12話
9月8日、文学フリマ大阪12に出店します。
サークル名…未完系。
ブース…うー23
激しい怒りに襲われた。
一つ一つの出来事は大した事じゃないように思えたが、積み重なっていくうちに、自分の中の何かがぐらぐらと揺られていき、今日、とうとう崩れ落ちてしまったのだ。
不思議なことに、怒りに襲われている間は心地良ささえ感じるほど、怒っているという事実が大切で、更に「怒り狂う私を愛してほしい」という欲望が膨らみ、「楽しくなくても笑顔になる事で脳を騙し、怒りを抑えることができる」という知識が浮かんでも実践する気にもなれなかった。この怒りを失うことに恐怖すら覚えた。
この怒りは私のものだ。
誰にも奪わせはしない。
時間も肉体も金銭も、すべてを差し出す育児をしてきたせいだろうか。
それとも私個人の資質なのだろうか。
それはわからない。
マダム・レースはこんな私を叱るだろうか。
軽蔑して、叱ってすらくれないだろうか。
理性で感情をコントロールすることもできないなんて野生動物以下だと、ため息をつくのだろうか。
マダム・レースは、軽蔑も窘めも慰めしなかった。ただ静かに言った。
ーー 貴女は貴女を大切にしたいと思ったのね。
それは必要なことよ。
その方法が貴女にとって最善だったのか、他に道がないのか、ゆっくりと探すといいわ。
私達の旅はどこかに辿り着くための旅ではなく、どんな道を選び、誰と歩き、何を食べ、何を捨てて、どんなものを拾って、何を読み、何を考えるのか。それを楽しむ旅だと、私は思うのよ。 ーー
貴女はどう思う? とマダム・レースは私に問いかけた。
私はこの旅を通して、旅の楽しみを見つけたいと思った。あわよくば、見つけた楽しみを、楽しみたい。私を大切にする方法を見つけに行きたい、と思った。
何より大切な、私と共に。
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次回、最終回です!
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