この街は変容していく、私は道を知らないままに。さいご
夜空の星に願いを込めながら、その道をゆっくり、でも確かに進んだ。
部屋の中で温まった身体に、ひんやりとした空気は、少し気持ちよく感じられる。歩調を速めながら、遠くを臨む。
「私、やっぱり彼女にまた会いたいし、様通をもっと歩きたい。」
なんども願った。
夜空に、星が流れた。私は立ち止まり、それに見入った。星の尾は美しく長い曲線を描く。鮮烈な夜だ。
風が私の背中を押すように吹き始めた。私は小走りになって、腕を広げて、全身で風を受けた。誰もいない草原が、私を応援しているの?
あそこだ!あれはまさしく、様通の街だ。まだかなり遠いが、私はもっと速く走った。さらに強く風が私を押し始めた。もうほとんど全力疾走だ。スーツケースは、邪魔なので背負って走った。追い風のせいだが、私は今までにないほど素速く空を切った。
「さっむー!」
鼻の感覚がなんだか固まってなくなってきた。もうキンキンだ。ひい、ひい。あと少し、あと少しで街に入る。
一気に街の喧騒が、耳にフェードインした。周りは、夜だろうが街の明かりが眩しい。
「もういるよね。どこか、すぐそこに…。」
私は一度、立ち止まって息を整えてから、歩くことにした。近くで、もう片付けられようとしていたが、その日の地図が売っていたので、ひどくかじかんだ手で、それを手に入れた。もうほとんどこの地図は違っているだろうが、私はこれを開いて歩き出した。
かじかんだ手はポケットに入れよう。
ここになんだか、引き寄せられた気がした…。
「これって…。」
あの時の、パン屋の注文用紙だった。おそらく会計が終わったあと、ポケットに入れっぱなしだったのだろう。彼女の筆跡を見るとしみじみとした気持ちになった。
胸が強く鼓動し、耳が熱くなった。十何ページとある冊子の地図を確実に一ページずつめくっていく。
私は、少し身震いした。さっき買ったはずの地図には、一箇所だけ赤鉛筆で丁寧に印がつけられていた。心には一つ、この出来事の行く先が立った気がした。印のあるところまで、そう遠くはない。地図はくしゃっとなったが、強引にカバンにつめこんだ。
急いだ。この不思議について考える暇などない。日が差して、夜明けがこの街を塗り替えてゆく。
あの角を曲がったところだ。私の身体はあの時の匂いに敏感に応える。
そう、そこはパン屋だ。また、陽の当たるこの扉を押した。店内は、変わらぬ匂いがして、この時間帯は人もそう多くない。
そんなことどうだっていい。最初に目に入ったのは、注文用紙を持ってパン棚で首を真下に曲げる彼女の姿だった。ゆっくり近づいてみる。彼女はこちらに気づいたようだった。
「ねえ。この前の赤鉛筆借りていい?」
彼女はこちらに顔をあげる。
私の頬が赤いこと、妙に息切れしていること、そして、涙が一筋たれてしまったことに彼女は不思議そうな顔をみせた。
「あ、嫌ならいいんだけど…。」
「…大丈夫、はい。」
彼女は間違えないよう熱心に注文用紙に赤鉛筆で書き込む。
「あの、アップルパイ二切れにしといて。」
「分かった。」
会計を済ませた。私は、この注文用紙を大切にカバンにしまった。
店の外に出ると、あの時と同じ場所に、ベンチがあった。私たちは、同じ注文をしていた。私だけ、ちょっと取り乱していたが、紙袋から二人揃ってたまごサンドを取り出した。
「あなたもこれ気になったんだ。」
