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人命怪々劇  作者: 伊庭 トラの助
第1幕
13/32

過去を想えば、未来は変わる。

今日3月11日ですね。忘れてはいけない大切な日ですね。「Be the light 」歌いましたよ。震災に遭われた方々の幸せと、お亡くなりになられた方々に、ご冥福をお祈りいたします。


〜13章〜


ーー遙が淡々と語る。


「彼の"先代"たちは、今から丁度千年前、この村を作ったとある人間の『男』と深く関係しているんだ。その男は昔から何か特別な力があったらしく、大妖怪達から気に入られていた。しかし、かつてこの地は人間を支配していた強い妖怪達が、何の能力も持たない人間を奴隷の様に扱っていた、その事を知った男は、ふと思った。『人間と妖怪が平等に暮らせる自分だけの村を作ろう』と。」

「そんでできたのがこの村……」

「そう。その男は初めて妖怪と人間の間の関係をぶち壊したんだ。そして、その男が生きていた間は争いは全く起こらなかった。しかし、その男が死んだ後、妖怪達が、村を治める後継者争いをし出した、これが『血洗島(ちせんじま)碑田森(ひだもり)の決戦』という二つの大きな戦が起きる。そこでその戦を止めたのが、悠士の祖父、『鬼述

昭悠(あきひさ)』という鬼の豪族だったんだ。」

「悠士の祖父……」

「その功績を讃えられ、その祖父が男の意志を継いで、約200年間その地を守った。でも、それも長くは続かなかった。こんどは、祖父の病死によって、必然的にその息子が後を継いだんだが、そのタイミングを見計らい、妖怪の中でも高い戦闘能力を持つ鬼の上位種、吸血鬼一族が一揆を起こしたんだ。これが、『天幻の鬼一揆』だ。この戦は長きに渡り続いたが、最後の最後、吸血鬼一族を絶滅まで追い込むが、仲間の妖怪に裏切られ戦死。こうして戦が終わった。そしてその後、生まれて来る今唯一の『鬼述』一族の生き残りが、悠士ってわけだ。」

「・・・・・」


この村の壮絶な過去。こんな事を聞かされて、言葉が出る方がおかしい。そして思った。

(あの自分とさほど変わらない背中なのに、人間と鬼という違いだけでこうも違うのだろうか。)

と。しかし、それも既に分かっていた。


そう、重みだ。彼とは背負っている重みの量が根本的に違う。


ああ、なんて人間という生物は無力で愚かなんだ。そして、如何に自分という存在がちっぽけで幸せ者かが分かる。


すると、自分はきっと深刻な顔をしていたんだろう。メリィが心配そうに話かけてきた。


「ちょっと悩ませちゃったわね。息抜きに結無達探しに行きましょうか。」

「そうだな。じゃ行こう」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「来たわね」


障子の向こうから歩く音が聞こえる。

すると、障子に移る黒い影が、声を発した。


「あの〜日照様?いらっしゃいます?」

「はぁ…入って良いわよ」


障子を開け入って来たのは、よく世話になった鬼だった。


「あら、悠士君久しぶりね。」

「久しぶり。最近忙しいらしいな。大丈夫か?」

「大丈夫じゃないわよ〜。なんでよりにもよって1000周年が今年なのよ。」

「仕方ないだろ。そんなこたぁ先代に言ってくれよ」

「まぁおかげで退屈しないけどね。」

「で、今回のイベントの件なんだが、」


急に真剣な眼差しで私を見つめ、


「もう気付いてるだろ、あの『別世界の人間』のこと。」


彼の質問は的確だった。確かに私も気にかかっていた。何故このタイミング、この場所、そして、私達妖怪との出会い。 元々別世界から来る人間は、不思議な奴が多い。しかも、この村に入ってくることなんて極稀。しかも1000年経った今このタイミングで。


「うん、私も気になってるんだけど、どうも偶然にしては、出来過ぎかなって。」

「確かにな。」

「そう。まるで、誰かが『意図的に仕組んだ』としか思えないわね。」

「でも、あいつ自身はなんも覚えてないそうだしな。」

「そうねぇ、もうあの大『人妖』に聞いてみるしかなさそうね。」

「じゃああいつには、オレが頼んどくよ。」

「任せたわーー」


そう言い終わろうとした時、後ろの障子がドンッ!と開き、そこに居たのは、

息を切らしながらこちらを見つめる、

萱草(かんぞう)色と黒の混じったツンツンヘアの黄色のパーカーに膝までのズボンを履いた、元気な印象の6〜8歳くらい子供、大山足名神(おおやまあしながみ)の息子の 足名(あしな) 推命(すいめい) がいた。


「どうした、推命?」

「大変です!遙様とお客様達が、謎のムキムキマッスル化した鯉に追いかけ回されてます‼︎」

「なんでマッスル化してんだよ!この寺の鯉どうかしてるぜ!」

「と、とにかく早く見つけに行きましょう」

「さっき見かけたのは大庭園でしたから、まだ近くにいるはずです‼︎」

「おっしゃ、行くぞ!」

「あっ!ちょっと待ちなさいよーー」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



つづく

ようやく自分らしい文が描けました。この調子で行きたいです。どうかお付き合い下さい。

次回もお楽しみに、アディオス‼︎

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