第1話 急遽召喚されました。帰れないっぽいです。
なんか思いつきで書こうと思いました。後々黒歴史になりそう……
急だった。
急に目の前が真っ白になって長いような短いような時間が経った後には見知らぬ光景が広がっていた。
どこかの建物の中のようで、家具などはなく、閑散とした物置小屋のようなところだった。
そして、目の前には俺より少し背の低そうな、しかし、キリッとしていて、仕事ができそうな女の人がいた。
「お願いします、佐藤様私達を救ってください」
彼女が俺を召喚? したのだろうか……。召喚者? であろう彼女が頭を下げて頼んできた。
……いやいやいや、召喚したのはいいけど、いや、よくないか、まあでも召喚された瞬間に急に頭下げて救ってくれって言われてもさ、意味わからなすぎるでしょ。唐突過ぎて状況が理解出来なさすぎるわ。
「え、あのー……、何から言えばいいのかな」
あまりにも急過ぎて頭の中で考えがまとまらない。
召喚されて、救いを求められたってことは最近流行りの勇者として召喚されたってやつなのだろうか、いやー、いざ自分が急に召喚されると現実味が湧かないというか、家に帰ってから見るはずだったアニメとかやり途中のゲームとか気になり始めるな。
とりあえず、うん、帰してもらおう。
「すみません……別の人にあたって下さい」
とりあえず俺も頭を下げた。
すると、俺に頼みごとしてきた時からずっと頭を下げたままだった彼女が顔を上げた。
すると、その彼女は涙を流しながら上目遣いでこっちを見てくる。それはもう必死な目で。
それ反則やろー、なんというか、仕事出来る人が失敗しちゃって責任感に耐えられなくなって泣いてるみたいな、なんというか、ギャップ萌え?何か違うかな。
「……すみませんっ、ぐすっ……もう帰すほどの、魔力も無くて、……あなたしか頼れる人がいないんですっ……」
涙を流し嗚咽を漏らしながら俺に伝えてくる。綺麗な顔が台無しだ。これはこれでありなのかもしれないけど。
というか凄い無責任だろうか……。呼び出すなら帰す分くらいの魔力くらい用意してくれ。いや、まあ俺勝手に踏んじゃったんだけどさ。どうしようか、というか、見ず知らずの俺のことしか頼る人いないってなかなか意味わからないな。
とりあえずあれだな、どうせ帰れないらしいから話を聞いた方がいいのかな。
「とりあえず、帰れないみたいなので話は聞きます。とりあえず俺を呼び出した理由を聞いてもいいですか?」
「は、はい。その、私たちの国は私たち王族が統治していたのですが、えっと……いろいろありまして、反乱というか、戦争が起きました。私たちは必死に対抗しましたが、もうほとんど占領されてしまって、私たちの世界を救ってくれる人を呼び出すしかなかったんです」
それにしても急に結構ハキハキ喋り出すようになったな。ひょっとしてさっきの嘘泣きか?それとも切り替えが早いのだろうか。
まあそんなことより聞く限り結構ギリギリらしいな。いろいろあったって……なにか後ろめたいことでもあるのかな……。
俺がこの国を救う人という事らしいしなにか俺がいることで方法とかもあるのかもしれないな。もしかしたら特別な能力とかもあるかもだし。やべ、少し楽しみになってきた。とりあえずいろいろ聞いて見なければ。
「あの、俺はとりあえず何をすれば帰得してもらえるのでしょう?聞く限りこの国を救えば帰してくれるような気がするんですけど」
「は、はい!私たちを救って頂いたらすぐにでも帰せるようにしたいと思います!」
国1つを救うのかぁ……柄じゃないなぁ。でも、この無責任な召喚者のせいで俺帰れそうにないし。早く家でエロげやりたい。まあでもこの子可愛いからまあ許してあげてもいいけれど。……え? 勝手に踏んだのは俺? そんなの気にしない気にしない。できる限り早く帰れるように全力を尽くそう。
とりあえず、俺に救えるほどの力があるかどうか聞いてみるべきかな。
「とりあえずは分かりました。俺も早く帰りたいので、できる限り協力します」
「本当ですか!?」
「はい、召喚されて帰れないならばとりあえず協力します。ところで、俺に国を救って欲しいと頼むのならば俺にはどんな力があるのか教えてもらえますか?」
とりあえず自分の能力は把握しなくては。世界を救うことが出来る可能性がある力とは……期待してるぜ。
すぐ返事が来ると思っていたが、目の前の召喚者の女性は難しい顔しだして、なかなか返答が帰ってこない。
そして、こちらの目をじっと見て意を決したような顔を向けた。
「すみません、わからないんです」
「……は?」