第一部 プロローグ
今日は1時間ごと3話行きます。
明日以降はばらして1日3話投稿します。
第1部が終わったらしばらく休みで、再度第2部を集中投稿します。
宜しくお願いいたします。
俺、椎原要は大学に入学した時にどういう訳か、中高生の時は、いつもモブで地味なグループに居たのだが、今回はチャラい連中ばかりのグループに入った。
単に大学に入学した時の合宿とかで、たまたまそのグループにいた事もあってなのだが……。
そして、彼らと付き合ってしばらくして分かったのだが、彼らは決してヤリチンでは無かった。
いろいろと声をかけて彼女を次々と作っていくが、ちゃんと筋は通して別れてから付き合っていた。
そういう意味で言うとチャラいように見えたけど、そういうグループでは無かったのかもしれない。
良く観察すると、彼らの軽さは女性の警戒心を解くだけでなく、地雷を踏んだ時にいつでも撤退できるようにする為のものだった。
つまり、チャラいように振舞うことで、付き合おうと女性にちょっかいを出した時に、やばい相手だと思って即撤退しても、彼らは軽いからと女性達に恨まれない為にわざとそういう風に見せていたのだ。
地味なグループに居たせいか、あまり恋愛経験も無い俺からすると非常に興味深い話だった。
考え方も俺と随分違った。
グループの連中に近い関係にあった同じ1回生の男子に、こちらの近くの看護学校の専門学校を受けて、わざわざ故郷から追っかけてきた彼女がいる奴がいた。
当時、恋愛関係にあまり縁が無かった俺からすると、凄い愛し合っているカップルなんだなと感心したが、そのチャラい連中の考え方は違った。
彼らの感想は、それはやばい、危険だ……だった。
理由を聞くと、そこまでして、彼氏についてきた彼女が実はヤバい性格を持っていた場合、男の方が逃げ切る事は出来ないのじゃないかと言うのだ。
何という危機管理意識なのだろうか。
その言葉は凄く衝撃を持って、当時のモテない系のモブであった俺にしたら深く深く心に染みわたった。
その後、やはりチャラい系の連中とは微妙に彼女とのデートとか人生に対する楽しみ方の考えが違って疎遠になり、いつものモブで地味なグループに移動した。
だが、そこはネチネチの泥沼の恋愛関係が続いている、坩堝のようなヤバいとこだった。
中心になるのは和貴と呼ばれるチャラい系でも行けそうな美男子の1回生の男子とその彼女の輝と呼ばれる同じ1回生のなかなかの美少女が中心だった。
そして、仲が良いように見えて、周りの女性の美玖や碧も実は和貴に惚れていて、そして、グループの男性の樹も律も輝に惚れて居た。
問題は和貴で実は美玖にも碧にもそれとなく手を出しているように見えたので、ちょっと、それはどうなんだとしみじみと思っていたが……。
それは和貴の感想を碧にそれとなく聞かれて、ちょっと下半身が元気すぎてあちこちに手を出しているからなと冗談っぽく言ったらパニックになりだした挙句、碧に彼はそんな人じゃ無いって逆切れされた事ではっきりと分かった。
それで、いろいろと元のグループのチャラい連中とかと付き合いは残ってたから、彼らの広い情報網からも裏が取れた。
事実上、和貴は三股していた。
しかも、和貴は危機管理意識が薄くて、それを輝だけでなく美玖と碧にはぐらかす程度のレベルで誤魔化していた。
三人とも和貴を大事に思っていて、フラれる事や余計なトラブルになるのを恐れて彼女達がはっきりと他にも彼女がいる? と口に出せないのを利用するセコサだった。
で、俺もよせばいいのに、それとなく和貴に対する疑念の数々をそれとなく輝達に話して忠告していた。
正直、輝を好きな樹の方が真面目で、これまた生真面目さがある輝には似合うと思ったからだ。
俺のそれとは無しに忠告したつもりの会話は徐々に輝と美玖と碧に相当なものを溜めさせていたようだ。
それである日、急展開するような出来事が起こった。
なんと和貴の本命は別だったのだ。
それは二回生の大学の先輩の楓さんだった。
俺は偶然にイチャイチャしている二人にばったり会ってしまった。
和貴は俺に誤魔化していたが、バレバレだった。
悪い事は出来ないもので楓さんとイチャイチャと別の場所でデートしていた和貴は、ばったり不味い事に輝と美玖と碧の三人と鉢合わせしてしまったらしく和貴がそれで問い詰められたのだ。
そして、長い間にいろいろと溜まっていた輝と美玖と碧が爆発した。
勿論、今の転生した俺ならしない事だが、彼女達の激しい和貴との罵り合いで俺が三人に余計な事を言っていたのが和貴に全部がばれた。
後で輝から聞いた話だと、相当に俺に対してブチ切れていたらしい。
俺からしたら余計なことをしたものだが……。
それとは別に四股の結果として和貴の人生の崩壊した。
楓さんは大学をスポンサードしている大企業の経営者の娘で、輝は学長の孫で、美玖は大学内で武道で有名だった四回生の先輩の妹で碧は和貴の実家の家業に関係ある業者の娘だった。
良くもまあバレた時にリスクのある相手ばかり手を出していたものだ。
正直、俺からしたら馬鹿じゃないのとか思うが、馬鹿すぎる四股がバレた和貴は大学に居れなくなり、その憎悪の全てを俺にぶつけてきた。
「この野郎、俺達の仲がうらやましいからって、このアニサキス野郎がぁぁぁ! 」
この言葉が前世の俺が最後に聞いた言葉だ。
俺は腹をナイフで和貴に滅多刺しされながら、朦朧としながら誰かに支えられて、何故かアチアチカップルのアニサキスと呟いていた。
最後に俺が見たのは倒れていく俺を支えてくれた女性の顔で、それが見覚えのある人だなとは思ったのだが誰か分からなかった。




