのでもったいないしな。

後でアンナには触れない様に言っておこう。


さて、次はお楽しみの甘味シリーズだ。

とりあえず、板チョコと缶コーヒーを召喚してみる。

うん。どちらも日本の製品だ。

やっぱりコンビニPXから引いているな。


俺は明○のミルクチョコレートとU○Cのミルクコーヒー缶を両手に持ってにんまりする。

待ちに待った日本の甘味だ。

むさぼるように板チョコを食べ、喉を鳴らして缶コーヒーを飲み干した。


「ぷふぁー、デリシャス。」


もちろん、食べかすと空き缶は粉砕して窓から庭に撒き、証拠隠滅する。

これが女性陣にバレたらえらいことになる。


カ〇リーメイト、カッ〇ヌードルは次回のハンティングの時にでも試そう。

特にヌードルはお湯が自由に使えないと食えないしな。


次に本格工具類、双眼鏡、インスタントカメラだな。


本格工具はペンチ/ニッパー類5本と大型カッターナイフ、タングステンカーバイド金鋸、ダイヤモンドヤスリセット、ハンマーセット、ノミ、タガネ、スクレーパーが入っていた。

ペンチはラジオペンチからプライヤー、バイスグリップ、ニッパーはピアノ線対応のゴツい奴からプラモデル用薄刃まで。

ハンマーセットは釘抜き付きからプラスチックハンマー、木槌、ショックレスゴムハンマーまである。

いったい、この世界でこんな工具でどうせいっちゅーんや。


双眼鏡はニ○ンの7倍×対物50mmの防水タイプだ。

視野下方に360°刻みの磁気コンパスの目盛りがあり、中央縦に距離高さ換算スケールが付いている。

この世界って地磁気ってあるのか?と思い、覗きながらぐるぐる回ってみると確かに反応する。

部屋の中央に立ち、部屋の四隅の目盛りを読むと、確実な再現性があった。

磁気コンパスはあとでセバスチャンとアイリスに聞いてみよう。

魔道コンパスがあるくらいなので磁気コンパスくらいあるだろう。


そして、最後にインスタントカメラだな。

最初見た時はえらい古くさいカメラだなと思ったら、最近友人がサバゲーに持ってきて仲間内で騒いでいた奴だった。

チ○キのインスタントフィルムを使い、完全手動で電池不要なまさに異世界仕様とでも言うカメラだ。

この世界の人が見たら完全に魔法だと思うだろうな。

フィルムパックが5個付いてきたので50枚撮れるが、カメラ本体は使い捨てに近い感じだ。


これでランク2をだいたい見終わった。

昨日の魔力消費は一晩寝ると回復していたが、今ので魔力は合計770消費したので少し体がだるい。

89式用の実包やオプションが多少あるが、また今度で良かろう。

どうせ今は撃てないので使い道が無い。


―――――――――――――――――――――――――――――


昼食後にセバスチャンに声をかけ、磁気コンパスの存在の有無を尋ねた。


「磁気コンパスですか?冒険者が話していたのは聞いたことがありますが、詳細はわかりません。」


お、磁気という単語は分かるんだな。


「磁気って分かる?」


「はい。鉄鉱石でたまにお互いに引き合ったり反発しあう物があるそうです。それは磁気があるからだとか。」


「なるほど。なら、これについて誰か詳しい人はいないかな?」


「それでしたらアイリスに聞いてみてはいかがでしょう?手紙を送れば詳しく説明してくれるものと思います。」


「そうだな。質問の手紙を書くから後で定期便に入れておくよ。」


「そうですね。あ、もしかしたら護衛隊長のマークも知っているかもしれません。詰所に行かれてみてはどうでしょう。」


「まずそちらが先だな。行ってみる。」


俺はセバスチャンに礼を言い、マークの居る護衛詰所に足を運んだ。


「マーク、居る?」


「はい、マーティン様。今日は訓練でしょうか?」


「いや、訓練はちょっとの間休ませてくれ。それよりも質問があるんだ。」


「私に分かることなら何なりとお聞きください。」


「魔道コンパスってあるでしょ。こないだハンティングに行った時に使っていた常に登録した結界魔道具と引き合う奴。」


「はい。魔の森管理ゲートの固有番号と対になった方向を知る道具ですね。」


「うん、それ。それ以外に磁気コンパスって知らない?セバスチャンに聞いたら冒険者が使っていたかもしれないと言ってた。」


「そうですね、最近出て来た道具らしいのは私も話には聞いたことがあります。ただ、現物は見たことがないのと、どういう理屈で動いているのかは分かりません。」


を、こっちも磁気という単語は分かるんだ。


「そっかー、残念。セバスチャンはアイリスに聞いたら分かるかもと言っていたのでそちらで尋ねてみるよ。」


「お役に立てず申しわけありません。」


マークは申しわけなさそうにしていたが、俺は気にするなと言った。

マークが知らないとなると、父親もだぶん知らないだろうな。

いや、ハンスがいるではないか。

ちょっと聞きに行こう。


俺は護衛詰所に隣接する治療棟に足を向けた。


「ハンス、居る?」


治療棟は前世の高校の保健室の様な作りだった。

デスクが3個あり、ベッドが6本並んでいた。

壁には薬品や薬草を分類して入れておく様な引き出し付きの棚がかなりの面積を占めていた。

消毒薬の様な匂いがする。

いや、これは毒消しの薬草の匂いか。


「はい、いらっしゃいマーティン様。今日は何のご用でしょうか。」


「今日は魔法じゃないかもしれない物について聞きたいんだ。磁気コンパスって知ってる?」


「確かにあれは魔法は使ってなさそうですね。私も話しに聞いただけですので詳しくは知りません。アイリスなら知っているかもしれませんので、お尋ねになったらどうでしょう。」


