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はなやかな恋を君に届けるから  作者: 氷ノ 光莉
2/3

再開

「お、お待たせー。はー、いい空気だったー!」

下手に笑顔を作る。

「もしかして、キスすると思った?」

「へ!?」

「当たってるんだ」

「いいいいいやいや!そそそそんなわけないじゃん!!!!」

「てんぱりすぎ」

「テンパってないし!!もういいよ!勉強の続きやろ!」

「そうだね」

私は、風兎くんが問題を書いてくれたメモ用紙に目をやる。

「えーっと、①の答えは…………『キ』か!」

と、風兎くんの方へドヤ顔で向くと、彼は微笑んで、

「正解」

と優しく言ってくれた。

「やったー」

思わず喜んでしまう。

これじゃあ、私が理科が全くできないみたいじゃん。

「じゃあ、②、やって」

「はいっ!」

②は、“月は地球の周りを回っている

その理由を簡潔に答えなさい”かー

あ、これどっかの伝記に手出たような……。

そうだ!『引力』だ!

「そうか、月は地球の『引力』に引かれてるんだ!」

また私はドヤッと風兎くんの方を向く。

「正解」

そう言って優しく笑う彼を見ていると、心が自然と温かくなる。

「実力、把握できた」

実力?

あー、問題のことか。

「で?私の実力どれくらい?」

気になる。

「花鈴の実力は……、基礎的なことはちゃんと身についてるけど、集中力があんまりない」

「集中力……。確かに私、集中力ないかも」

「でしょ?」

「うん!すごいね!風兎くん!」

目をキラキラさせる私に風兎くんは「ふっ」と笑って、

「なるほどな。あんな頑固な氷雨でも折れちゃうわけだ」

と言った。

「どうゆう意味?」

そう聞いても、

「なんでもない。」

と言われてしまった。

超気になるんだけれども……。

「天音さんたち、勉強終わった?俺たちは終わったけど……。」

氷雨くんたち終わったんだ。

「終わりにする?」

と私は風兎くんに聞くと、

「そうだね。」

と返された。

「じゃあ今度は、花鈴が氷雨に国語教えて、俺が凛に社会教えてもらうのはどう?」

今度は私が教える方か…。

「いいと思う!」

最初に賛成したのは凛だった。

「じゃあ私も賛成」

私も賛成した

「うん。いいよ」

と氷雨くんも賛成した。

「じゃあ決まり。氷雨、席、交換しよ」

風兎くんはそう言って席を立った。

氷雨くんが私の隣に座って、

「よろしくね」

と言った

「え、えーっと、まずこれ、やってみてくれる?」

私は風兎くんがやってくれたように問題集にあった問題をやってもらう。

「分かった」

氷雨くんはコツコツと問題をこなす。

なんだ!

めっちゃできるじゃん!

と、10分後、

「できた」

と氷雨くんは言った。

え!?

はや!

結構問題数あったのに……。

「どれどれ」

①は……合ってる

まあ漢字だし……。

②、あ、間違ってる

③、間違ってる

④、合ってるねー

⑤、合ってる。

⑥、うんうん合ってる

⑦、間違ってる

なるほど。

氷雨くんは漢字とか記号を書くやつとかはできるみたい…。

でも、“文章から抜き出しなさい”とか、“〜の理由を答えなさい”っていう問題は苦手みたい…。

「どう、だった?」

「うーん、漢字、得意でしょ。」

「うん。当たってる」

「それに“文章から抜き出しなさい”って言うやつは苦手でしょ。」

「おー。当たってる」

「“文章から抜き出しなさい”みたいな問題は必ず文章に答えがあるからっていつもママが言ってた……もう、いないけど」

「いないってどうゆうこと?」

「病気で………死んじゃった」

涙がポロッと溢れる

「あ、ごめん」

「ううん!気にしないで!」

「でも、会える場所、あるよ」

「えっ?」

「“後の世界”って言うんだけど、まあ『天国』みたいなところかな、森の奥にあって」

ーーー後の世界

聞いたことがない。

「あっ!でも危険性が高いから、もしかしたら命を落とすかもしれない。行くんだったら、よく考えて。」

“命を落とすかもしれない危険性”、か。

でも私はママに会いたい……。

でもでも、命を落とすかもしれない危険性だよ!?

私まで命落としたらママもパパも悲しむよね。

「まあ、天音さんが危険な状況になったら俺が助けにいくよ!」

氷雨くんのその言葉に、ドキンッと胸が鳴った

「頼りにしてるよ!氷雨くん!っていうかなんでそんな“後の世界”っていうのがあるって知ってるの?普通知らないじゃん!」

「え、そ、それは、秘密」

え!なにそれ。

「でも、“後の世界”はほんとに危険だから、出来るだけ行かないで。それに……………かもだし!

