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「休憩おわり!訓練再開だ!」
ヴィクセンの声で、ボーっと試合を見ていた兵士たちが訓練へと戻っていく。
「リオ。お前は?」
「もちろんやるに決まってるだろ」
「わかった。俺に付いていろ。教えてやる」
「助かる」
とは言っても、訓練内容は殆ど基礎的なものばかりだったから、困ることはなかった。
しかし、こんなに基礎的な物ばかりで良いのだろうか。
「やるな」
ヴィクセンに褒められた!でも嬉しいというか、驚きに近いかな。
「身長が小柄な分、違うところで補わなければならないからな。必至になってやったかいがあるというものだ」
「リオ!」
ローズがこちらへ走ってきた。
「ローズ様!お一人で此方へ?危ないですよ」
「ごめんなさい…」
「まあいいです。如何なされましたか?」
「暇だから訓練を見に来たの。あら。こんにちは。ヴィクセンさん」
「こんにちは。ルークをみる為にわざわざ此方まで?」
「もちろんそれもあるけれど、日頃どのような訓練をしているのかは見ておかなくては、と思ったので。ご迷惑だったならば謝ります」
「そんなことはありませんよ。好きなだけゆっくりしてください」
ヴィクセンが言うと、ローズは嬉しそうに隅に寄った。
「ローズ様。訓練が終わるまでお待ちいただければ、お送りします」
ローズにそう伝えると、ローズは頷いた。
「ヴィクセン、夜話したいことがある」
「わかった」
「部屋に訪ねていって問題ないだろうか」
「わかった」
「10時頃行く。夜分遅くにすまないな」
「気にすることはない」