「いや、たまにはいいかなって。そっちこそ、この前と同じだよ。」
私、ずっとこれ食べてるよ。」
焼き立てのパンに、半熟の卵。噛みしめるとこれは、喜びと答えと思い出の味がする。彼女も隣で、同じパンをゆっくり、遠くを眺めながら、はむはむと食べていた。それを飲み込みこちらを向く。
「あなたって、前もそんなだったっけ?」
「だから、心配いらないって」
私は、思いの外早く食べ終わってしまったので、アップルパイを食べようと袋に手を伸ばした。
「うん。この街がいつも変わってしまうのは気にならないけど…。あなたが変わった気がすると不安...?な気がして。」
彼女の話を聞きながら、私はアップルパイを取り出してその香りを早くも振りまく。いい気持ちになりながら、一口、口にした…。
…やっぱり…だめなんだ…。
私の目からは、こらえきれない涙が流れた。一口のアップルパイがうまく飲み込めない。ずっと抑えてたのに。あの朝から。この街では、なにかに固執してはいけない。そんなこと分かってたのに。でも、アップルパイは美味しかった…。
「どうしたの、なんかあった…の?」
袖で涙を拭う。この街の冷たいはずの朝は、少しあたたかくなっている気さえした。
彼女は、食べていたパンを差し置いて私を見つめる。
「えっと、私のアップルパイいる…?」
私は首を横に振って、一切れのアップルパイをみんな食べた。
そのまま、私も彼女も黙りこくったまま、彼女はじっとパンを食べた。
なんだか、そんなこんなで日も昇っていきいい時間帯になった。なんだか、もう少し歩こうかな。
「そういえば、今っていつだっけ。」
スマホは全く開いていないが、充電はなくなっていた。あ、今日の地図に書いてあるか。
「え。」
私が来た日から、もう一週間が経っていた。なんだか日の経ち方にはどう考えても違和感があったが、多分この日付は合っている。
「ねえ、私が最初に来た様通の駅ってどこか分かる?」
「そんなの、私が来てから一年は見てないけど…。もう帰りたいの?」
「あ、いや…その、新幹線が予約してあって…。」
「シンカンセン!……私も予約してた気が…。一年前だけど。」
「そうなの!めっちゃ忘れてんじゃん。」
なんだか彼女はこの街の夢から覚めたように、”シンカンセン”を口にした。…まあとりあえず私はどうすれば。
「えっと明日のお昼前くらいで、今日はまだいいんだけど。」
「探してみる…?」
私は、考えた。集中すると街の喧騒はぼんやりとフィルターがかかったように聞こえる。目的や願いを明らかにすれば、その道は開ける…。
「私、あなたに会って変わったのは、私かもしれない。一年もあったのに、何やってたんだろう。会って、別れたあとにまた出会うなんて初めて。」
彼女が口を開いてくれたので、それを聞くが、ある意味静かな彼女の告白のような雰囲気も帯びていた。
「その、もしよかったら、その旅…私も一緒に歩いていいかな…って。」
なんだか、旅の流れを掴み乗りこなしたような、ちょっと意地悪な気持ちになったが、私は一度階段を下って彼女に対等に答えた。
「行こう。私、やるべきこととかなんとか言って歩いてるうちに自分のこと忘れてたのかも。それに、まだお土産全然買ってないし、あなたも、この街に来てそのカバンで十分だと思った?」
「だいじょうぶ。あなたのスーツケースおっきいし!」
…?…なんだか予想外だったが、彼女のやる気は分かった気がした。うん、なんか、ズレてる…のかな?
