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人命怪々劇  作者: 伊庭 トラの助
第1幕
10/32

未確認で生命体……UMAってやつか‼︎

2日ぶり。お腹が最近すごく減る。お菓子…お菓子をぉ…くれぇぇぇぇい。

〜10章〜



と言う訳で俺たちはそのまま地底に行くことになった。里の大きな馬車に乗せてもらい、みんな一通り落ち着いた。


「また何で地底に」

「いや特に大きな用はないが、今年は色々忙しいだろ?下見しに来たのと、地底人らに会いに行くぐらいかな」

「ふーん・・・」


「あ、裕翔にまだ言ってなかったな。見て分かると思うが、オレは鬼だ。みんなからは『天幻の守り神』とかなんたら言われてるが、実際はそうなのかも知れないな。」

「何年此処に?」

「あれ飛烏今何歳だっけ」

「丁度220歳だよ」

「あーそうか。じゃ此処に居座ってもう110年位からかな。あんま覚えてねぇわ」


飛烏と悠士が同い年、と言うより110年も此処に居るということに驚いた。


「で、この村最大のイベントが、今年の夏あるんだよな」

「最大のイベント?」

「その名も!"天幻村1000周年記念大感謝祭"だ」


ドヤ顔キメながら誇らしげに話す悠士。きっと自分が守って来たのだから当然だろう。的な感じだろう。


「シンプルな質問なんだけど今この世界何年なの?」

「知らん。この村は日本にあるが、日本以外の国の情報はよく知られていないんだ。あ、ちなみにこの地域では今年は1000年」


するとメリィが聞いてきた。


「裕翔が元いた世界は何年なの?」

「あー。俺の世界は『平成29年 2017年 4月』21世紀だ。」


その答えに一同顔を見合わせる。


「待て、じゃあ今9世紀だろ?12世紀先じゃねぇか!」

「それに、此処ももうすぐ4月……」

「1017年先の未来、ですか。興味深いですね。」


まぁ当然の反応だろう。突然違う世界からやってきて、しかもそいつが1000年先の世界の住人だなんて、だれが予想しただろうか。


「ちょ、頼む。お前のいた未来、いや世界はどんな感じなんだ?教えてくれ。」

「んー覚えてる範囲なら」


みんなで目を輝かせこちらを見ている。よほどこういう事を聞いた試しがないのだろう。


「そうだなぁ、まぁまずこの世界とは根本的な部分が違うんだ。」

「根本的な部分……」

「そう、まず俺のいた世界は妖怪や幽霊はいないこと。」


それぞれ驚きの表情を見せる。


「いないのか?」

「うーむ今の時代はいないかな。幽霊は微妙だけど、存在はしているかしてないかは誰も分かっていないんだ。妖怪は伝説や怪奇、神としてその『カテゴリー』

は残ってるけどその『姿』は誰も見た事がない。」

「じゃあいるのは人間と動物だけか?」

「うんまぁそうなるな。」

「そうか……」

「でも、技術は大幅に進化し続けてるぜ?機械が使えるようになってからは、大分過ごしやすくなったし。まぁ頼りすぎってのもあるけど。」

「ん?ちょっと待ってくれ、それじゃ32年前に異世界から来たあのちょんまげのおっさんは……」

「多分過去の人だと思う。ちょんまげは江戸時代ぐらいに主流だったからな。今ちょんまげなんて付けて街歩いたりしたらみんなの晒しもんだから。」

「おっさん……」


その他生活の日常の中にあるありとあらゆるものを説明しまくった。


「こんな馬車じゃなくても車や自転車というものがあって………」

「それに、どこに居ても通信が取れる便利なスマートフォンとか、色々なジャンルの映像を見ることが出来るテレビとか………」


その説明を受け、超能力少女 深思議 結無が口を開く。


「そんなんもう超能力いらんやん……」


相当SHOCKだったのか、可愛いエセ関西弁が出てしまっている。

すると、そんな結無に気を使った悠士が、


「ま、まぁ確かに超能力は向こうでは役立たずそうだが、この世界ではお前大分役に立ってるじゃん。良かったな。」


全くフォローになっていない。ていうか、軽くdisってるよね?


「褒めてんですかそれ……」

「ナハァッ⁉︎ちょごめんごめんもう何も言わないから、金縛りを解いてくれぃ。」


ムッとした表情で金縛りを解く。

ちょっと不機嫌にさせちゃったかな?


「でも超能力を使えるなんてことになったら一躍有名人に慣れるぜ?それに生活も楽になるし」

「・・・・・」

「・・・・・」


しばしの沈黙。何かタブーなことでも言ったかなと思っていると、その沈黙を破ったのは、少し表情が暗くなった結無だった。


「私は、この超能力の所為で、いろんな人や妖怪に迷惑をかけてしまった。だからこれ以上自分が幸せになってしまうわけにはいかないんです。私は今いる村の子供達やみんなと居れるだけで幸せですから。」


しんみりした声で言う彼女。深紫色の頭を優しく撫でる悠士。


「そうか…ごめん何も知らないで」

「いいんですよ事実ですし。でも、空気を重くさせてしまいましたね。どうぞ続けて下さい。」

「そうだな。じゃーー」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ーーーー「あれ?遙様、こんな所で何を・・・」

地底でも特に古びた外観の、そして大きな敷地を持つ、峰樂寺の中庭で出会ったのは、茜色のおかっぱ、瞳に赤と橙色の

小袖を着た、幼い少女が、曇り一つない小さな目でこちらを見上げていた。


「ああ、シャグか。日照様は?」

「日照様なら本堂に居ましたよ。」

「そうか。それより、邪魅知らないか?さっき玄関出た先に変な紐が垂れ下がってて、で引いたら上から樽が落ちてきてな。許すまじと思ったわけだ。プライド的にもな。」

「あー、だからそんなに小さいんですね〜」

「ダァァレェェェガチビダッテェェ?」

「ヒィッ、ごめんなさいごめんなさい。謝りますから、実験体にはしないで下さい」


一通り話しを終わらした後、シャグも付いてくると言うので断る理由もないので、仕方なく許諾した。


「邪魅さんのことですから、また参拝客にイタズラを仕掛けてるんじゃないですかね。」

「了解した。参拝道に行こう。」

「すぐ見つかると良いんですがねぇ」


二人は走り出す。何だか今日という今日はまた、忙しくなりそうな予感がする。



つづく

次回は木曜…描けるかなぁ。多分描けると思う(本当かなぁ)

次回もお楽しみに。アディオス!

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