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九話  [一気に・・・」

9話目となりました


ヘルマンからの祝いの品はアデルも甚く喜んだ。彼女もこの世界の住人

PTやチームの事は知っている。ヘルマンの思いを伝えると、アデルも乗り気で

新たな奴隷探しを進言してきた。


「お姉様、私が居た館に同じ歳のネコ娘が居りました。ちょっとツンとした

 トコは在りますが、猫人族は犬人族より機敏な動きをしますよ。

あぁ~トカゲ族だと、力と硬い表皮が有名ですね。

後は…そうそう!DEダーク・エルフのお姉さんを忘れてましたね」


「まぁまぁ、アデルちゃんったら。選ぶのはジュン様ですよ。

 ジュン様どうか他の子も良い子になさって下さいませ」


いつの間にか女将は俺に様付けだが、アデルは呼び捨てにしている。2人を

見てると…まるで親子の様だ。…きっと彼女も人に言えない過去が在るのかも

しれない。触れずに居よう。2人が仲が良いのは有難い。だが俺のPTメンバー

が増えれば、問題も生じるのだが、ソレは一旦棚上げにしておこう。


今夜は宿皆がアデルの成変を祝ってくれるらしい。奴隷商に行くのは明日にして

アデルの祝いを楽しむ事にしよう。


ヘルマンからの鎧は取り合えず仕舞って置く。今のボク達では目立ち過ぎる

一般的な『戦士の革鎧』を纏い、再び町の奴隷商を訪れた。


(因みに昨夜風呂場で女将に指摘され思考回路から俺を棄てボクに切り替える

 努力を始める。少しは女性っぽい仕草をみせようと思った結果だ)