ということで私たちは、この希望に満ちた朝に7日目にしてなんだか新たな一歩を踏み出した。
もう一日しかないのだ、お土産とか全然買ってないのが心残りだからお店を探そう。特に様通って書いてある系のやつないかな。
「ねえ、この街でしかできないことってないかな。」
「え?まだそんな事考えてたの?自分で旅を楽しむって言ったのに、その時やりたいことがこの街でしたいことでしょ。そう思うでしょ?」
彼女の言葉に、草原の雑貨屋のおじいさんが重なった気がした。確かにそのとおりだ。
最初に訪れたお菓子屋さんは、和菓子っぽいのを売っていて、生物っぽいのが多かったので持ち帰りは諦めた。さっきパン食べたばっかりなので、なんだかんだお互いを心配していたが、結局それぞれ3,4個ほど食べてしまった。
次に見つけた建物では、一階の部屋が一気に開かれていて、からくりの人形が管楽器でバンドを組んで演奏してくれるというので人が集まっていた。自慢気なスーツを着たおじさんが右手で指揮棒を振ろうとするのと同時に、左手で人形に繋がれた糸を引っ張る。
一斉に人形たちが演奏を始め、迫力のサウンドがみんなに降り注いだ。おじさんは指揮のマネごとをしているが、思ったよりテンポが速くなっていて焦っていた。私たちを惹きつけるいい曲だった。とにかくスマホはないので、その耳に刻んだ音色はこの旅を象徴するようなメロディだった。
彼女は身体がぐったりとした姿勢の、ピアノの前にいる人形を見つめていたが、あまり動いていないのが気になるようだった。しかし、彼の右手はこの演奏に揺れずピタリと静止して、そのときを待っていたのだった。
間奏は華やかなピアノのソロだった。人形は身体をぐったりとさせながら整然と、しかし人間らしくその右手を強く動かし、あのメロディを奏でた。なんかギャップってやつ?
「これ、あの曲だ。」
不意に草原の景色が蘇る。私の迷い込んだ夜に口ずさんだのを思い出す。
彼女は動き出した人形を見て満足気に言う。
「いいね。このピアノ、私も弾いてみたいな。」
「だよね、私もそう思う。大好きなの、この曲。」
やはり、記憶に重ねると胸の熱くなる曲だ。演奏は次第に盛り上がっていき、その最後を迎えると集まった人たちの拍手が、わっと鳴った。私たちも、お辞儀するおじさんに何度も拍手を送った。別に、指揮は拙いものだったが。
ここから、さらに旅の最後は加速する。次に見つけたのは、ペット用の小さな魚や水生の生物を売っているお店だった。私たちは店先の小さな金魚をみていた。赤い尾を水草に絡めながら、水の中をスッと通り抜ける。
その次には、ガラス越しに飾られたマネキンの服を彼女が熱心に見つめているので、とりあえず入店。冬物の服が多かった。でも、彼女の目を引いたのは帽子コーナーで、いろいろかぶっては鏡で自分の姿をみていた。私は、別の棚のシャツが気になった。様通の街の地図のような模様がプリントされていた。さらには、ピアノのマネキンの首のところが、きれいな花になっているデザインもあった。これは、さっきの店と一緒に作ったらしい。
「へー、なかなかおしゃれじゃん。これもらってこうかな…。」
私たちはいくつか買ったし、彼女はニットの中折れ帽をかぶって店を出た。
すごく楽しい日だった。今日私たちが見つけた宿は、隣の部屋に泊まれた。
私は、部屋の窓から夜の街を覗く。もう、夜景はぼんやりとではなく、私の目には建物の明かりも視界全体で響き合っているように見えた。なんていうか、整然としていて、これからもいろんな楽しい形に変わっていけば良いと思わせた。
今、きっとこの街での最後の朝が来た。この数日間で一番いい目覚めだった。部屋のドアを開けると、彼女が外側のドアノブを手にしようか迷っていたところだった。
なんだろう、ずっとそうだったのに夢の中みたい。でも、今日は帰らないと行けないというのも知っている。この感情ではうまく言えないが、駅を見つけないといけないのだ。彼女いわく、今日の地図にももちろん駅は載っていないらしい。あと早起きなんだな。
