第二話
「くそっ、小癪な……!」
ヴァルドは焦りを露わにしながらも再び魔術を放つ。
「闇よ、我が敵を穿て!」
彼の前方に黒々とした闇が凝縮し、槍のような鋭い形を成して俺に襲い掛かる。反射的に身をひねり避けるが、掠めた槍が俺の頬を浅く切り裂いた。
鋭い痛みとともに鮮血が舞う。
だが――不思議なことに、戦えば戦うほど俺の身体が研ぎ澄まされていく感覚がある。
「……なるほどな」
この世界はバトルで全てが決まる。そして俺の身体は、その法則に完全に適応している。
「やっぱり、バトルするしかないってことか」
呟く俺を前にヴァルドが再び魔術を放つ。
「小賢しい!消し飛べ!」
無数の闇の弾丸が俺に向かって殺到する。俺は瞬時に剣を構え直し、その一つ一つを見極めて切り払った。
攻撃を完全に防ぎきった俺に、ヴァルドが動揺を隠せない。
「馬鹿な……私の闇をことごとく防ぐなど!」
その一瞬の隙。
俺は地面を蹴り、一気にヴァルドに肉薄した。
「これで終わりだ!」
剣が煌めき、ヴァルドの防御魔術を破り、その身体に深々と突き刺さった。
「ぐあぁぁっ!」
叫びと共にヴァルドが倒れ、勝利を告げる歓声が闘技場に響き渡った。
息を整えながら俺は再び確信した。
――ここではバトルに勝つこと。それだけが俺の存在理由だ。




