あなた次第
歩いていたら、山上君が空を飛んでいたのです。
「あっ、山上君。どうしたのら?」
「およよ、坂東君じゃないか」
山上君はいつものようにバタバタさせていた手を緩め、ふわりと地面に着地します。
「どこへ行く途中だったのらい?」
坂東君が鼻頭をぽりぽりと掻いて質問します。
「パンツ祭り!!」
山上君はテンションマックスで叫びます。
「僕もパンツ祭り行きたいよー。お願いだよ、僕も連れて行ってくらさい」
「うん。一緒に、おパンツ祭りにレッツらゴー」
僕は山上君とおパンツ祭りに行くことになったのです。
僕は手を振り振りし、蝶々のように華麗に宙に舞います。そして、おパンツ祭りが開かれている場所へ向かいます。
祭りの場所へ近づくと、老若男女様々なピープルが会場目がけて空を飛んでいました。
着きました。
独特の匂いが周囲に漂っていました。
12歳の坂東君は心臓がバクバクし、顔がポッと赤くなります。
「おパンツ祭り、どんな祭りなのかな……」
すると、たくさんのパンを持った人々とすれ違います。
「えっ、なんでパンなんか持っているのら?」
坂東君は小首を傾げ目をぱちくり、ぱちくりさせました。
「およよ、パン祭りなんだから当たり前だよー」
山上君は唇を突き出して、言います。
「え、パン祭り?」
坂東君放心、そしてがっかりして肩を落とします。
「そんな……、楽しみだったのに」
「坂東君、何の祭りだと思ってたんだい?」
「秘密なのら」
坂東君の可愛い勘違いでした。
/お祭りヤッホー
シコシコ、シコシコ。
「あっ、あっ」
クラスのマドンナ、黒林 幸は授業中一番後ろの席に座っていた。
急に小さな変な声が聞こえたので、声のした方に首を微かに向ける。
すると、同じく一番後ろの席で隣に座っている、侍 統が汗を滴らせ、シコシコしているではないか。
「ちょ、ちょっと統くん。な、何しているの??」
幸は顔を赤面させて言った。
しかし、その声に気づく様子もなくシコシコしている。
しばらくして「ふうっ」という小さなため息が聞こえた。
「ああ、気持ち良かった」
統が顔を紅潮させて、満足そうに独り言を呟く。
「教室で、シコシコのうどんを作るなんてどうかしてるわよ! 統君」
「幸、我慢できなかったんだよ。許してくれよ」
「最低ー。見てるこっちが恥ずかしいわよ!」
幸はそう言うと統の頬を力いっぱいビンタした。
ビシッ!
教室にビンタの澄んだ音が響き渡る。
「そこ、何してるの!」
クラスの担任の女教師、鬼畜 魔子がその音に気づき近寄ってくる。
「まあ! 何をしてたのかと思ったら教室でシコシコうどんしていたの? 信じられない。アンビリバボーよ。不潔よあなた。校長ーー、校長ーー」
そう言って、鬼畜 魔子は「いやだわー」と言いながら廊下を駆け抜けて行った。
統は学校を退学させられた。
ちょうどその日、その学校の卒業生で有名歌手の、陳 竹林がテレビ取材に来ていてその騒ぎの一部始終を目撃していた。
そして、歌手でありながら美食家の陳 竹林は教室で作られてたシコシコうどんに目を輝かせた。
「食べたい、いや俺の権力で食べさせろ」
陳 竹林はシコシコうどんを無理やり取り上げた。
芳醇な香りを肺いっぱいに満たし、陳 竹林はズルズルっと勢い良くすすった。
「こ、これはまさにうどんのビックバンや」
陳は喜んで踊り狂い服を脱ぎ、捕まった。
統はその事件が元で評判が評判を呼び日本一の、いや世界一の、いや宇宙一の、うどん屋になりました。
/天下統一
だんだんどこへ向かっているのかわからなくなりました。
行ける所まで行くしかない。