俺が言ったのにごめんね!」

『それに……………かもだし!』のところがよく聞き取れなかった。

「え、うん」


☆○☆○☆○☆○☆○☆○☆○☆○☆○☆○☆○☆○☆○☆


そして、図書館での“教え合いっこ”は終わり、月が照らす夜の道を歩いている時だった。

ふと、頭に氷雨くんが言っていた、“後の世界”を思い出した。

ーーーーーーーーーママ。

会いたいよ……。

よし!

私は決心した。

そうして向かったのは、森の奥だった。

「う、真っ暗……。でも頑張れ私!」

独り言をぶつぶつ。

「もう森の奥のはずだけど……。」

“後の世界”の扉はどこだろう

と、その時、


ドスンッ!


地面の上に何かが落ちたような音がした。

「な、何!?」

真っ暗で人がいないっていうのもあって、とても怖かった。

「おやおや。こんなところに一人の女の子……!

もしや、“後の世界”の扉を探しておりますか?」

ぎゃーーーーーーーー!?

「だ、誰!?」

私は声を張り上げた

「まあまあ、警戒しないでくださいよ。これでも人間を“後の世界”へと導く、案内人ですよ。」

「へ?案内人?」

「そうですよ。あなた、“後の世界”へ行きたいですか?」

「え、まあ」

「では、このわたくしが、連れていきましょう」

これってもしかして、誘拐犯!?

逃げなきゃ!

と思って私は全力疾走する。

「ちょっと!どこへ行くんですか?」

「きゃー。追いかけてこないで!誘拐犯!」

「ゆ、誘拐犯!?」

「だってそうでしょ!一番最初に言った言葉は、『こんなところに一人の女の子……!』だよ!?

それに、『わたくしが、連れていきましょう』なんて、誘拐犯のセリフ!!きゃあ!」

私は木の根っこにつまづいてしまった。

「大丈夫ですか?」

その誘拐犯の顔を見るととても恐ろしい顔をしていた。

肌は真っ白。ピエロみたいにお化粧をしていて、目が三つ。

とても不気味な顔だ。

「こ、っちに、こな、いで、」

勇気を振り絞って言った言葉はとても弱々しい言葉だった。

「大丈夫ですよ。誘拐犯じゃありませんし、この顔はメイクですよ。お嬢さんは“後の世界”に行きたいんですよね?」

「は、い、」

「では、行きましょう!“後の世界”へ!ご心配ありません。お嬢さんを誘拐なんかしませんよ。ご安心のため“後の世界”の扉を開きましょうか?そうしたら信用してもらえますか?」

誘拐犯……じゃなくて、男の人は私に丁寧に話してくれる。

こんな森くるんじゃなかった……。


ズドドドド!


今度はさっきよりも大きな音。

男の人の前には、扉があった。

「ほら、これが“後の世界”への入り口です。信用してくれましたか?」

「こ、これが、“後の世界”への扉。」

「そうですよ。ではいきましょう!」

「は、い」

私は男の人(案内人)を信用した。

その扉の中へ入ったら、そこはとてもにぎやかな所だった。

「まあ、死ぬってのもいいかもな」「ここで遊び倒そう!」「この世界にこんなところがあるとは!」と、この世界の住人は言う。

でも、ここにいる住人は人間じゃなかった。

「ね!すごいでしょ!ここ」

男の人は目を輝かせながら言った。

「あ、あのぉ、お名前を教えてもらっても?」

「ああ、もちろんです。わたくしの名前は、鬼郎きろうと申します。」

き、鬼郎?

失礼だけど、なんか恐ろしい名前。

「では、わたくしはここで失礼させていただきます」

「え?でも案内してくれるんじゃ…。」

「案内人と申しましたが、ここにくるための案内人でして、なかの案内は流石にできません。申し訳ございません。お客様」

「わ、分かりました」

「くれぐれも、ここは“後の世界”です。凶悪人や、死神、などもいるので気をつけてください。出来るだけ長居は避けてください」

「は、はい!」

「では失礼させていただきます」

と言ったら行ってしまった

ほんとに、誘拐犯じゃなかったな。

そうだ!ママを探さなきゃ!

でも、ここ、広いからなあ。

見つけるの大変……

「花鈴!」

と声がした。

声がした方を向くと、ママがいた。

「ママ!?」

ママは檻の中に入っていた。

「なんで檻の中にいるの!?」

「それが、病気で死んで、気づいたらここに居たの。多分ママが人間だからよね…。」

ママは悲しそうに言う。

ママ……!

「会えた。やっと会えた!」

あ…えた

嬉しい。嬉しい。嬉しい。

そうゆう気持ちでいっぱいで、涙がひとつ、溢れ落ちた。

「花鈴……大きくなったのね。ママ嬉しいわ」

ママはにっこり太陽みたいに笑った


そのあと、大変なことになることも知らずに……


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