第二話 学園生活<始まり>
補足その1 <PSIレベルについて>
PSIレベルはSSS・SS・S・A・B・C・D・E・F・Gの十段階です。
近年はD~Fクラスの能力者が増え、世界政府はPSI専門の学校を一ヵ国に一つずつたてている。特に最近発達しているのはギルドでS~Fの能力者非能力者で形成されている。そしてSSSとSSは政府の監視下に置かれ、特殊部隊で働いている。
朝の支度が終わりマンションを出ると志苑と凛苑は三浦から渡された設定を読みながら歩いていた。
「え~と。僕はアメリカから来ました。東海林凛苑です。」
「俺はアメリカから移住してきました。東海林志苑です。」
「ここまでは同じだね。」
「次が問題だ。俺はAレベルの能力者なので僕の具合がおかしいときは逃げてくださいって、おかしいだろ。」
「ほんとだ。これって『私は爆弾を持ってます。爆発しそうな時は逃げてください』って言ってるようなもんだよね。」
「それにしても大丈夫かな?志苑と別々のクラスなんて、フォローしてくれる人いないじゃん。」
そう、実は今回別々に行動がとれるよう志苑は2-B、凛苑は2-Dと別れているのである。
そして二人は校門にきたので紙をしまうと校舎に入って行った。
********************************************* 「今日は転入生を紹介する」
2-Bの担任である速水がいううと生徒たちが盛り上がる。
そして入ってきた志苑をみると皆そろって口をあけたまま唖然としていた。
あまりに人間離れした志苑の容姿に見とれてしまったのである。しかし当の本人は一切気にせず黒板に
名前を書き始めた。そして生徒たちはやっと意識を取り戻したのを確認すると冷淡な声で
「アメリカから来ました。東海林 志苑です。」
と言った。すると生徒たちは『キレ~』や『人間か?』と言いながら先ほどの盛り上がりを取り戻し
た。速水は深呼吸すると志苑を開いている窓側の席に座らせた。
キ~ンコ~ンカンコ~ン
とチャイムが鳴ると速水は『新しい友達です。仲良くしましょう』とかなんとか言うと教室を出て行っ
た。
すると一斉に生徒たちが志苑の席に集まって質問してきた。
しかし志苑は
「弟がいるから」
といってクラスから出て行った。
2-Dに着くと志苑と同じくらいの人だかりに囲まれている凛苑がいた。
凛苑は取り繕うのが苦手だからなかなか出てこれない様子だ。志苑はそんな弟を確認すると救出に執り
かかった。しかし残念ながら志苑が入ってくると志苑まで取り囲まれてしまった。
こうして七年ぶりの学業復帰は始まったのである。