第一部 第八話
ダンジョンに入るのも鑑札が必要で、これが無いと入れない。
だから、どのダンジョンも入口にギルドキングダムの兵士が守っていて、鋼鉄でできた頑丈な檻が入口に取り付けられていて、鑑札を確認した後に入れるようになっている。
この檻は頑丈な太い鋼鉄製の強力なもので、スタンピードが起こった時には、これを閉じてモンスターが出て来れないようにした後に、えげつないのだが外から弓とボーガンで攻撃して戦うようになっている。
こういう戦い方をすると被害が凄く抑えれるのだ。
相手は檻のせいで出て来れずに、こちらは安全なとこからひたすら矢を放つだけだからだ。
それで、昔は恐れられていたスタンピードは、今では簡単に素材を手に入れる事ができる、みんなのお祭りになってしまった。
この辺もベアトリクス・フォン・アレクスト女王陛下の改革でお若いのに大したものだ。
頑強な鋼鉄の檻越しでスタンピードを抑えてしまうのと、鑑札などで入場料を取る一石二鳥の国家の収入増加大作戦である。
ギルドキングダムがベアトリクス・フォン・アレクスト女王陛下の即位後に他国がうらやむほどの金持ち国になったのは、こういう地味なきっちりとしたお金をちゃんと回収しているからだ。
まあ、冒険者は依頼でもない限りはダンジョンに入らないとお金になんないもんね。
正直、出る時にも荷物チェック受けて、誤魔化しができないようにしているから、サポーターが本当に必要なのかと言われそうだが、中国の「上に政策あり、下に対策あり」では無いが、今度は冒険者で兵士を買収するアホが出たので、やっぱりサポーターは必要なのである。
現実はシビアだ。
単に入場料だけで入る新人もいるが、鑑札を買うと、年間は何度でもそれだけでダンジョンに入れるので得だ。
さらに地区鑑札と国家鑑札があって、地区鑑札は地方のみだが、国家鑑札だとダンジョンキングダムの全てのダンジョンに入り放題である。
ちなみに、バン達も俺も国家鑑札だ。
しかし、俺からすると鑑札とかは、前世の近所の大きな川のアユを投網とか友釣りとかで採るための川の鑑札を思い出す。
それを持って川に入らないと、もはや川魚を取って川漁師なんかしてないのに、監視だけはしている川漁師さんのなれの果てがすぐに警察を呼んで鑑札の有無を確認するのである。
親しくなった川漁師のおっさんは、もう殆ど漁はしてないのに利権はがっちりだった。
ちなみに、鮎を川に戻そう運動をやっていて、稚鮎を買って川に放すためにと市民から募金を集めていたのが、それは全部川漁師の仲間の飲み代に消えていた。
それがチクられて、仕方なしに一部で稚鮎を買って放流することになって飲み代が減ったと怒ってた。
ニ十年以上稚鮎の募金をやっててお金を集めて、それまで一度も稚鮎を買ったことが無ければ、そりゃ調査に入るだろと言いたかったが。
まあ、余談が過ぎたが、入り口で鑑札を見せてダンジョンに入る。
俺はサポーターでしかも、カッパーとシルバーとゴールドとおおざっぱに三階級あるゴールド階級のサポーターなんで兵士が途端に丁寧に敬礼して来た。
一応、彼らより上役になるのだ。
「流石、ゴールドサポーターですね」
「一番死亡率が高い奴です」
そう、俺がにっこり笑った。
サザーランドがヨイショか知らんけど褒めてきたが、一番死ぬのもゴールドサポーターなんだよね。
巻き込まれて死にやすい。
おかげで空気が重くなった。
余計な一言で刺されて死んでおきながら、スキルコミニュケーターを持ってる癖に全然空気が読めていない俺だった。
この余計な一言がアニサキスと呼ばれる所以なのに。