整えて外に出ると、やはり街は昨日と形を変えて賑わっている。まだ楽しめないかな、なんて思いながら二人は歩き出した。
私にはよく見えないが、私と同じような境遇の人もやっぱりいるのだろうか。この街が私を囲むように、私のためにある気はしない。彼女も私の前に別れた旅人たちとはどのように過ごしていたのだろうか。落ち着けば疑問も考えるようになるものだ。
「ねえ、あなたが前に会った人たちって、今どこにいるの。」
「分からない。でも、きっととても遠くて、とても近いところに引き離されていってしまったと思う。」
「じゃあ、会えるかもしれないってこと?」
「いいえ。この街でそれは運命であり、必然に近い。どれだけ近くにいても、互いに気づくことはできないもの…。」
「私帰れるかな…。」
「それも、誰にも分からない。けど、願いには確信があれば叶うんでしょ。信じなきゃ。」
そう言って、彼女は一歩だけ強く踏み出す。ああ、そういえば…。
「ちょっと待って、確かここに…。はい、あなたへのお土産だよ。私がいなくなってたときに買ったの。」
私はカバンからあの包を取り出してみせた。彼女は、何かとそれを見つめながら受け取る。これに相なすように辺りは冷えこんだ。風に彼女の髪がなびく。自分の贈る品物を相手が初めて見る瞬間というのは、楽しみより緊張と心配が無意識に込み上げる。
「このカップ…。本当に私にくれるの?きれいな色、もう温かい気がする。あなたみたいに。」
「もちろん、そのお皿もだよ。」
彼女がもう一度、その包に手を入れたとき、確かにそこから赤い羽根が一本、少し舞って落ちていった。多分私だけがそれに気づいていた。なぜか目を引く光景で…。時間がゆっくりと遠のいて、ぼーっとすると突然私の背中をあの鳴き声が突付いてこちらを呼んだ。さらには、頬をふわっと温かい羽毛が包む感覚があって驚いていると、彼女の包がもこもこと動き出し、彼女がそれにびっくりしているうちにその手からは赤い鳥が姿を現した。ぱさぱさと暴れていたが、地面に降りると、ちょこんとこちらを向き、二人の前であの丁寧な会釈をした。私も反射的に深くお辞儀をすると、その鳥は羽を広げて飛び立った。
「エシャクヒメドリ…。初めて見た。」
彼女は静かに表情を変える。さらには、飛び立ったエシャクヒメドリのいたところから、小さな赤い足跡がひとつずつ現れ、歩みを進めていく。どこに続くのだろうか。
「ねえ見て、このカップにもつけちゃったみたい。」
私がその不思議に見入っていると、彼女がそのカップを見せてくれた。赤い足跡は、三歩分ついていた。
「じゃあ、行きましょう。なんだかんだあったけど…いい旅だった。また来ようかな。この後どうなるのか気になるし。それに、パン屋でまた会いましょう。」
私たちはその足跡を辿っていった。何かお店の裏口のような扉だったが、開いて中を進むと懐かしい構内に出た。駅員さんがいて、切符を買いなさいと言う。制服の襟のところに赤い糸で小さな鳥のシルエットが刺繍してある。
「本当にここに来たの一年ぶりなの?」
「うん。この街から出ていくなんてなんだか…。なんていうの、うれしいんじゃなくて、寂しいんじゃなくて…。でもずっと止まっていたのが、あなたのお陰で動いてくれたって感じ。」
「私だって、きっとあなたに会えたから、ここにいる。」
お互い様。この街で出会いは日常、けれど再会は奇跡みたいなもので、街の中を歩くというより、街の中を流れていくみたいなものだから、初めてなのにこの状況の異質さが分かるようになっていた。
様通の駅の看板はまた新しく塗り替えられている。触れるとひんやりとしていて私の身体に何かを伝えてくれる気がする。
列車がやってきた。私たちは駅員さんが開けた扉に一緒に乗り込む。むんわり温かい空気が迎え入れ、冷たい肌とやさしく触れ合う。まっすぐ続く線路の方向に目を細めると、なんだか寒々しい様通の街がどこまでも広がっていくのが見えた。澄んだ空気は私たちの目にずっと遠くの小さい建物の様子までもくっきりと伝えた。
