ありの木、春に白き花を咲かせ秋に実る。
春には白い可愛い花が沢山咲く木、金をつぎ込み道楽で、祖父が作った裏庭の奥の離れの前。その木の下でねえやとままごと遊びをしたのは、稽古事に追われぬまだちいさな時だったと思う。今は懐かしい想い出。
そうして髪を島田に結い上げる年になった頃、ありの木が側に植えられている裏庭の離れに、職人が通うのを、ちらほら見かけ、その姿がすっかり消えたある日の事。
私に腹違いの妹が出来た。
そうして髪を島田に結い上げる年になった頃、ありの木が側に植えられている裏庭の離れに、職人が通うのを、ちらほら見かけ、その姿がすっかり消えたある日の事。
私に腹違いの妹が出来た。