S2 「初めての対人戦」
ショートストーリーです
15時頃で本編追加投稿します
武・防具屋の店主こと『セルゲイ』は驚いていた。ジュンのステータスが
読めなかったからだ。逆にジュンが自分と同じ鑑定メガネを掛けている事に
気付いている
「くそ!何故だ?何故小娘のステータスが読めない?」
そう慌てているうちに更に驚かされる。襲い掛かる手下達の攻撃が1つもジュン
達に当たらないからだ。それだけではなかった。2人が一瞬眩い光に包まれると
その姿を変える。内容は判らないが一応表の看板に武・防具屋の肩書きを持つ
セルゲイは気付く
「な、なんだと!アレは『勇士の鎧』に『勇士の剣』ではないか!何故だ?
あんな素人同然の2人が買える様な代物じゃないぞ」
セルゲイが見たモノは間違いなく『勇士の鎧』と『勇士の剣』だ。
確かにジュンが買える代物では無い。だが、借りる事は出来る。それも確かな
信頼を得ての話だ。その信頼を勝ち取っていたジュン。それだけでは無い彼女の
足には『韋駄天のブーツ』を履いている。
傍から見れば…どこのコスプレ少女かと思える格好だ。男性が着込めば、無骨な
全身鎧姿だが、女性が装着すれば、プレート鎧の筈なのに胸元が開きヘソは
出ている。腰当は何故かミニスカートでオマケにブーツは赤いハイヒール。
(あぁ~生でこんな姿を拝めるなんて、それも上から谷間が覗ける位置に視線が
あるなんて日本じゃ考えらんねぇ~サイコー!だよ。写メ撮りてぇ~)
自分の姿に欲情しながらジュンは戦う。悪漢の攻撃は完全防備の2人には全く
効かず、ワンサイドゲームだ。打合わせではGM率いる警備隊が強襲に掛かる
筈だが一向に来ない。それでも構わず戦い続けるジュンとアデル。
ついに手下共を戦意喪失させ、セルゲイを追い詰めた。
腰が抜け大地に転がる悪の親玉。口を震わせながらズルズルと後ずさりしていく
「おっと!このままお前を逃す筈が無いだろ」
そう言ってジュンは左足でセルゲイを踏みつけ動きを止めた
「待て!待て!待ってくれ!殺すな!金、金は好きなだけやるから」
「金は別のトコからもらうさ。お前を殺しもしない!攫われた人達を探さないと
イケナイからな。だけど…お前には…玉は要らないよな!」
そう告げたと同時にジュンは、真っ赤なハイヒールの鋭く尖った踵で
セルゲイの太ももの付け根目掛けて踏み込んだ。
「ジュンちゃ~ん!ソレをやっちゃぁ駄目~!!」
ギルド職員のケリーさんの悲痛な叫びが戦場と化したこの場に鳴り響く
ドカドカと成り行きを呆然と見詰ていた警備隊がGMケビンに率いられ介入
セルゲイは小便を漏らし気絶していた。
「もう貴女ったら顔に似合わず恐ろしい事するのね!」
「大丈夫ですよケリーさん。この靴借り物なんで、汚い物は踏みませんから」
「お姉様…その技私に教えて…」
アデルの言葉を無視して俺とケリーお姉さんは残りを男衆に任せ町へと帰った
S2 「初めての対人戦」 完
如何だったでしょうか?