『*次話で意味が通じると思います』


「おやおや、確か貴女様は…ええ約10日程前に」

「そうそう犬人の幼子を買って頂いたお客様でしたね」


ボクが以前購入した客と判ると笑顔を振り撒く。返品だったら客が怒鳴り込む。

そうでないなら、売り込みか買いの客だ。そしてボクは礼節を取った挨拶をした

つまり買いの客と主は判断したのだろう。


「・・・」

一度は笑顔を見せた店主だったが、アデルの方を見詰ると真剣な眼差しへと変る


「これは、これは…大変興味深い事ですね…」

再び笑顔を見せ店の奥へとボク達を案内した。


「まさかお客様に『加護の力』がお在りだとは気付きませんでした」


店主の言葉にボクは驚いた。


「そんな方が他にも居るんですか?」

「いえ、居りません…正確には…今は居無いでしょう。が近いかも知れません

 私共の知らない所でお客様と同じ力をお持ちの方がおいでかもしれませんが

ネットワークでは、その様な話は聞きませんね」


「でわ、過去に居たと?」

「ハイ。…3百年も前になりますが、古文書にはそう記載されております」

「でわ…私の事も内密に」

「それは当然でございます。この商売秘密を漏らしたら終わりですので、

 ご安心下さいませ。それで今回も獣人をお探しですか?」

「出来れば、アデルと共に居たネコの幼子を」

「判りました「それと…DEの女性と盾役に向く方が居れば良いですね」」


3分ほど時間が経ち5人の女性と3人の男達が部屋に集められた。


「女達は斥候・前衛・遊撃と広く使えます。残りは盾役として使えます」


五人の女性の内2人はコチラが希望した二人だ。ボクとアデルにネコ娘にDEを

加えれれば、必然と残りも女性と考えるのが自然だったので、3人の男には

目も向けなかった。だが、店主は敢えて口にする


「ご安心下さい。この3人はアッチの気です。女には目もくれません」


なるほどと理解した。ボクはネカマだが、こっちは本物と言う訳だ。

女性の影に隠れて戦うのは気が引ける。そういう意味ではこの男性陣から盾役を

選ぶのも手ではある…が、どうにも見た目がボクの範疇を越える人ばかりだ。

丁重にご辞退し、早々に男性陣には引き払ってもらった。

だが、結局選んだのは、目的の2人だけだ。PTメンバーに制限は無いけれど、

生活するには金が掛かる。ボクを含めて4人。残りは盾役と回復役を加えれれば

6人揃う事になる。その後はチームに昇格。その後レギオンも立ち上げる事に

成るが…ボクは『働かざる者喰うべからず』の冒険者。まずは最低人数で実績を

重ねる事にした。


ネコ娘改め『マギー』幼いが精悍な顔立ちはネコと云うより豹と云った感じを

受ける。肌色は白く髪は菖蒲色に近くシンプルボブのヘアースタイル。年齢6歳

レベル等は出逢った頃のアデルと変らない。違いは固有スキル『隠密』と

『ネコパンチ』位だ。


DEは薄花桜色した肌を持ち髪は銀髪でマッシュベースのショートヘアーに

グレーの瞳だ。ボクは彼女を『アイン』と名付けた。

以外だった。見た目は破壊的な外人スタイル。長身で女将ヘイゼルと

同じ位のバストサイズの癖に驚きの15歳。聞けば、戦闘経験など一切無い。

それでも、アデルやマギーよりお姉さんと言う事で体力は150に魔力は60と

出だしとしては悪くない数値だ。オマケに付与魔法『毒』『痺れ』も習得済だ

固有スキルは『誘惑』と『剣舞』だった。


「じゃ~2人で幾らでしょうか?」

前回の価格でいけば7千£の筈だとボクは思った


「お客様は今後当館の大事な顧客様に成られると思い、今回は大特価で御奉仕

 させて頂きます。今後も、お付き合いの程お願いしますの意味を込めて2千£

で如何でしょうか?」


確かにボクが大成すれば、もっと仲間を必要とし奴隷を購入する事も在るだろう

試したい事もある。そういう意味では、今後も此の店に通い続けるだろうが…

まさか、まさかの大判振る舞いには、ボクも驚かずには居られなかった。


「ご主人。ボクの記憶が正しければ、その価格は、まるまるアインの価格が零

 だと思うのですが」

「はい。よく覚えて御いでですね。その通りです『加護の力』と云う古のスキル

 を拝見させて頂いたお礼とお受け取り下さい」


館の主『カスパル』と彼の名を覚え、ボク達4人は冒険者ギルドへ向った。


「あら!?今日はどうしたの…大勢女の子を引き連れて」

声を掛けてきたのはギルド職員でGMギルド・マスターの奥さん。影のGMケリーお姉さん。


「ええ。新しくPTに加わった2人を登録に」

「3人でしょ…ちょっと…えっ!!」

口に指を当て『静かに!』のサインをケリーお姉に送るボク。コクコクっと

壊れた玩具の様に首を縦に振る姿は滑稽で笑える。


「へぇ~凄いね。益々貴女の事が判らなくなるわ。…なんだか良いわね若いって

 あ~私も事務職辞めて冒険者復活しようかな~」

ボクとアデルを見ながらボヤク受付嬢。聞けば数年前まで、ガチガチの前衛職で

名を馳せた冒険者らしい。


「…はい。これで、マギーとアインも冒険者の仲間入りよ。ヨロシクね」

ケリーの言葉にたどたどしく頭を下げる2人。ボクは例の如く討伐依頼を受け

ギルドを後にしようとした。


「そうそうジュンちゃん。近いうち貴女にお願い事するかも。

 その時はよろしくね~」

何かのフラグを立てる様にケリーお姉はボクに告げ、その場を離れた。


宿に帰れば女将ヘイゼルさんが諸手を挙げて新人2人を迎え入れてくれる


「まぁ~一度に2人も連れてくるなんて!それに2人とも可愛くて素敵よ。

 まずは、お風呂でさっぱりすると良いわね~。トミさんアデルちゃん達を

露天にお連れして!ジュン様は、私とこっちに来て下さい」


豪く気合の入った女将に成す術もなく従うボク達。1人女将に奥の間へと

付いて行けば、ソコには数え切れないほどの服が散乱していた。


「私のお古の服も混じってるけど、貴方達は若い娘さんだから、宿に居る時位は

 御洒落しましょうね」


…中身が男の俺には到底及びもしない考えだった。


九話  「一気に…」  完

明日は9時に投稿予定してます

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