新キャラが増えます
久しぶりの投稿になります。
今の季節は夏。それも梅雨。当然、雨が降り続く季節である。そして今日も雨が降っている。それは、目の前のこいつを見ればわかるだろう・・・
「・・・で、なんでお前はずぶ濡れなんだよ?」
「濡れてきたから!」
「それは見たらわかるんだよ!俺が言ってんのは、なんで傘持ってるくせに濡れてんだってことだよ‼」
目の前のアホ―――みつるは両手に折りたたみ傘を持ち、頭の先から足の先まで、水が滴るほど濡れている。
しかも、拭くこともしないでただ笑いながら立っている。
「なんでって言われても、俺今日傘忘れたもん」
・・・・・・は?なに言ってんだこいつ・・・?
両の目をこすって、良ーく目を凝らしても、どう見ても折りたたみ傘だ。ナインの折りたたみ傘で間違いない。
「ハハハ・・・。何やってんだよみつる」
「あ、幸くんおはよう」
みつるの発言に頭を抱えているときに後ろから話しかけてきた。
・・・そうだ、こいつに聞けばわかるはずだ!
「なぁ幸、こいつ傘持ってるよな?」
「どこにだよ。それよりさ、さっきからなんでこいつ恵方巻ずっと握ってるんだ?いらないならくれないかな?」
え、恵方巻!あれが‼確かに黒いけどどう見ても違うだろ。
い、いや。もしかしたらあれは傘じゃないのかもしれない。俺がただただ疲れてるだけなのかもしれない。ほんとは恵方巻なのかもしれない。
ちょっとした自問自答を繰り返してしまった。
「なぁみつる、その恵方巻一本くれねぇか?」
「えー、どうしよっかなぁ」
「いいだろ。腹減ってんだよ~」
「仕方ないなぁ。一本だけだよ」
「よっしゃー!」
もうなんだかわかんないや。
こいつら普通に恵方巻として扱うし・・・。
「仁もいる?」
「お、おう。もらうよ・・・」
みつるから恵方巻?を受け取った。
そのままかじってしまった。
「ガリッ」
かんだとたん固い触感が口の中に広がった。
どう考えても恵方巻の触感じゃなかった。そこでようやく我に返った。そして思い出した。こいつら二人ともアホだったことを。
「な、なぁみちる。これなんに見える?」
あきれた顔でみちるに渡された傘を突き付けた。
「何って・・・傘だね」
「だろ。傘なんだよ。今、お前俺にこれくわせようとしたよな」
「し、してないよ・・・。だからその顔と手に力入れるのやめてよ・・・」
「みーちーるー!」
「ギヤアアアァァ‼」
チャイムが鳴るまでみちるをいじめたをした。
みちるは涙目で、
「申しません。気を付けます」
と反省しているようだった。が、ぜったい次もすると確信している。だから罰は手を抜かないようにしていいる。
ちなみに幸は、ほんとに恵方巻だと信じ続け、半分まで傘のナイロンを噛み破って一つの傘をダメにした。その後弁償したらしい。
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