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第一部 第一話

 俺は転生後にレオン・ヘルマン・ハーゼルゼットと言う冒険者に生まれ変わった。  


 いや正確に言うと貧しい騎士階級の最下層に産まれたのだが、両親が亡くなった後に騎士を辞めた。


 貧乏過ぎたので、少しでも生活を良くする為に冒険者になったと言うのが正しいのかも知れない。


 我が転生先の国家であるギルドキングダムは、その名の通り冒険者のギルドを運営して成り立っている国家であった。


 元々、このギルドキングダムは領土に大量のダンジョンがあり、それから冒険者達が回収してくる古代文明の魔法具や、魔物の結晶石や毛皮や骨や肉などの買い取りとそれに対する税金が主な収入の国家だった。


 勿論、冒険者にとっては非常に夢のある国で、たくさんの大陸全土から名立たる冒険者チームが集まった。


 彼らは近隣国家のモンスター退治も引き受けて名声を挙げていた。


 そして、その後に、この国の新しい女王になられたベアトリクス・フォン・アレクスト女王陛下が即位と同時に大改革を行った。


 今後の依頼を冒険者グループが遂行する時は、必ず国家の出したサポーターを同行しないといけなくなった……いわゆるサポーター制である。


 これは徹底されて、低級のホワイトとブロンズクラスは問題ないが、中級のアイアンクラスやシルバークラスからは必ずサポーターがついていく事になる。


 勿論、冒険者が獲得した結晶石や魔具の横流しなどを監視させる事もあるが、ありがちな強力なリーダーによる手柄の独り占めや無茶な戦闘の強制などを規制する事など、問題がある冒険者チームを監視して注意するようになっていた。


 また、サポーターの報告があれば冒険者の怪我や事故なども全てギルトキングダムより補償がおりるように冒険者の福利厚生も行っていた。


 最初は揉めたものの、それは時間とともに受け入れられて、今では普通の事になった。


 それで、数々の報告が王国の中枢にフィードバックされて、それらを調査した結果、非常に驚くべき事が分かった。


 それは冒険者グループにとって最大の問題は強大なモンスターでもなく、実は恋愛を含む内部のゴタゴタだったと言う事だ。


 恋愛問題がひどくなるとグループの恋敵がピンチになっても助けず、あろう事か死ぬように仕向けたりする行動もたびたび見られた。


 また、冒険者メンバーの主要人物がアチアチカップルになりすぎると今度はイチャイチャしすぎて急速に冒険者としてのポテンシャルが縮小して、あまり戦わなくなったりとかが見られた。


 そこで、ベアトリクス女王は急遽、サポーターに冒険者グループ内の問題を密かに解決させる特殊な能力や技能を持つものを入れて改善させる事にした。


 これは極秘の部隊で、冒険者グループ内の人間関係に密かに介入することで、さらに冒険者グループを精強なグループにする助言や教育なども行うことになった。


 さらに大口を叩くわりに実は冒険者グループに貢献してないくせに、報奨を得る段階では酷く介入して来て、他のメンバーのやる気を失うような人間の排除も含まれていた。


 これらの国家の介入が冒険者達にはっきりとバレればギルドキングダムが余計な反感を買い大きなトラブルになる恐れもある。


 それゆえ、あの007のスパイシリーズでは無いが、ギルドキングダムで選りすぐりのサポーターの中から10人のメンバーが選ばれて、それらのメンバーが冒険者のグループメンバーとして問題のある人の排除などを行う事になった。


 彼らはそれぞれコードネームを持ち、サポーターが持つ権限を超え、冒険者グループの暴動などを鎮圧するためにギルドキングダムの軍隊の指揮権すら持つものもいる特殊な組織だった。


 それはギルドキングダムのべアトリクス・フォン・アレクスト女王陛下の十本の指になぞらえて、テンフィンガーと呼ばれている。


 そして、それに転生して来た俺、前世で椎原要(しのはらかなめ)であるレオン・ヘルマン・ハーゼルゼットはある事がきっかけで冒険者から、そのサポーターにスカウトされて、さらに、その特殊な組織テンフィンガーに属する事になった。


 属するときにコードネームは自分で決めるのだが、思わず口に出た言葉、<アチアチカップルのアニサキス>に決まってしまって、後で凄く後悔した。


 後で変更できなかったのだ。


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