表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ムラカミ博士のロボット

作者: 和也

『これが私の開発したロボットです。このロボットに言いつけておけばどんな面倒なことでも言いつけどおりの仕事をしてくれます』ロボットを作ったムラカミ博士は得意げにはなした。それを聞いた金持ちのヤマダ氏は言った。『素晴らしい、ぜひ私に売ってください』ムラカミ博士は満面の笑みで答えた。『きっとお役に立ちますよ』。ヤマダ氏は大金を払ってロボットを手に入れた。


 家に帰ったヤマダ氏はさっそく腰掛けるとこう言った。『ああ、今日はとってもくたびれた、何か冷たいものを飲みたいな』。するとさっそくロボットがやって来て冷えたビールを差し出した。ヤマダ氏は満足した様子でつぶやいた。『これはいいロボットだ。さすがはムラカミ博士だ。』ロボットは料理や洗濯だけではなくヤマダ氏の話相手になってくれたり、壊れた物があればその場で修理してくれた。ヤマダ氏とロボットの新しい生活が始まったかのようにみえた。


 しばらく経ったある日、ヤマダ氏は急な用事で出かけることになった。そこでロボットに留守番をさせることにした。『私が留守の間どろぼうが入るかもしれないからこの家をしっかり見ておいてくれ』。ロボットは答えた。『家を見ていればいいんですね?』。そしてヤマダ氏は出かけていった。その夜、ヤマダ氏の思ったとおりどろぼうがやってきた。しかし様子が変だった。ロボットが庭先に立って屋敷をじっと眺めているのだ。どろぼうは考えた。『これは自分を捕まえる為の罠かもしれない』。どろぼうは一歩近づいてみた。なにも起こらないのでもう一歩近づいてみた。それでもロボットはずっと屋敷を見ているだけだ。どろぼうはまた一歩と近づいていき、屋敷の中の宝ものを盗んでいった。

『こんなに不用心な家は初めてだ。家の主人はなぜあんなロボットを置いているんだろう?』。

 次の日、ヤマダ氏が帰ってきた。宝ものがなくなっているのに気づき怒ってロボットに聞いた。『家の中の宝ものがなくなっているが私の留守の間誰かきたのか?』ロボットは答えた。『はい、どろぼうが屋敷の中に入っていきましたが私は、家を見ていたので止められませんでした。』

 このことがあってからヤマダ氏はロボットを嫌いになってしまった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