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第一部 第五話

「で、今日のクエストは二十二号ダンジョンの新しく発見された分岐ダンジョンの調査ですか」


 そう俺が書類を見ながら話をした。


 <ナックル>は、なかなか裕福な冒険者チームらしくて、すでにちゃんとした移動用の馬車を持っていた。


 まあ、上級のプラチナグループからなら、普通に持つものだけど、聞いたらゴールドグループの時から持ってたらしい。


 これを見ても、大きい冒険者チームにしたかったのは分かるのだが、それにしても少数すぎるよな。


 大手を目指すなら、プラチナグループになった時点で十人くらいはメンバーがいるはずなんだが。


 そう俺はその馬車に揺られながらアリアーネ嬢から渡された書類を見ていた。


「今日行くのは、第二十二号ダンジョンの三階層の奥に隠し扉があって、かなり深い新しく分岐したダンジョンのようですね」


 そうサーラが笑った。


「まあ、プラチナグループに上がった事でご褒美のダンジョンなんでしょうが」


 そうヴィクターも微笑んだ。


 確かにそういう傾向は良くある。


 新しいダンジョンは見つかれば、すぐに報奨金が出て、中の探索の方はギルドキングダムからの指名制になる。


 勿論、初めて発掘されたダンジョンだから、危険はあるが新しいアイテムがそのまま眠っていることが多い。

 

 まさにボーナスタイムなのだ。


 こういうのが見つかると、サポーターは特殊な魔法具で入口を封鎖する


 これはギルドキングダム最強の魔法師であるマルティーナ・モンスの作ったもので、置くと同時に小さな小箱から大量の魔法糸が出て入口を封鎖する。


 この小箱についている鍵穴に、俺がギルドから持たされた鍵を差し込むと、魔法糸が消えて新ダンジョンの入口に入れるようになっている。


 こうやって、新ダンジョンは勝手に入れないように封鎖しておいて、ギルドキングダムに選ばれたパーティーが入るのだ。


 ちなみに、勝手に入った場合は重罪で死刑すらあるので、普通はやらない。


「で、いつもの通り、ご褒美ダンジョンの調査の依頼とともに、我々がプラチナグループにふさわしいかのサポーター調査でしょ」


 サザーランドがそう笑った。


 いろいろと漏れてるわ。


 まあ、同じ事してたらバレるわな。

 

 横のつながりもあるし。


 と思って、少し悩んだ。


 いやに、清潔感があるなとか妙にフレンドリーとか、バンが殴らなかったのとか調査ってばれてるからかな?


 ちょっと嫌な予感がした。


「ところで、上級に上がるときは噂のテンフィンガーがするって聞いたんですけど、本当なんですか? 」


 ケインが上目遣いで聞いてきた。


「え? そうなの? 」


 バンが驚いて聞いた。


「いやいやデマだよ」


 そう俺が苦笑した。


 どこまで漏れてんだか。


 そう俺が焦りを見せないように苦笑した。


 困ったもんである。


 調査になんねぇじゃん。


 まあ、実際、調査に入ると先に冒険者グループに宣言しては? と言う話があったが、テンフィンガーの全員の反対でそれは無くなった。


 たしかに、そういうのをやると、前世にバイトしてたスーパーとかでも、消防署とか衛生検査とか全部あらかじめ連絡があるから、前日に合格貰えるように片付けや消毒してたんで、調査では無くなっちゃうよなと思ったし。


「貴方はだれなんです? 」


 ケインがじっと俺を見て聞いた。


「は? レオンですが? 」


 俺が苦笑して答えた。


「いや、テンフィンガーのコードネームですよ」


「いやいや、何を言ってんですか? 」


 俺がさらに苦笑した。


 えらく食いついてくるな。

  

 俺が妙に不安になった。


「テンフィンガーって都市伝説かと思ってた」


 そうサーラが笑った。


「噂はあるよね」


 ヴィクターもそう話す。


 本当に情報がもれもれだな。


 困ったもんだ。


「なんで、そんな事を聞くんだ? 」


 バンがケインに聞いた。

 

 俺もそれを聞きたかったのでありがたい。


「いや、これを聞くと自慢げに喋る人がいるらしくて」


 そうケインが言うので、心の中でずっこけた。

 

 極秘になってないじゃんんんんん!


 身内が極秘情報をばらすとか馬鹿じゃないのか?

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