やっぱりアイリスか。

よっぽどの物知りなんだろうな。


「うん、わかった。アイリスに聞いてみるよ。お邪魔したね。」


俺は立ち去ろうとして、昨日父親と話したことを思い出した。


「ちょっと思い出したことがあった。魔法について聞いてもいいかな?」


「はい、どの様なことでしょう?」


「ウィンド系の魔法でウィンドエバキュレーターっていうのがあるんだけど、これって習得は難しいの?」


「ある程度の素養は必要ですね。マーティン様は覚えたいのでしょうか?」


「いや、私は一応出来るんだけどね。護衛の魔法担当の人に覚えて貰えないかなと思って。」


「今の護衛の魔法担当は3人居ます。彼らの魔法レベルはかなり高いので、それほど時間をかけずに覚えられると思いますよ。」


「そうか、なら父上に言っておくから、指示があったら時間を取って教えて貰ってくれない?」


「はい、分かりました。準備をしておきます。」


俺はそう言うと、自室に戻るために護衛詰所の横を通った時に何か打ち付ける様な音がするのを聞いた。

どうやら護衛詰所の奥から聞こえて来る。

護衛詰所の横を通り、奥に行ってみるとそこは弓道かアーチェリーの射場の様な場所だった。

20mくらい離れた所に直径1mくらいの丸い的が3個並び、その手前に護衛が3名並んで魔法を撃っていた。

魔法の種類はアース系のアースバレットの様で、足元に土を入れたバケツの様な物を置いていた。


暫くそれを見ていた俺は、訓練が一息付いた時に声をかけた。


「ごめん、ちょっと聞いてもいいかな。」


驚いた様に3人は振り向いたが、俺だと分かるとほっとして返事をした。


「坊ちゃん、急に声をかけられたから驚きましたよ。何かご用でしょうか?」


「ここはどんな練習をしているの?」


「はい、主に遠隔打撃系の魔法の訓練をしています。アースバレットが一番使いでがあるのでそれを中心にですね。」


「そうなんだ。威力はどれくらい出せるの?」


「そうですね。あの的くらいの距離でグレイウルフなら数発撃ち込めば倒せますね。」


「レッサーベアーならどう?」


「レッサーベアーはアースバレットでは難しいですね。頭部を狙って運が良ければ目を潰せますが。」


「なるほど。」


「今日は私たち魔法担当の練習日ですが、違う日は弓の練習日となっています。護衛部隊には弓を扱える者が4人居ますので、武器の威力については彼らにも聞いてみてはいかがでしょう?」


「うん。今度それも聞いてみるよ。ありがとう。」


俺は礼を言って射場を後にした。

弓は元の世界でも有効な武器なのは分かっている。

対人戦闘なら日本でも西洋でも昔は主力武器だったしな。

ただ、この世界の魔獣相手には少々分が悪い。

魔の森は視界が悪く、魔獣に遭遇すると即接近戦になる。

弓を振り回す暇は無いな。

だから動作の小さいアースバレットが即戦力になる。

剣を持ちながらでも発射出来るし。

やはり9mm拳銃を護衛にも持たせたいな。


「さて、磁気コンパスはやっぱりアイリスに聞くしかないのか。」


自室に戻って手紙用の紙を出し、ペンでアイリスへの連絡書を書く。

・磁気に関する簡単な説明が知りたい。

・磁気コンパスの存在を知りたい。

・既に実用になっているのか?

・製品があるならその資料はあるか?

・使うとどの様な利点があるのか?

・どの様な動作原理なのか?

・価格はどれくらいか?

・入手性はどうか?

・地図との連携はどうなっているか?

・魔道コンパスとの関連性はどうなっているか?


いや、たかが磁気コンパスでこんだけ質問せにゃならんのんかいなー。

まぁアイリスも知らない可能性はあるので、第三者に質問を投げても理解してもらわないとならないし。

ついでにウィンドエバキュレーターについても質問しておく。

・どれくらいの習熟レベルであれば覚えられるか?

・発動までの時間はどれくらいかかるか?


質問内容を書き、署名をして折りたたんで封筒に入れて封蝋をし、俺の簡略印を押す。

宛名を書いてアンナに定期便に乗せる様に渡した。



当日は魔力を殆ど使い果たしたので、次の日に魔力回復してからレベル2で召喚した物を破砕魔法で証拠隠滅した。

ちょっともったいないと思ったが、バレた時に説明出来ないと困るしな。

魔拳銃はもう知られているが、それ以外はまだ秘密にしておきたい。

89式は魔拳銃と同じ種類の武器と言えば何とかなるが、双眼鏡やインスタントカメラはちょっとまずいかも。


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