第二話 特務命令
志苑と凛苑は受付を受けていた。
「№16東海林 志苑」
「№17東海林 凛苑」
「受付完了よ。オフィスでMr.オルガがお待ちよ。それと№14が『今度食事でもどうか』ですって。どうする?」
そしてさすが双子と思われる息ぴったりで即答した。
「キャンセルで!!」(by志苑) 「キャンセルで!!」(by凛苑)
そして受付嬢ならぬ受付マダムのMrs.ジェーンは悪戯っぽい笑みを浮かべながら
「あらら。もったいないわね。Ms.ラディーンはなかなか美人さんなのに。どちらか片方はどう・・・。
あら?あの子たちどこに行ったのかしら?」
そのころMrs.ジェーンの長話から逃げ出した双子は無言でオフィスに向かっていた。
そしてエレベーターに乗ると最上階のボタンを押した。
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エレベータの扉が開くと二人は指令室に向かった。そして厚い鉄製と思われる扉に設置されているインタ
ーホンを押した。
しばらくするとロックが外れたようで中に入ると何十人かの男女がいて中央に最高顧問であるMr.オルガが
いた。
Mr.オルガは二人が入ってきたのを見ると手招きして奥にある最高顧問室にいかせた。
そして二人をソファに座らせると
「お前たちはいつも優秀で驚くことに任務失敗がなく毎回関心させられている。そんな優秀な君達に
上層からの特務命令を言い渡す」と言った。
そして二人の息ぴったりの溜息を無視して話を続けた。
「今回の任務は世界有数のギルドのひとつ<CKP>に潜入してある人物を抹殺することだ。ギルドについて
は知っているな。ギルドに務めているのはPSIレベルSまでの能力者と常人だ。ちなみにターゲットはS級
だ。目的地は日本だ。日本でS級は一人しかいないからすぐわかるだろう。この任務は国連からの特務命令
のためお前たちが最高レベルの能力者だと知っているのは<CPK>の上層の一部と日本支部の幹部だけだ。
向こうではあくまでPSIレベルAでギルドのライセンスもA級にしてある。PSIレベルSSSなんて一気に来た
ら怪しまれターゲットに逃げられてしまうし残念ながらギルドはS級までしか働けないしな。出発はなんと
明日でお前たちは中学校に転入するんだ。久しぶりの学校生活と故郷を存分に楽しむんだな。おっと忘れ
るところだった。これが偽装ライセンスカードと偽装のPSIレベルカードだ。間違えないように気をつけ
ろ。あと任務期間は二年間。潜入一年目はターゲットの身辺を観察するだけで接触は極力避けるように。
以上だ。検討を祈る。」
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そして翌日二人は空港から七年ぶりの故郷に向かったのであった。
次で序章終わる予定です。