第三話 七年ぶりの故郷
志苑と凛苑は羽田空港に着くとバス停でバスが来るのを待っていた。空港は春休みも終わりにさしかっか
っていたので、帰国ラッシュでごったがえしていた。
そんな中普通なら二人の少年なんて気にせず無視してツカツカ歩くのが常なのだが、どうやら二人の場合
はそうはいかなっかたようだ。十人通れば最低でも八人は振り返るありさまである。
それもそのはず、漆黒のくせのある髪は後ろで刈ってあり、黒目がちな鋭い光が宿る切れ長の双眸にきり
っとした凛々しい眉と長い睫、少し高めでまっすぐな鼻筋と薄く赤い唇幼さの抜けきっていない口元。そ
してしなやかな手足に伸び盛りの背。どこをとっても完璧な美少年だ。
そんな容姿端麗な双子がバス停にいるため立ち止って写真も撮られるありさまだ。ようやくバスが来ると
二人は逃げ込むように一番後ろの席に座った。
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バスがマンション前に止まると二人はスイカで料金を払って、降りた。
<レジェンド>が手配していたマンションだ。前もって教えられていた番号を入力するとエレベーターに
乗って部屋に向かった。
中に入ると突然肩をつかまれたので志苑は三つある能力のひとつサイコキネシスを使って相手を壁に撃ち
つけた。
すると相手―――青年だったは、
「こっこれを・・・」と言ったので差し出してきた物を凛苑が受け取った。
すると凛苑は「志苑、放してあげて。どうやらその人、国連の工作員みたいだよ。」と言った。
そう青年が持っていたのはバッチだったのだ。
そして青年のダメージを凛苑が回復させると青年は
「僕の名前は三浦 正真。この任務中は君たちの監督及びお兄さん役で『東海林正真』だからね。よろし
く。それにしてもレベルSSSの能力者に会えるなんてうれいいよ。なんだって世界に七人しかいないんだか
ら」と志苑と凛苑が殺意を覚えるほど興奮した声で言った。
そして部屋のかたず家を済ませ作戦会議をした後、翌日に向けて三人は睡眠をとった。