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旅の吟遊詩人はエレキギターを掻き鳴らす。  作者: デラシネ
吟遊詩人ハンキーの旅:ウェルフルの港町 リーバップでの記録
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アーティファクトはガラクタ

「みんな今日はありがとう!明後日またハンキーがステージに上がるよ!見逃すんじゃないよ!」



ハンキーは大盛況のうちにステージを終えた。



鳴り止まないアンコールに3回も応えた。


おかげで汗だくで息を切らし、一歩も動けないほどの疲労困憊だった。





「お疲れ様。お陰さんで今日の売り上げは過去最高だよ」



アイダはあの妙な楽器について好奇心を抑えきれなかった。





「ところでアレは一体何なんだい?あんな馬鹿でかい音が出るなんて、もしかして魔法なのかい?」



「遠からず、と言ったところだな」



「真面目に答えておくれよ。明日からみんなに繰り返し話さなきゃならないんだ」



「そうだな。アイダ、君に話したほうが都合が良さそうだ」



「なんだい。もったいぶるねえ」




ワクワクしてたまらないと言った笑顔だ。彼女もまた、ハンキーと同類なのかもしれない。





「あれはアーティファクトさ」



「・・・・・・・もう驚きもしないけどさ、アンタ、一体何者なんだい?」



とことん肝が座った女だ。






「アーティファクト」


古代に栄えた科学文明の遺産。


しかしこの世界におけるアーティファクトは「ガラクタ」同然のものだ。


古い遺跡や土層から出土したという考古学的価値があるだけで、製法も使い道も何もかも、1500年間一切解明されていない。


何故なら、万物に魔力が宿るこの世界で、唯一魔力が微塵も含まれていないものだったのだ。



しかし国の科学・魔法の両研究機関は、そのガラクタを懸賞金を掛けてまで必死に集め、厳重に保管し研究している。税金の投入には批判が多く、多くの資産家や実業家が援助をしているという話だ。


それを所持している?爵位の者でも不可能だろう。あるいはたまたま拾ったのか?





「お伽話の話だろ?大体、アーティファクトは動かないって話じゃないか」



「すまない。今はそれ以上のことは言えないんだ」





豊かな金髪を指でねじりながら、不満そうなアイダが言う。



「わかったよ。でもいいのかい?アタシは聞かれたら答えるわよ?」



「構わないさ。それが目的だからな」

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