佐々木優華のバレンタイン(1)
初投稿なのでお手柔らかにお願いします。
時期はずれなネタですが、そこはご勘弁下さい。
二月十四日、世間一般的にこの日はバレンタインデーと呼ばれる。
今でこそこの日は『チョコの日』て認識だけど、もともとはバレンタインて名前の
司祭が何かやったのが、この日のきっかけらしい。
その司祭が何をやったかは・・・知りたければ、自分で勝手にググりなさい。
私、難しい話はさっぱりだから。
とにかく、今日二月十四日は女の子が自分の愛をチョコに乗せて
好きな男の子に気持ちを伝える、そんな日なの。
その告白の結果が甘かれ苦かれ、私は素敵なことだと思う。
イベントの便乗とは言え、自分の気持ちを伝えるっていうことは。
・・・まぁでも、最近はそんな漫画みたいなロマンスもなかなか聞かなく
なったけどね。今は『友チョコ』って、女の子同士であげあう方が主流に
なってきているから。やっぱり気楽でいいもんね、同性でのやりとりだと。
ま、要するに今時、「○○君の為に愛情チョコ作ったの(ハート)」って
愛の告白をする方が珍しくなってきている訳よ。
そんな傾向だから、義理すら貰えない男どもにとってこの日は、ますます
世知辛いものとなってるわ。
それなのに・・・ぷっ! 思わず笑いそうになっちゃう。
だってクラスの男子、みんなして、朝っぱらからチョコの事で頭が
一杯なんだもん!
別に本人達がそう言っている訳じゃないんだけど、様子見てたら丸分かりよ。
ちょっとそわそわするぐらいなら可愛いんだけどね・・・。
あ、ほらほら聞こえてきた。悲しき男どもの叫びが。
「だいたいさ~、俺チョコなんて甘い物嫌いなんだよね。別に貰えないからって
強がり言ってるわけじゃねぇぜ。マジで全然欲しくないし・・・」
いや~、君は一番典型的かつ一番言っちゃマズイ事言ってるね~。
女の子は、ちょっとぐらい冗談めかして「チョコ欲しいなぁ」て言ってくれる人が
一番あげやすいのに。そんな言い方されたら、義理だってあげ辛いわよ。
まぁ、アンタみたいな勘違いモテ男には、誰もあげないだろうけど。
「みんなお菓子会社の掌の上で踊らされているだけなのに、どうしてこの事に
気付かないのかなぁ? 正常な俺らが、何か場の空気に逆らってるみたいな?
そんな感じになるからさ、嫌なんだよなこの季節。迷惑以外の何者でもないよ」
その舞台に上がれないアンタは何なんだろうね~♪
アンタが上がれるのは、土俵ぐらいよ。「チョコ」より「ちゃんこ」の方が
お似合いだわ。チョコが欲しければ、まずダイエットしなさい!
「俺分かんねぇんだけどさ、あのホワイトデーの三倍返しって何なの?
大してお金掛かってないようなチョコ押し付けといて、同じ価値ぐらいの
クッキーでお返しされると、露骨に「はぁ!?」みたいな顔すんだぜ。
マジで訳分かんねぇよ!!」
はい、そこのブチ切れボーイ。そういうのは、貰ってから言いましょうね。
どうせその話、友達の話か何かでしょ。・・・私知ってんだからね。
アンタが去年一昨年、てか中学生活で一個もチョコ貰ったことないぐらい。
ま、こんな感じにいろいろと痛い例を挙げてきたわけだけどさ、
中にはこいつら以上に変わった奴もいるわ。
それこそ私の幼馴染みスーパー堅物こと、藤村誠なんだけど。
本当に誠の変わりっぷりは異常だわ!!
だって、周りが朝からバレンタインの事でそわそわしまくっているっていうのに、
誠ったら「そんなの関係ないね」て顔で勉強ばっかしてんだもん。
そりゃ、県立受験の日が残り一ヶ月切ったから勉強に熱が入るのは分かるわよ。
でも、今日は天下のバレンタインなのよ! バ・レ・ン・タ・イ・ン!!
年に一回の行事なんだからさ、少しくらいはそわそわしなさいよ!
じゃなきゃ私、アンタの為に作ってきたチョコ、アンタに渡せないじゃない!!
鞄の中に何回か手を伸ばしたんだけど、私はいいタイミングが掴めずに
せっかくの手作りチョコを渡せずにいた。朝っぱらから、ずっとはがゆい思いを
しっぱなしだった。
・・・でもよく考えると、タイミングなんてただの言い訳にしか過ぎないのかな。
だって、何より掴めないのは、自分自身の気持ちなんだもん・・・。
誠相手だっていうのに、義理チョコだっていうのに・・・。どうしてかなぁ?
どーも、初投稿です。カレーパン28号ていいます。
この話は3部構成となっているので、よければあと2話ほどお付き合い下さい。
※感想貰えたら嬉しいです。