”がたごとん”と私たちの列車が進んでいくにつれて最初は様通の景色ばかりだったが、だんだん建物が減ってきて、山の中の道に入った。私たちはエンジンで温まった車内の中、すごく眠くなっていた。というか彼女はもう窓にもたれかかっていた。もう車両には私たちしかいないし、全く動きの無い時間に退屈しているわけでもなく、椅子とかが木製なので木目を見たりなぞったりしていた。うん…やることないんだよね。特に。
とかなんとか思いながら過ごしていると、彼女がかくっとバランスを崩し、はっと目を覚ましたようだった。
「これ、後どのくらいだったっけ…。」
まぶたの重そうなぐみゃっとした声で静かに口にする。あと…どのくらいなのだろう。景色の移ろいも特に気にしていなかったから、もうここがどこかは分からない。ああ、そう。目に新しいものも…。
「椅子立っていい?ちょっと風浴びて目を覚ましたくて。」
そういって私が席をどくと、彼女は車内を歩き回って前の方に扉を見つけたようだった。がら…と開けると、一気に風が吹き込む。彼女はしばらくそこで風を浴びていた。ちょっと暑くなってきたところなんだよな。と私もなんだか無意識にそちらへ歩いていった。
開いた扉の前に行くと一気に列車の速さだけ、冷えた空気が私を吹き飛ばそうとする。目をうまく開けにくい感じだ。彼女はそれでも、まっすぐ外を見ていた。
ああ、外には、赤い鳥が何百何千と飛んでいるのだ。色は鮮明に、まばゆい陽の光をいっぱいに浴びながら。皆、列車と同じ方向に飛んでいる。扉の外は壮観を張り出していたのだった。天染めて、会釈もせずに、旅の終、ここに春風、舞えよ赤羽…。ここには、列車の上の風が冷たいのだが。その鋭い波が、私の目には確かに見えた。
もう私たちが見入っていると赤い鳥たちは後ろに遅れていっていなくなってしまった。私たちはそのことを少し口にした後、列車は駅につく。もう話すこともないよなー。新幹線に乗れる駅までついたら、もうお別れ。私たちのその言葉はとても短かかった。彼女は、”旅も短かったんだから気にしないでいいと思う。”と言い、私がお願いすると再会した時の注文用紙に名前をカタカナで書いてくれた。
「レイカ…。」
「ていうか、名前なんで気にしなかったんだろ…。」
彼女はまた、不思議そうな顔に戻る。そうすると私も安心する。
「漢字では、書かないの…?」
「うん。本当は麗しいに華やかって書くの。でも、これって私っぽくないからいつもカタカナで書くの…。」
彼女の髪がほんの少し、寂しさに揺れて、艶が陰った気がした。
笑えば良いのか、悲しめば良いのか分からず口をつぐんで答えられなかったが、彼女が少し笑顔をみせてから、私は言った。
「うん。でも、私はあなたを麗華だって誇れるよ。その、またいつか会えたら…。」
「ありがとう。いつかって言葉より近い日に、きっと黒い鳥があなたのうちに来て連れてってくれる。私を…忘れなければ。でも、あなたなら…。」
「大丈夫だよ。ここからそっち方面に帰るんだ。じゃあ、ああ…また会おうね。」
彼女は口に出さず。こくんとうなずいて先に背を向けてゆっくり歩き出した。その背中から…彼女が階段を降りていくまで、目を離せなかった。さようなら、またいつか。
うちに帰ると早速、買った服を着てみたり、マグカップで飲んでみたりしました。もう気にしてるか分かんないんですけど、私のには二歩分の足跡がついてました。お菓子はあんまり日持ちしないらしいけど、それまでにレイカが来るかな…。
別に思い出そうとしたわけでは無いが、うちの窓を開けるとあの日より少し温かい春の風が優しく…ではなくちゃんとびゅんびゅん吹いてきたので、いろんなものが舞ってあの時を思い出せました。そして、まだちょっと揺れる心は、少し普通を塗り替えた幻覚に会う。
電線の上にいたのエシャクヒメドリだったかな…。黒いやつなんだけど。
おしまい




