神の使い。
三連休イェーイェーイェーイ。昨日久しぶりに体を動かしたので全身筋肉痛 笑
〜第17話〜
ーー「お稲荷様⁉︎」
その声の主は、切妻屋根の上に座っていた。青いジャージを来ており、目は狐の様に細く、下瞼に赤の線が入っている。ベースボールキャップを被り狐色のストレートロングに六つの尾。実にお稲荷様を擬人化した様な姿だ。ジャージを除いて。
そのお稲荷様は微笑しながら堂々とした口調で話す。
「いかにも。私がここの稲荷狐である。」
「やっぱりっすか⁉︎」
すると、いきなり真剣な眼差しでみつめて聞いてきた。
「お主、何故ここに来た。此処は生身の人間が踏み入れてはいけない区域だぞ。お主の身に何か起きる前に出て行け。」
「……出来ればそうしたいんですけど、どうも迷ってしまって」
「……」
暫しの沈黙の中、俺は目の前にいるお稲荷様の無言の圧力にギリギリのところで踏ん張っていた。
その沈黙を破ったのは、お稲荷様だった。
「そうか…。ならばその辺の小物妖怪にでも襲われ、己の無力を知ながらのたれ死んでいくがいい。いや?そこら辺の小物に喰わすのはちと惜しいな。そうだな、お主、そこら辺の小物妖怪に喰われるか、私に喰われるか。どちらが良い?」
「……⁉︎」
唐突に告げられた選択肢。この緊迫した空気の中、明らかに劣勢なのはこちらだ。だが、俺が選んだのは2つの選択肢にはない、シンプルな答えだ。
「…失礼ですが、俺にその選択は出来ません。小物妖怪に喰われるのも、貴女に喰われるのも、断固拒否します。俺は別の世界から来た無力でちっぽけな人間です。そんなちっぽけな人間だからこそ、死ぬわけにはいかないんです。」
俺のその答えに、間髪無く問いかけてくる。
「ならば、お主は何か死ねない理由があるのか?」
「はい。まだこの世界に来てから間もないですが、それでも大切だと思える人
が居るんです。その人の為にも、そして今もまだあっちの世界で待って居るかもしれない人達の為にも自分は此処で死ぬわけにはいかないんです。」
俺のその意思に、すこし固まった後、ニタァァと笑い、しみじみ呟いた。
「そうか…。似ているな、あいつに。」
すると、お稲荷様は急に自信に満ち溢れた口調になり、俺を鼓舞してくれた。
「さぁ行け人間‼︎私はお前を認めた‼︎誇るがいい。運命を否定したその意思、存分に見せてもらおう!」
その声を背中に受け、俺はその場を去った。
ーー「よかったのか?行かせて」
誰も居なくなった祠に、人間の里に売っている非常に美味な団子餅を供え、頬杖をつきながら私を見上げる鬼が一人。
「うむ。その件は心配無用だ。彼奴は人間の中でも自分の立場を弁え、それでいて、自分の意思を曲げる事なく示した。此処の人間、いや別世界にもそう居ない。」
「ま、その辺はオレも同感だが、まだあいつはこの世界に来て日は浅い。何が起きてからでは遅いんだよ。」
「悠士、お前も変わったな。あ〜あ、私は悲しいぞ。昔は何があろうと自分の意思を曲げずに面白い奴だと思ってたのに。」
呆れた様子で肩をすぼめる。
「いや逆にお前は何も変わってなさすぎなんだよ、葵。バカ妖怪が封印を解いてオレが暴走を止めた後から全く。強いて変わったというなら、昔より『丸くなった』ということぐらいか。」
それを聞いて、彼女はまんざらでもない感じで笑って見せた。
六尾狐の 葵。妖怪の中でも古参で、妖力はかなり強い。あの人妖と過去に戦い、敗れたあと、この場所に封印された。三百年の時を経て、この地を支配しようとした悪妖が、封印を解き、災害レベルの被害を出した。結果オレが沈めたが、再び狐の祟りを恐れた里の人間達が此処に祠を建て、崇め奉る様になった。今は色んな思いも吹っ切れ、狐や人の姿で出歩く事もある。
「じゃとりあえずあいつ見てくるわ。邪魔にならない程度に。メリィにも頼まれてるしな。」
「行ってらっは〜い」
団子餅を食べながらとろける様な顔で見送ってくれた。
今もまだ家であいつの帰りを待っているメリィの為に、オレは薄暗い森の中を駆けて行った。
つづく
最近テレビ見てないなー。機会があれば見ていきたいと思う。
次回もお楽しみに。アディオス!




